ポリブテンとは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 分散剤 増粘剤
ポリブテン
[化粧品成分表示名称]
・ポリブテン

[医薬部外品表示名称]
・ポリブテン

イソブテンおよびn-ブテンの混合物の重合体で、非常に粘性の強い液体(炭化水素)です。

オイルベースの増粘効果や処理粉体の分散を安定させるために口紅などのメイクアップ製品に広く使用されています。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

ポリブテンの配合製品数と配合量の比較調査結果(1982-2001年)

ポリブテンの配合製品数と配合量の比較調査結果(1976-2015年)

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ポリブテンの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ポリブテンの現時点での安全性は、皮膚刺激性および光毒性はほとんどなく、軽度の眼刺激が起こる可能性があるものの、皮膚感作性(アレルギー性)および光感作性もほとんどないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Polybutene」(文献1:1982)によると、

  • [ヒト試験] 100人の女性の背中に20%ポリブテンを含む口紅製剤を塗布してパッチで覆い、48時間後にパッチを除去し直後,15分後および24および48時間後に反応を観察したところ、炎症反応は認められなかった
  • [ヒト試験] 195人の被検者に15%ポリブテンを含む口紅製剤をDraize法に従って評価したところ、事実上反応はなかった
  • [ヒト試験] 50人のボランティアに30%ポリブテンを含むリップローションを誘導期間において初回は72時間に一度、そのあとは24時間おきに8回適用し、1日の休息期間を空けて48時間チャレンジパッチを同じ部位に適用した。誘導期間においてはパッチ除去に観察し、チャレンジパッチは除去24時間後に観察したところ、有意な刺激および感作反応は示されなかった
  • [ヒト試験] 50人の被検者の背中に24%ポリブテンを含むリップローションを48時間適用し、そのあと24時間適用を10回繰り返した。観察は48時間おきに行った。13日の無処置期間を経て48時間チャレンジパッチを適用し、7日後に2回目のチャレンジパッチを適用し、試験部位は適用48および72時間後に採点したところ、刺激および感作は認められなかった
  • [ヒト試験] 104人の被検者3.1%ポリブテンを含むリップグロスを誘導期間において合計10回の48時間閉塞パッチを適用し、各パッチ除去15分後に試験部位を評価した。1日の休止期間のあと48時間チャレンジパッチを適用し、パッチ除去15分および24時間後に部位を評価したところ、104人のうち2人が不特定な陽性反応を示したものの、この製品は刺激およびアレルギー感作の兆候を示さないと考えられた

と記載されています。

試験結果は共通して皮膚刺激および皮膚感作を示さないと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Polybutene」(文献1:1982)によると、

  • [動物試験] 5匹のウサギの片眼の結膜嚢に75%ポリブテン0.1mLを点眼し、Draize法に従って点眼1,24,48,72および96時間後および7日後に刺激を観察したところ、最大スコア110のうち48時間までで平均スコア3.8が持続し、その後はすべての刺激が消失した
  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼に20%ポリブテンを含む口紅ペースト0.1gを滴下し1,2,3および7日後に観察を行い、また別の群れでは試験物質を注入4秒後に洗い流した。第1群で結膜への影響がみられたが7日以内にすべて消失した。24,48および72時間後の平均Draizeスコアは3.3,2.0,1.6であった。第2群のウサギにおいても結膜への影響がみられたが48時間後にはすべて消失した。平均Draizeスコアは3.3,0.0,0.0であった。この物質は洗い流すかどうかにかかわらず、軽度の一過性の刺激物であることが判明した
  • [動物試験] 9匹のウサギの片眼に24%ポリブテンをサンプル0.1mLを注入し、Draize法に従って24,48および72時間後および7日および14日後に観察したところ、目をすすがなかった6匹のウサギは最大刺激スコア110のうち0.222の平均スコアを示し、点眼直後に洗浄した3匹のウサギの平均刺激スコアは0.0であった。この結果からこの物質は無刺激剤であると結論付けられた
  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼に44%ポリブテンを含むリップ製品0.1mLを眼に注入し、洗浄することなく眼を観察したところ、刺激は生じなかった
  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼に30%ポリブテンを含むリップ製品0.1mLを眼に注入し、洗浄することなく眼を観察したところ、24時間ですべてのウサギにおいて軽度の結膜炎が観察されたが、72時間ですべての影響はなくなったため、この生成物は非刺激剤であると考えられた

と記載されています。

試験結果では非刺激~軽度の眼刺激性と報告されているため、軽度の眼刺激が起こる可能性があると考えられます。

光毒性および光感作性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Polybutene」(文献1:1982)によると、

  • [ヒト試験] 280,165および448人の被検者にそれぞれ18%,30%,44%濃度の3つのポリブテンを含むリップグロス製剤を150Wキセノンソーラーシミュレーター(290~400nm)を使用して光毒性および光アレルギーについて試験したところ、これら3つの濃度の製剤は反応を生じなかった
  • [ヒト試験] 27人の被検者に50%ポリブテンを含むリップコンディショナーの毒性および光アレルギーについて試験したところ、いあかなる反応も誘発しなかった

と記載されています。

試験結果では共通していかなる反応も誘発しなかったと報告されているため、光毒性および光感作性はないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ポリブテン

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ポリブテンは■(∗2)となっていますが、これは合成ポリマー共通の判定であり、安全性データをみる限りでは刺激性や感作性もなく、安全性に問題ないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ポリブテンはベース成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1982)「Final Report on the Safety Assessment of Polybutene」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.3109/10915818209021264> 2018年1月14日アクセス.

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