フェニルトリメチコンとは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 分散剤 エモリエント成分
フェニルトリメチコン
[化粧品成分表示名称]
・フェニルトリメチコン

[医薬部外品表示名称]
・メチルフェニルポリシロキサン

シリコーン油の一種で、アルコールに溶ける性質をもつ透明な液状オイルです。

様々なオイルを溶解させたり、表面処理粉体を分散させる効果があるので、日焼け止め製品、ファンデーションなどのメイクアップ製品に配合されています。

シリコーン特有の撥水性、潤滑性、エモリエント効果に加えて、ツヤのある保護皮膜を形成するため、スキンケア製品やヘア製品にも配合されています。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

フェニルトリメチコンの配合製品数と配合量の比較調査結果

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フェニルトリメチコンの安全性(刺激性・アレルギー)について

フェニルトリメチコンの現時点での安全性は、皮膚刺激性および眼刺激性はほとんどなく、皮膚感作性(アレルギー性)もほとんどないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Phenyl Trimethicone」(文献1:1986)によると、

  • [ヒト試験] 50人の被検者に誘導期間としてフェニルトリメチコンでコーティングされた閉塞パッチを1日おきに24時間合計9回適用し、最後の誘導パッチの2週間後未処置部位にチャレンジパッチを適用した。試験部位は誘導期間およびチャレンジ期間の両方でパッチ除去後にスコアリングしたところ、皮膚の紅斑または浮腫の兆候は認められず、すべてのスコアは0であった。フェニルトリメチコンは刺激性、疲労性、または感作性ではないと結論付けられた
  • [ヒト試験] 8人の被検者に10%フェニルトリメチコンを含む製品を4日間連続で夜間パッチ適用し、パッチ除去後にスコアリングしたところ、最大刺激スコア256のうち最も高いスコアは8であったため、この製品は最小限の刺激性だと考えられた
  • [ヒト試験] 189人および239人の被検者に5%および2.5%フェニルトリメチコンを含む保湿剤を誘導期間として23日間にわたって合計10回24時間パッチ適用し、2週間の無処置期間の後に未処置部位に48時間チャレンジパッチを適用したところ、いずれの被検者においても刺激または感作は観察されなかった
  • [ヒト試験] 9人の被検者の背中に2.5%フェニルトリメチコンを含む保湿剤0.3mLを21日間連続で閉塞パッチ適用したところ、累積刺激スコアは最大630のうち13であり、本質的に刺激なしと結論付けられた

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Phenyl Trimethicone」(文献1:1986)の中で個別事例として、

  • 64歳の女性は日焼け止め剤を定期的に使用し始めてから4週間後に接触性皮膚炎を発症した。日焼け止め剤の個々の活性成分をパッチ試験したところ、72時間でワセリン中の2%フェニルトリメチコンと反応した。この混合物で試験した5人の対照被検者は反応を示さなかった

と記載されています。

個別事例として1例接触皮膚炎の発症報告がありますが、試験結果では共通して皮膚刺激性および皮膚感作性なしと結論づけられているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Phenyl Trimethicone」(文献1:1986)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼に未希釈のフェニルトリメチコン0.1mLを注入し、Draize法に従って24,48および72時間で反応をスコアリングしたところ、総スコアは最大110のうち24時間で21でそれ以降は0であった。フェニルトリメチコンは眼刺激剤とはみなされなかった
  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼に10%フェニルトリメチコンを含む化粧品0.1mLを注入し、Draize法に従って分類したところ、陽性反応はなく、製品は眼刺激性とはみなされなかった
  • [動物試験] 6匹のウサギに5%フェニルトリメチコンを含むファンデーションクリーム0.1mLを点滴したところ、軽度の結膜炎が生じたが、角膜の鈍さや虹彩の兆候はなかった

と記載されています。

試験結果では共通して眼刺激性とはみなされなかったと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
フェニルトリメチコン

参考までに化粧品毒性判定事典によると、フェニルトリメチコンは■(∗2)となっていますが、これは合成ポリマー共通の判定であり、安全性データをみる限りでは刺激性や感作性もなく、安全性に問題ないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

フェニルトリメチコンはベース成分、エモリエント成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 エモリエント成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1986)「Final Report on the Safety Assessment of Phenyl Trimethicone」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.3109/10915818609141916> 2018年1月13日アクセス.

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