ブドウ種子油とは…成分効果と毒性を解説

エモリエント成分 ベース成分
ブドウ種子油
[化粧品成分表示名称]
・ブドウ種子油

[医薬部外品表示名称]
・ブドウ種子油

[慣用名]
・グレープシードオイル

ブドウ科植物ブドウ(学名:Vitis vinifera 英名:Grape)の種子から得られる植物油(植物オイル)です。

ブドウ種子油は、ヨーロッパでは古くから食用として利用されていますが、日本での利用は最近であり、あっさりとした味とほのかに香るぶどうの風味が特徴で、主にワインの産地で栽培されています(文献6:2017)

ブドウ種子油の脂肪酸組成は、抽出方法や天然成分のため国や地域および時期によって変化がありますが、主に、

脂肪酸名 脂肪酸の種類 炭素数:二重結合数 比率(%)
パルミトレイン酸 不飽和脂肪酸 C16:1 1.3
オレイン酸 不飽和脂肪酸 C18:1 21.2
リノール酸 不飽和脂肪酸 C18:2 61.4
リノレン酸 不飽和脂肪酸 C18:3 0.7
ミリスチン酸 飽和脂肪酸 C14:0 0.2
パルミチン酸 飽和脂肪酸 C16:0 11.1
ステアリン酸 飽和脂肪酸 C18:0 3.9

このような種類と比率で構成されています(文献2:1990)

リノール酸が約60%、オレイン酸が約20%を占めており、リノール酸は二重結合を2つもっている酸化安定性の低い(自動酸化速度はオレイン酸の約10倍速い)不飽和脂肪酸であるため、酸化安定性は低いと考えられますが、トコフェロール(29-75mg/100g)およびフィトステロール(290-580mg/100g)の含有量が植物油の中では比較的多いのが特徴で、そのため安定性も比較的優れています(文献5:1990)

またヨウ素価は、

ヨウ素価 ヨウ素価による分類
107-143 乾性油

一例としてこのように記載されており(文献3:1990)、130以上の乾性油のため、乾燥性が高いと考えられます。

乾油性とは、皮膜状に空気中に放置すると、固化して弾性のある乾燥皮膜を生じるオイルのことで、たとえば油性塗料に用いることで塗料の乾きが早くなります。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品、洗浄製品、ヘアケア製品、洗顔料&洗顔石鹸、リップ製品などの製品に使用されます(文献4:2016)

エモリエント作用

エモリエント作用に関しては、1983年にコーセーによって報告された油脂の抱水力比較によると、

抱水力をもたないスクワランを比較対照として、アボカド油オリーブ果実油、ブドウ種子油、サフラワー油コムギ胚芽油モモ核油ホホバ種子油の抱水力を比較検討したところ、以下の表のように、

油性成分 抱水力(%)
アボカド油 5
オリーブ果実油 8
ブドウ種子油 14
サフラワー油 3
コムギ胚芽油 40
モモ核油 10
ホホバ種子油 5
スクワラン 0

ブドウ種子油は、いくらかの抱水力をもっており、湿潤性を有していることが示された。

このような検証結果が明らかにされており(文献7:1983)、ブドウ種子油に皮膚柔軟によるエモリエント作用が認められています。

またブドウ種子油は、α-palmito-βおよびγ-dilinoleo triglycerideの混酸基構造を有しており、ほかのリノール酸を主成分とする油と比較して使用感がソフトで油っぽい感触を与えないといわれており(文献8:1976)、このような性質はエモリエントオイルの基剤またはクリームや乳液のエモリエント剤としても適しているため、広く用いられています。

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2010年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

ブドウ種子油の配合製品数と配合量の調査(2010年)

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ブドウ種子油の安全性(刺激性・アレルギー)について

ブドウ種子油の現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし

これらの結果から、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2017)によると、

  • [ヒト試験] 105人の被検者に39%ブドウ種子油を含むシェービングローション0.2mLを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を閉塞パッチ下で実施したところ、皮膚刺激剤または皮膚感作剤ではなかった(TKL Research,2010)
  • [ヒト試験] 105人の被検者に90%ブドウ種子油を含むフレグランスオイルを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を半閉塞パッチ下で実施したところ、皮膚刺激剤および皮膚感作剤ではなかった(Clinical Research Laboratories,2010)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して皮膚刺激性および皮膚感作性なしと報告されているため、一般的に皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

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ブドウ種子油はエモリエント成分、ベース成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:エモリエント成分 ベース成分

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文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2017)「Safety Assessment of Plant-Derived Fatty Acid Oils」International Journal of Toxicology(36)(3),51S-129S.
  2. 日本油化学協会(1990)「植物油脂の脂肪酸組成」油脂化学便覧 改訂3版,104-110.
  3. 日本油化学協会(1990)「植物油脂の性状」油脂化学便覧 改訂3版,99-101.
  4. 日光ケミカルズ(2016)「油脂」パーソナルケアハンドブック,6.
  5. 田村 健夫, 他(1990)「ブドウ種子油」香粧品科学 理論と実際 第4版,97.
  6. 杉田 浩一, 他(2017)「グレープシードオイル」新版 日本食品大事典,247-248.
  7. 足立 佳津良(1983)「エモリエント剤―最近10年の進歩と発展」Fragrance Journal(62)(5),46-49.
  8. J.E.Kinsella(1976)「Properties of oil of grapeseed and other seeds in cosmetics.」Cosmetics and Toiletries(91)(2),19-24.

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