ホホバ種子油(ホホバオイル)とは…成分効果を解説

ベース成分 保湿成分 エモリエント成分
ホホバ種子油(ホホバオイル)
[化粧品成分表示名称]
・ホホバ種子油

[医薬部外品表示名称]
・ホホバ油

[慣用名]
・ホホバ油、ホホバオイル

シムモンドシア科植物ホホバの種子を圧搾・精製して得られる黄色の液体ロウです。

脂肪酸の高級アルコールエステルで構成されているため、本来は植物性の液体ロウ(ろうそくのロウです)に分類されますが、液体なのでオイルという言葉が使用されています。

アメリカ南部の砂漠に生育しており、根が地中深さ30mまで伸びるため、砂質土を固定し、微量な湿分を集水することで12ヶ月~18ヶ月続く干ばつに耐えることができます。

古くからホホバはインディアンなどの原住民により、乾燥した皮膚を和らげ、油分を補う一方で、余分な汚れを除いてフケやニキビ、切り傷を治すために用いたり、ろうそく作りや皮革物の艶出しなどで収入源にしたり、栄養摂取(炒ると珈琲に似た味の飲料が得られる)などの効用を生活の中で活用してきました。

また、ホホバ種子油がマッコウクジラの頭蓋の中にあるロウの代用品あるいはそれ以上のものであることが発見されて以来、機械製品の潤滑油や医薬品や化粧品など様々な分野で利用されるようになっています。

植物オイルハンドブックによると、ホホバ種子油の脂肪酸組成は、

  • ゴンド酸(不飽和脂肪酸類):71.3%
  • エルカ酸(不飽和脂肪酸類):13.6%
  • ネルボン酸(飽和脂肪酸類):1.3%
  • パルミチン酸(飽和脂肪酸類):1.2%
  • アスクレビン酸(不飽和脂肪酸類):1.1%
  • パルミトレイン酸(不飽和脂肪酸類):0.3%
  • ベヘン酸(飽和脂肪酸類):0.2%
  • リノール酸(不飽和脂肪酸類):0.1%
  • アラキジン酸(飽和脂肪酸類):0.1%
  • ステアリン酸(飽和脂肪酸類):0.1%

となっており、油脂化学便覧によるとヨウ素価は92となっています。

主成分がゴンド酸というのが特徴的で、ベタつきはなく、サラッとした感触で皮膚への浸透性が高く、植物オイルの中でもオリーブオイルなどと比べても酸化しにくく劣化しにくいのが特徴です。

角層内の水分の蒸発を防ぐ効果が強く、肌荒れから肌を保護したり、ニキビを改善する目的でクリームや乳液に配合されます。

油脂はニキビの原因となるアクネ菌のエサになりますが、ホホバ種子油は液体ロウなのでアクネ菌のエサにならないため、ホホバオイルは肌につけてもニキビになりにくいと言われており、ニキビで悩む方の乾燥予防や皮膚の保護オイルに向いているといえます。

また、オイル状の化粧品や口紅にも感触改良や肌なじみをよくするために使われています。

実際にどのような製品にどれくらい配合されているかというと、2007年の海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ほほば種子油の配合製品数と配合量の調査(2007年)

メイクアップ化粧品、ヘアケア製品、ネイル製品、保湿化粧品など様々な製品に様々な配合量で使用されているのがわかります。

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ホホバ種子油の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ホホバ種子油の現時点での安全性は、精製されたものにおいて、皮膚刺激性や毒性および眼刺激性はほとんどなく、重大なアレルギー(皮膚感作)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性およびアレルギー性(皮膚感作性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Simmondsia Chinensis (Jojoba) Seed Oil, Simmondsia Chinensis (Jojoba) Seed Wax,Hydrogenated Jojoba Oil, Hydrolyzed Jojoba Esters,Isomerized Jojoba Oil, Jojoba Esters, Simmondsia Chinensis (Jojoba) Butter, Jojoba Alcohol, and Synthetic Jojoba Oil」(文献1:2008)によると、

