マカデミアナッツ油(マカデミア種子油)とは…成分効果と毒性を解説

ベース成分
マカデミアナッツ油(マカデミア種子油)
[化粧品成分表示名称]
・マカデミア種子油(改正名称)
・マカデミアナッツ油(旧称)

[医薬部外品表示名称]
・マカデミアナッツ油

[慣用名]
・マカダミアナッツ油

オーストラリア原産のマカデミアの実を圧搾して得られる液状油脂です。

植物オイルハンドブックによると、マカデミアナッツ油の脂肪酸組成は、

  • オレイン酸(不飽和脂肪酸類):46.2%
  • パルミトレイン酸(不飽和脂肪酸類):29.3%
  • パルミチン酸(飽和脂肪酸類):9%
  • アスクレビン酸(不飽和脂肪酸類):4.6%
  • ステアリン酸(飽和脂肪酸類):3.8%
  • リノール酸(不飽和脂肪酸類):2.4%
  • アラキジン酸(飽和脂肪酸類):2%
  • ゴンド酸(不飽和脂肪酸類):1.7%

となっており、油脂化学便覧によると、ヨウ素価70~80となっています。

植物油脂にしては珍しく細胞の保護成分であるパルミトレイン酸が豊富で酸化安定性に優れています。

マカデミアナッツ油の特性はアーモンド油に似ていますが、違いはマカデミアナッツ油は劣化することなく長期間保存が可能なことです。

パルミトレイン酸を含有しているため感触に優れており、肌なじみがよく保湿性や柔軟効果の持続性も高いので、化粧品に配合される場合は乳液やクリームなどの基礎化粧品の油性成分として使用されます。

また、口紅やハンドクリーム、頭髪用トリートメントなどにも伸びや仕上がりのツヤを与えるために配合されます。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに表の中の製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

マカデミアナッツ油の配合製品数と配合量の調査(2010年)

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マカデミアナッツ油の安全性(刺激性・アレルギー)について

マカデミアナッツ油の現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性はデータ不足のため詳細不明ですが、重大なアレルギー(皮膚感作)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Plant-Derived Fatty Acid Oils as Used in Cosmetics」(文献1:2011)によると、

  • [ヒト試験] 214人の被検者に0.5%マカデミアナッツ油を含むクレンジングオイル0.2mLを半閉塞パッチ下で繰り返し適用(HRIPT)したところ、誘導期間において3人の被検者に疑いのある反応があり、また1人の被検者は誘導期間の7回目に明確な紅斑が観察された。他に観察された反応はなく、試験物質は皮膚感作剤ではなかった
  • [ヒト試験] 55人の被検者に30%マカデミアナッツ油を含むボディ&ハンド製品を半閉塞パッチ下で繰り返し適用(HRIPT)したところ、皮膚刺激および皮膚感作性はなかった

と記載されています。

試験データをみるかぎり、有意な皮膚刺激性はほとんどなく、皮膚感作もなしと結論付けられているため、皮膚刺激性や皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

ただし、金属アレルギーの方でとくにニッケルアレルギー(∗2)の方は、未精製および精製度合いが低いマカデミアナッツ油でアレルギーが起こる可能性があるので注意が必要です。

∗2 ニッケルというのは金属の種類で、金属アレルギーの多くはニッケル、クロム、コバルトのいずれか、または複数のアレルギーであることが多いです。

なぜかというと、以下の日本皮膚科学会接触皮膚炎診療ガイドライン(文献2:2009)をみてもらうとわかるように、

マカデミアナッツのニッケル含有量

Niと書いてあるのがニッケルで、ニッケルというのは金属の一種で画像をみるとニッケルが基準値の60を超えて110と表示されているのが確認できると思います。

精製されたマカデミアナッツ油の場合は、アレルギーが起こる可能性はほとんどないと思われますが、精製されたものか粗製なのか、または未精製なのか、つまりアレルギーが起こる可能性があるかどうかは、マカデミアナッツ油を配合している各メーカーに直接確認してください。

化粧品の説明にアレルギーテスト済みと書かれていても、これは健康な皮膚の方に対してアレルギー反応がでないかどうかを確認するテストなので、アレルギーの方は別途確認する必要があると考えられます。

眼刺激性について

眼刺激性に関しては試験結果や安全性データがみあたらないため、データ不足により詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
マカデミアナッツ油 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、マカデミアナッツ油は毒性なし(∗3)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗3 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

マカデミアナッツ油はベース成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2011)「Plant-Derived Fatty Acid Oils as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR577.pdf> 2017年11月19日アクセス.
  2. 日本皮膚科学会(2009)「接触皮膚炎診療ガイドライン」, <http://www.jsdacd.org/html/contact_dermatitis_guideline.pdf> 2017年11月19日アクセス.

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