プロパンジオール(1,3-プロパンジオール)とは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 保湿成分
プロパンジオール(1,3-プロパンジオール)
[化粧品成分表示名称]
・プロパンジオール

[慣用名]
・1,3-プロパンジオール、トリメチレングリコール

植物デンプンを発酵させて得られる100%植物由来のグリコール(∗1)です。

∗1 グリコールとは2価アルコールの総称で、一般的に甘みがあり、粘度が高く、水に溶けます。
注)二価アルコールはいわゆるアルコールではないのでアルコールアレルギーの方でも使用できます。

保湿性に優れていますが、グリセリンと併用すると相乗効果で保湿効果が高まります。

また、保湿効果だけでなく抗菌性もあります。

化粧品に配合した場合、保湿剤・エモリエント剤をはじめ、使用感の感触を改良する役割や他の成分を溶かす溶剤としての効果もあります。

同じ2価アルコールで有名なものにPG(プロピレングリコール)やBG(ブチレングリコール)がありますが、プロパンジオールはPGやBGよりも保湿力が高く、100%植物由来で安全性が高いイメージがあり、抗菌力があるので防腐剤の配合を最小限に抑えられることから、最近はBGの代わりにプロパンジオールを使用する化粧品が増えてきています。

保湿力に関しては化粧品原料会社の岩瀬コスファでプロパンジオール・グリセリン・BG・PGの角質水分量比較試験のデータが公開されていたので、そのグラフを引用掲載します。

プロパンジオールの角質水分量比較試験のデータ

このグラフをみても、グリセリンと相性が良いのは一目瞭然で、プロパンジオール単体でもPGやBGより水分量が多いことがわかります。

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プロパンジオールの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

プロパンジオールの現時点での安全性は、化粧品に配合される適用量において、皮膚刺激性や毒性はなく、眼刺激性に関してはデータ不足で詳細が不明なものの、アレルギー(皮膚感作性)の試験も陰性で重大なアレルギー報告もないため、総合的に安全性の高い成分だと考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

複数の安全性データシート(∗1)を参照したところ、皮膚刺激性に関しては、

  • “Treat Treat”によると、75%濃度で皮膚刺激なし、50%濃度で皮膚刺激なし、25%濃度で皮膚刺激なしと記載されています(文献1:2014)
  • Chemical Bookによると、100%溶液で皮膚刺激を起こす可能性があると記載されています(文献2:2016)
  • Science Labによると、100%溶液で皮膚刺激ありと記載されています(文献3:2013)

∗1 安全性データシートは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている資料ですが、安全性を考えるデータとして一部引用させていただいています。また、日本が最も安全性に厳しいことから国内の安全性データシートの信頼性を優先させています。

安全性データシートでは、100%濃度で皮膚刺激の可能性があり、75%以下の濃度で皮膚刺激なしと記載されていますが、プロパンジオールはBGと比べても皮膚刺激性や安全性が遜色なく、一般的な化粧品において25%も配合することはないこともあり、化粧品に配合される適用量において膚刺激性や毒性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性に関しては、

  • Chemical Bookによると、100%溶液で眼刺激を起こす可能性があると記載されています(文献1:2016)

データが少なく100%濃度のものしかないので、現時点では化粧品適用量での眼刺激性の詳細は不明です。

アレルギー(皮膚感作性)に関しては、

  • “Treat Treat”によると、日本人によるパッチテストの結果、陰性だったと記載されています(文献1:2014)
  • MERCKの安全性データシートによると、モルモットを用いた試験では皮膚感作性の影響は認められなかったと示されています(文献4:2012)

母数が不明ですが日本人のパッチテストで陰性だった結果もあり、国内のアレルギーの報告もないので、現時点ではアレルギーが起こる可能性は低いと考えられます。

参考までに化粧品毒性判定事典によると、プロパンジオールは毒性なし(∗2)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗2  毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

