ハイブリッドヒマワリ油とは…成分効果と毒性を解説

エモリエント成分 ベース成分 感触改良
ハイブリッドヒマワリ油
[化粧品成分表示名称]
・ハイブリッドヒマワリ油、ヒマワリ種子油

[医薬部外品表示名称]
・ヒマワリ油(2)

[慣用名]
・ハイオレイックヒマワリ油

キク科植物ヒマワリ(学名:Helianthus annuus 英名:Sunflower)の交雑種の種子から得られる植物油(植物オイル)です。

一般的なヒマワリ種子油は脂肪酸の含有量として、以下のように、

脂肪酸名 脂肪酸の種類 炭素数:二重結合数 比率(%)
オレイン酸 不飽和脂肪酸 C18:1 17.9
リノール酸 不飽和脂肪酸 C18:2 69.8
リノレン酸 不飽和脂肪酸 C18:3 0.9
パルミチン酸 飽和脂肪酸 C16:0 6.7
ステアリン酸 飽和脂肪酸 C18:0 4.0

二重結合が2つの不飽和脂肪酸であるリノール酸の含有量がかなり多く(文献1:1990)、酸化安定性がかなり低い(酸化しやすい)と考えられます。

一方で、ハイブリッドヒマワリ油の脂肪酸組成は、以下のように、

脂肪酸名 脂肪酸の種類 炭素数:二重結合数 比率(%)
オレイン酸 不飽和脂肪酸 C18:1 80.0
リノール酸 不飽和脂肪酸 C18:2 10.0
パルミチン酸 飽和脂肪酸 C16:0 4.0
ステアリン酸 飽和脂肪酸 C18:0 4.0

リノール酸による酸化安定性の低さを解決するために、ヒマワリの品種改良を通じてリノール酸の含有量を下げ、代わりに二重結合が1つの不飽和脂肪酸であるオレイン酸の含有量を80%以上に増やすことで酸化安定性を高めています(文献4:1989)

またヒマワリ種子油のヨウ素価は、以下のように、

ヨウ素価 ヨウ素価による分類
113-146 乾性油

130以上の乾性油のため(文献2:1990)、乾燥性の高い植物油ですが、一方でハイブリッドヒマワリ油のヨウ素価は、以下のように、

ヨウ素価 ヨウ素価による分類
85 不乾性油

100以下の不乾性油のため(文献4:1989)、乾燥性はほとんどありません。

さらにAOM(Active Oxygen Method)試験(∗1)では、ヒマワリ種子油は定められた劣化度にかかる時間が11時間(AOM値:11)ですが、ハイブリッドヒマワリ油は44時間(AOM値:44)で、ヒマワリ種子油の4倍の酸化安定性が明らかになっています(文献6:1989)

∗1 AOM試験とは、油脂の安定性を評価する試験であり、97.8℃に加熱した油へ空気を通し、強制的に油を劣化させ、定められた劣化度になるまでの時間で表し、AOM値が高いほど保存安定性に優れています。

注意すべき点として、ハイブリッドヒマワリ油であってもまれに化粧品成分表示名称が「ヒマワリ種子油」となっているものが混在しており、「ヒマワリ種子油」と表示されている場合は、一般的にはヒマワリ種子油であると考えられますが、厳密にはどちらのタイプかわからないということです。

一方で医薬部外品では、ヒマワリ種子油の場合は「ヒマワリ油(1)」と記載され、ハイブリッドヒマワリ油の場合は「ヒマワリ油(2)」と記載され、明確に区別されています。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品、リップ製品、ヘアケア製品、洗浄製品などに幅広く使用されます(文献3:2016)

エモリエント作用

エモリエント作用に関しては、オレイン酸が80%以上、リノール酸約10%を含有し、ツバキ種子油に類似した脂肪酸組成となっており、スキンケア化粧品、頭髪用オイル、シャンプーおよびボディソープなどに使用されています(文献4:1989)

感触改良

感触改良に関しては、展延性(∗2)が高いため、メイクアップ化粧品に感触改良目的で配合されます(文献3:2016)

∗2 展延性とは、柔軟に広がり、均等に伸びる性質のことで、薄く広がり伸びが良いことを指します。

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ハイブリッドヒマワリ油の安全性(刺激性・アレルギー)について

ハイブリッドヒマワリ油の現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

これらの結果から、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

試験データはみあたりませんが、ヒマワリ種子油は皮膚刺激性および皮膚感作性なしと報告されており、ハイブリッドヒマワリ油はヒマワリ種子油よりも酸化安定性が高く、皮膚刺激性が低いため、一般的に皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

∗∗∗

ハイブリッドヒマワリ油はエモリエント成分、ベース成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:エモリエント成分 ベース成分

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文献一覧:

  1. 日本油化学協会(1990)「植物油脂の脂肪酸組成」油化学便覧 改訂3版,104-110.
  2. 日本油化学協会(1990)「植物油脂の性状」油化学便覧 改訂3版,99-101.
  3. 日光ケミカルズ(2016)「油脂」パーソナルケアハンドブック,15.
  4. 長谷川 治(1989)「ハイオレイックヒマワリ油の特性と応用」Fragrance Journal(17)(12),33-35.

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