ハチミツとは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 保湿 泡立ち改良
ハチミツ
[化粧品成分表示名称]
・ハチミツ

[医薬部外品表示名称]
・ハチミツ

ミツバチ科昆虫セイヨウミツバチ(学名:Apis mellifera 英名:honey)が巣に集めた花の蜜を採取し不純物を除去して精製した蜜糖です。

ハチミツの成分組成は、天然成分のため国や地域および時期によって変化がありますが、主に、

  • 糖類:フラクトース、グルコース、マルトース、スクロース、オリゴ糖
  • 水分
  • 微量成分:色素、香気物質、灰分、糖アルコール、ビタミン、アミノ酸、グルコン酸、窒素化合物、ミネラル

などで構成されています(文献2:1975)

ハチミツは、ミツバチが花の蜜腺から分泌される花蜜を吸い、一旦、蜜胃に溜めて、巣に戻ってこれを吐き出すため、唾液中の酵素によって花蜜中のショ糖が加水分解され、大部分が果糖およびブドウ糖の転化糖となることでつくられます(文献1:2011)

化粧品には、食品用とは異なり、不純物などを精製したハチミツが用いられます。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、ハチミツをコンセプトにした製品、スキンケア化粧品、リップ製品、ハンド&ボディケア製品、メイクアップ化粧品、洗顔料&洗顔石鹸、洗浄製品、ヘアケア製品、シート&マスク製品など様々な製品に使用されています(文献3:2002)

皮表柔軟化による保湿作用

皮表柔軟化による保湿作用に関しては、古代エジプト・ギリシャ時代にはクレオパトラ7世はハチミツを用いたスキンクリームを使用し(文献4:2003)、古代ローマの皇帝ネロの妻はハチミツとロバの乳を混ぜたローションを使っていたと伝えられていることから(文献5:1988)、現代においてもスキンケア化粧品、リップ製品、パック製品などをはじめとして多くの化粧品に保湿剤の一種として使用されています。

2012年に日本医科大学多摩永山病院によって報告されたハチミツの保湿持続効果検証によると、

ハチミツを使用し、清拭を継続することで保湿持続効果がみられるかを検討した。

10人の入院患者を対象に、ハチミツを使った清拭群8人と温タオル清拭のみ群2人に分け、ハチミツを使用した清拭群は清拭前および清拭直後1,2,6および12時間後の皮膚水分値と油分値を測定し、群間比較は皮膚の肉眼的変化を観察した。

その結果、ハチミツを使用した群の水分値と油分値に有意な変化は認められなかった。

肉眼亭変化については、温タオル清拭のみ群で皮膚乾燥の悪化がみられたが、ハチミツを使用した群では乾燥の改善が認められた。

このような検証結果が明らかにされており(文献6:2012)、ハチミツに皮表柔軟化による保湿作用が認められています。

泡立ち改良

泡立ち改良に関しては、固形石鹸に15%-20%配合することで起泡性に優れ、クリーミーできめ細かな泡が立ちやすく、泡持ちがよくなることが報告されています(文献7:2011)

そのため、洗顔石鹸において化粧品成分表示のはじめの方にハチミツが記載されている場合は、保湿効果に加え、泡立ち改良目的であると考えられます。

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ハチミツの安全性(刺激性・アレルギー)について

ハチミツの現時点での安全性は、

  • 医療上汎用性があり有効性および安全性の基準を満たした成分が収載される日本薬局方に収載
  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

山田養蜂場の報告(文献3:2002)によると、

  • ハチミツは皮膚に対して非アレルギー性であり、とくに過敏性皮膚や乾燥皮膚向けに使用されている

と記載されています。

報告をみるかぎり、皮膚刺激および皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

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ハチミツはベース成分、保湿成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 保湿成分

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文献一覧:

  1. 鈴木 洋(2011)「ハチミツ」カラー版健康食品・サプリメントの事典,142.
  2. 越後 多嘉志(1975)「ハチミツの化学」化学と生物(13)(3),192-198.
  3. 杉井 伸二(2002)「ハチミツの有用性と応用の実際」Fragrance Journal(30)(3),11-16.
  4. 渡辺 孝(2003)「お化粧にハチミツ」ハチミツの百科,134-135.
  5. 原 淳(1988)「ハチミツ美顔術」ハチミツの話,169-171.
  6. 柴田 直秀, 他(2012)「高齢者の皮膚乾燥に対する蜂蜜を使った清潔ケアの検証」日本看護学会論文集. 老年看護(42),87-90.
  7. 高橋 由成, 他(2011)「枠練り透明固形石鹸 」特開2011-057765.

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