PG(プロピレングリコール)は安全性の懸念から現在は化粧品に配合されなくなってきていますが、PG(プロピレングリコール)とプロパンジオールは名前や使用方法が似ていてややこしく、同じ成分だと思いこんでプロパンジオールに皮膚刺激性や毒性があると思っている方も少なくないようですが、PGは石油由来成分でプロパンジオールは植物由来成分で、成分特徴も違うので注意してください。

参考:PG(プロピレングリコール)の成分効果と毒性を解説

プロパンジオールとセットで使用される成分と効果

・1日にmax.5.5%成長できる食用の褐藻アラリアエスクレンタから抽出した細胞抽出液として、以下の成分表示順で使用されます。ケラチノサイトの増殖を促し、ヒアルロン酸の生成促進に加え、線維芽細胞を活性化し、コラーゲン線維も生成促進する。同時に細胞内外に対して、UV-Bや酸化ストレスによるダメージから保護する。
アラリアエスクレンタエキス、プロパンジオール
・抗炎症剤・抗菌剤・皮膚再生剤のシナジーコンプレックスとして、以下の成分表示順で使用されます。抗アクネ、皮脂抑制、アクネ改善、皮脂分泌調整作用。
イリス根エキス、硫酸亜鉛、パルミチン酸レチノール、エタノール、プロパンジオール、水
・純粋アミノ酸として、以下の成分表示順で使用されます。毛胞(毛穴)刺激、抜け毛予防、育毛作用。
カルボキシエチルアミノ酪酸、プロパンジオール、水
・キゲリアアフリカーナの果実とキラヤの樹皮の混合エキスとして、以下の成分表示順で使用されます。即時引き締め作用、保湿作用。
キゲリアアフリカーナ果実エキス、キラヤ樹皮エキス、プロパンジオール、水
・オリゴメリックプロアントシアニジンを高含有したポリフェノールの一種として、以下の成分表示順で使用されます。
オオムギ種子エキス、プロパンジオール、水
・プロパンジオール抽出したイチゴ果実蒸留水のオイルエキスとして、以下の成分表示順で使用されます。
エゾヘビイチゴ果実水、プロパンジオール
・プロパンジオール抽出したバニラ果実蒸留水のオイルエキスとして、以下の成分表示順で使用されます。
バニラ果実水、プロパンジオール
・防腐剤フリーでありながら、真菌(カビ/酵母)を強力に抑えるカプリルヒドロキサム酸(天然素材由来)を配合した原料として、以下の成分表示順で使用されます。推奨配合量1.5~2%。
カプリルヒドロキサム酸、カプリリルグリコール、プロパンジオール
・防腐剤フリーでありながら、真菌(カビ/酵母)を強力に抑えるカプリルヒドロキサム酸(天然素材由来)を配合した原料として、以下の成分表示順で使用されます。推奨配合量1.5~2%。
カプリルヒドロキサム酸、カプリリルグリコール、エチルヘキシルグリセリン、プロパンジオール
・防腐剤フリーでありながら、真菌(カビ/酵母)を強力に抑えるカプリルヒドロキサム酸(天然素材由来)を配合した原料として、以下の成分表示順で使用されます。低刺激で水に透明溶解できるタイプ。推奨配合量1~3%。
カプリルヒドロキサム酸、1,2-ヘキサンジオール、プロパンジオール
・防腐剤フリーでありながら、真菌(カビ/酵母)を強力に抑えるカプリルヒドロキサム酸(天然素材由来)を配合した原料として、以下の成分表示順で使用されます。低刺激で水に透明溶解できるタイプ。推奨配合量1~3%。
カプリルヒドロキサム酸、BG、プロパンジオール
・防腐剤フリーでありながら、真菌(カビ/酵母)を強力に抑えるカプリルヒドロキサム酸(天然素材由来)とプロパンジオール(天然素材由来)を混合した原料として、以下の成分表示順で使用されます。グリコールと混合することで一層広範囲な抗菌スペクトルを持ちます。大変低刺激で水に透明溶解が容易にできます。推奨配合量2~2.5%。
カプリルヒドロキサム酸、プロパンジオール
・抗菌目的のプレミックスとして、以下の成分表示順で使用されます。皮膚の常在菌は保護しながら、体臭の原因として知られているグラム陽性菌には高い抗菌効果を示します。
ウスニアバルバタエキス、プロパンジオール、トロメタミン、グルタミン酸ジ酢酸4Na、水酸化Na、水