  • [ヒト試験] 湿疹や皮膚炎の26人の患者(18~59歳)を用いて精製されたホホバ種子油の皮膚刺激性を評価した。オリーブ油、白色ワセリンを対照とした。接着絆創膏を介して試験物質を患者の背部に48時間適用し、パッチ除去30分および24時間後に反応を評価したところ、1人の患者に軽度の湿疹が生じたが、この反応は24時間後には観察されなかった。また別の20人の湿疹または皮膚炎の患者(19~42歳)に同じ手順で試験物質を適用したところ、1人の患者はパッチ除去30分後にホホバ種子およびオリーブ油に対する陽性反応が観察され、別の1人の患者はホホバ種子油および白色ワセリンに対する陽性反応がパッチ除去30分および24時間後に観察された。両方の患者は本質的に高アレルギー性であると考えられた(Taguchi and Kunimoto,1977)
  • [ヒト試験] 接触皮膚炎の患者6人に(1)20%ホホバ種子油&80%オリーブ油、(2)20%ホホバ種子油&80%ワセリン、(3)ピュアオリーブ油、(4)ピュアミネラルオイルをそれぞれ適用したところ、5人の患者の前腕に両方ほホホバ種子油を含む混合物で陽性反応(紅斑または紅斑および小胞)が観察された。オリーブオイルおよびミネラルオイルに対する反応はなかった。ホホバ種子油の混合物に反応しなかった患者の中には100%ホホバ種子油を整髪料として使用したときに頭皮に接触性皮膚炎の症状が生じたが、100%ホホバ種子油でパッチ試験した28人の被検者では反応は観察されなかった。これらの患者は感作性を有していなかった(Scott and Scott,1982)
  • [ヒト試験] 200人の女性被検者の唇に20%ホホバ種子油を含むリップクリーム製品を4日間毎日適用し、2週間および4週間で主観的および客観的な刺激兆候について評価したところ、有害反応は認められなかった(CTFA,1985a)
  • [ヒト試験] 208人の成人女性被検者の背中に誘導期間として20%ホホバ種子油を含むリップクリーム0.2gを24時間週に3回3週間にわたって閉塞パッチ適用し、毎回パッチ除去後に刺激スコアを採点しました。10~19日の無書痴期間を経て48時間チャレンジパッチを未処置部位に適用し、48および72時間で反応を採点したところ、1人の患者において本質的に非特異的な軽度の一過性の刺激が観察されたが、試験物質は無刺激剤および被感作剤として分類された(CTFA,1985b)
  • [ヒト試験] 152人の被検者(男性38人、女性114人、18~65歳)の背部に0.5%ホホバ種子油を含むオイル製品を24時間週3回3週間にわたってDraize法に基づいた反復試験パッチ適用した。2週間の無処置期間を経て、未処置部位に2つのチャレンジパッチを48時間適用し、48時間および96時間後に採点したところ、いずれの被検者もアレルギー反応を示さなかったため、この製品は刺激剤でも増感剤でもなかった(CTFA,1988)
  • [ヒト試験] 100人の被検者に2種類(黄色のオイルおよび透明のオイル)の100%ホホバ種子油を3週間適用し、2週間の休止の後未処置部位に再適用し48および96時間で評価したところ、1人の被検者は48時間の観察時に両方のオイルでグレード1の反応を示したが、96時間で落ち着いた。もう一人も同じ反応を示したが96時間で落ち着いた。この結果からホホバ種子油は接触性皮膚感作の兆候は認められないと結論づけられた(Hill Top Research, Inc.,1998)
  • [ヒト試験] 102人のボランティアの背部に100%ほほば種子油0.2mLを24時間週3回3週間にわたって半閉塞パッチ適用し、2週間の休息を経て隣接する未処置部位にチャレンジパッチを適用した。パッチは24時間後に除去され、適用の24および72時間後に採点したところ、すべての被検者において陰性だったため、ホホバ種子油は皮膚刺激および皮膚感作の可能性がないと結論付けられた(Consumer Product Testing Company,2003)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、結論としては皮膚刺激も皮膚感作性もないため、皮膚刺激性や皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Simmondsia Chinensis (Jojoba) Seed Oil, Simmondsia Chinensis (Jojoba) Seed Wax,Hydrogenated Jojoba Oil, Hydrolyzed Jojoba Esters,Isomerized Jojoba Oil, Jojoba Esters, Simmondsia Chinensis (Jojoba) Butter, Jojoba Alcohol, and Synthetic Jojoba Oil」(文献1:2008)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギの右眼の結膜嚢に精製ホホバ種子油0.1mLを点眼したところ、直後にわずかな下眼瞼芽腫が観察され、滴下1時間後に軽度の結膜充血が観察された。眼刺激がひどくなることはなく、注入後24時間までにすべての反応が消失した(Taguchi and Kunimoto,1977)
  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼の結膜嚢に20%ホホバ種子油を含むリップクリーム0.1mLを点眼しDraize法に基づいて注入24,48および72時間後で反応を採点したところ、点眼24時間後の平均眼刺激スコアは0.3±0.8であった。48および72時間で反応は観察されなかった。ホホバ種子油は無刺激剤として分類された(CTFA,1985)

