ミリスチン酸オクチルドデシルとは…成分効果と毒性を解説

ベース エモリエント成分 溶剤
ミリスチン酸オクチルドデシル
[化粧品成分表示名称]
・ミリスチン酸オクチルドデシル

[医薬部外品表示名称]
・ミリスチン酸オクチルドデシル

化学構造的に高級アルコールの一種であるオクチルドデカノールに高級脂肪酸の一種であるミリスチン酸を結合したエステル油(高級アルコール脂肪酸エステル)です。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品、日焼け止め製品、シート&マスク製品、ネイル製品などに汎用されています(文献1:2010;文献2:2015)

エモリエント作用

エモリエント作用に関しては、低粘度で油性感が少なく、展延性(∗1)および肌なじみがよい油性基剤としてスキンケア化粧品、マッサージオイル、メイクアップ化粧品などに汎用されています(文献3:1997)

∗1 展延性とは、柔軟に広がり、均等に伸びる性質のことで、薄く広がり伸びが良いことを指します。

化学構造的に側鎖がアルキル基のほぼ中間にあることから、水蒸気通過性がよく、皮膚の生理機能を妨げないことが明らかにされており(文献3:1997)、またミリスチン酸イソプロピルパルミチン酸イソプロピルより皮膚刺激が少ないことからベビーオイルなどにも使用されています(文献4:2012)

溶剤

溶剤に関しては、油溶性植物エキスを溶かし込むための溶剤として処方されることから、油溶性の植物エキスと一緒に配合されることがあります。

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2007-2008年および2012-2013年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

ミリスチン酸オクチルドデシルの配合製品数と配合量の調査(2007-2008年および2012-2013年)

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ミリスチン酸オクチルドデシルの安全性(刺激性・アレルギー)について

ミリスチン酸オクチルドデシルの現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

医薬部外品原料規格2006に収載されており、10年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

∗∗∗

ミリスチン酸オクチルドデシルはベース成分、エモリエント成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 エモリエント成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2010)「Final report of the amended safety assessment of myristic acid and its salts and esters as used in cosmetics」International Journal of Toxicology(29)(4),162S-186S.
  2. Cosmetic Ingredient Review(2015)「Safety Assessment of Alkyl Esters as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(34)(2),5S-69S.
  3. 広田 博(1997)「高級アルコールの脂肪酸エステル」化粧品用油脂の科学,93-99.
  4. 鈴木 一成(2012)「ミリスチン酸オクチルドデシル」化粧品成分用語事典2012,72-73.

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