・スエヒロタケ菌糸体培養から得られるβ-グルカンとして、以下の成分表示順で使用されます。創傷治癒・免疫機能調整 。
水、グリセリン、プロパンジオール、フェノキシエタノール、β-グルカン、エチルヘキシルグリセリン
・ホホバとシアのバターとして、以下の成分表示順で使用されます。
シア脂、ホホバアルコール、ホホバ油脂肪酸K、ホホバ脂、プロパンジオール
・肌を環境汚染(PM2.5)から保護、皮膚の浄化、アンチエイジング効果を持つ持続可能なペルー産天然コショウボクエキスとして、以下の成分表示順で使用されます。抗酸化作用、抗菌作用、若返りの作用で知られるポリフェノールのクエルシトリンとmiquelianinを豊富に含む独自の抽出物。推奨量1~1.5%。
ビオフラボノイド、水、プロパンジオール
・クオタニウム-95とプロパンジオール混合溶液として、以下の成分表示順で使用されます。広域なUVスペクトルから毛髪を保護、UV-Aが引き起こすダメージからヘアカラーを保護、UV-Bが引き起こす毛髪繊維へのダメージから毛髪を保護、毛髪への高い吸着性。
クオタニウム-95、プロパンジオール
・アブラナ種子油アミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェートをはじめとした混合溶液として、以下の成分表示順で使用されます。より鮮やかなカラーリングを実現、髪のやわらかさを増強、カラーの褪色防止。
アブラナ種子油アミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、クオタニウム-96、DPG、プロパンジオール
・オシロイバナエキスとして、以下の成分表示順で使用されます。敏感肌反応肌対策、肌の強化、保湿。
BG、プロパンジオール、オシロイバナエキス
・皮脂や細胞間脂質類似物質から構成される水性ジェル状素材として、以下の成分表示順で使用されます。活性剤フリーにも関わらず、水性成分中で微細なエマルションになり、肌にやさしい成分が肌と馴染み易く、活き活きと健やかな肌に整えるサポートをします。
マカデミア種子油、オレイン酸フィトステリル、フィトステロールズ、グリセリン、グリチルリチン酸2K、スクワラン、スフィンゴモナスエキス、トコフェロール、プロパンジオール、ペンチレングリコール、水

基本的な配合量の多い成分表示順は上記の通りですが、1%以下の成分は順不同に表示されるので、製品によっては表示順が異なっている場合があります。

∗∗∗

プロパンジオールはベース成分と保湿成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 保湿成分

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文献一覧:

  1. “Treat Treat”(2014)「プロパンジオール」, <https://ameblo.jp/treattreat/entry-11875190480.html> 2017年9月2日アクセス.
  2. Chemical Book(2016)「1,3-Propanediol」, <http://www.chemicalbook.com/ProductMSDSDetailCB5853689_EN.htm> 2017年9月2日アクセス.
  3. Science Lab(2005年作成/2013年改訂)「Material Safety Data Sheet」, <https://www.sciencelab.com/msds.php?msdsId=9924723> 2017年9月2日アクセス.
  4. MERCK(2006年作成/2012年改訂)「SAFETY DATA SHEET」, <http://www.merckmillipore.com/JP/ja/product/1%2C3-Propanediol,MDA_CHEM-807481> 2017年9月2日アクセス.

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