と記載されています。

試験結果によると、一過性の結膜充血やわずかな眼刺激が起こる例もみられますが、眼刺激性なしと結論付けられているため、一過性のわずかな刺激が起こる可能性がありますが、総合的に眼刺激性はほとんどないと考えられます。

光毒性および光感作性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Simmondsia Chinensis (Jojoba) Seed Oil, Simmondsia Chinensis (Jojoba) Seed Wax,Hydrogenated Jojoba Oil, Hydrolyzed Jojoba Esters,Isomerized Jojoba Oil, Jojoba Esters, Simmondsia Chinensis (Jojoba) Butter, Jojoba Alcohol, and Synthetic Jojoba Oil」(文献1:2008)によると、

  • [ヒト試験] 10名の被検者を用いて20%ホホバ種子油を含むリップクリームの光毒性を評価した。被検者の半数において試験物質0.2gを右前腕の内側に24時間適用し、残りの半分においては左前腕の内側に適用した。次いで試験部位に約10cmの距離でUVAライト(線量=4,400μW/c㎡)を約15分間照射し、照射されていない対象部位は試験部位の照射中にアルミホイルで遮蔽された。照射終了24および48時間後に反応を評価したところ、いずれの被検者も反応を示さず、ホホバ種子油は非光毒性として分類された(CTFA,1985a)
  • [ヒト試験] 102人の女性被検者(18~49歳)に0.5%ほほば種子油を含む日焼け止めオイルを2日間連続で2時間使用し、使用24および48時間後に評価したところ、3人の被検者は臨床的に重要ではないわずかな一過性の不快感を経験したが、光感作性は認められなかった(CTFA,1985b)

と記載されています。

試験結果は少ないですが、光毒性および光感作性は示されず、国内でも重大な光毒性および光感作性の報告はないため、光毒性および光感作性はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ホホバ種子油 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ホホバ種子油は毒性なし(∗2)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ホホバ種子油はベース成分、保湿成分、エモリエント成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 保湿成分 エモリエント成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2008)「Safety Assessment of Simmondsia Chinensis (Jojoba) Seed Oil, Simmondsia Chinensis (Jojoba) Seed Wax,Hydrogenated Jojoba Oil, Hydrolyzed Jojoba Esters,Isomerized Jojoba Oil, Jojoba Esters, Simmondsia Chinensis (Jojoba) Butter, Jojoba Alcohol, and Synthetic Jojoba Oil」, <http://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR525.pdf> 2017年10月27日アクセス.

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