ナイロン-6とは…成分効果と毒性を解説

ベース 感触改良 ロングラッシュ
ナイロン-6
[化粧品成分表示名称]
・ナイロン-6

化学構造的にラクタムの一種である炭素数6のカプロラクタム(∗1)を開環重合(∗2)して得られるポリアミド(∗3)であり、球状から繊維状まで様々な形状で用いられるポリアミド系合成繊維です。

∗1 ラクタム(lactam)は、カルボキシル基とアミノ基が脱水縮合した形をもって環を成している化合物の総称であり、カプロラクタムはナイロン-6の原料として重要な化合物です。

∗2 重合とは、複数の単量体(モノマー)が結合して鎖状や網状になる反応のことをいい、単量体(モノマー)が結合して鎖状または網状になった化合物を重合体(ポリマー)といいます。開環重合とは、環状化合物の環構造を解き、環の解かれた化合物の端同士が結合することで重合体(ポリマー)とする反応のことをいいます。

∗3 ポリアミドとは、アミド結合によって多数の単量体(モノマー)が結合してできた重合体(ポリマー)であり、一般に脂肪族骨格を含むポリアミドをナイロンと総称しています。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的でメイクアップ化粧品、ネイル製品に汎用されています。

感触改良

感触改良に関しては、球状ナイロン-6は化学的に比較的安定であり、表面が平滑であることから優れた滑り性や滑らかな感触を付与する目的で、アイブロー、ファンデーション、化粧下地、トップコートなどに使用されています(文献1:2016;文献3:2000;文献4:2006)

まつ毛のロングラッシュ効果

まつ毛のロングラッシュ効果に関しては、まず前提知識としてロングラッシュ効果について解説します。

マスカラは、主にまつ毛を濃く見せて目の表情を豊かに美しくする目的で使用されますが、ロングラッシュ効果とは、主にマスカラ類においてまつ毛を長く見せる効果のことであり、マスカラに求められる基本的機能のひとつです。

繊維状ナイロン-6は、まつ毛を長く見せるロングラッシュ効果目的でマスカラに使用されています(文献2:1990)

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2011-2012年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

ナイロン-6の配合製品数と配合量の調査結果(2011-2012年)

スポンサーリンク

ナイロン-6の安全性(刺激性・アレルギー)について

ナイロン-6の現時点での安全性は、

  • 40年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

化学的に比較的安定であり、40年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

∗∗∗

ナイロン-6はベース成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. 日光ケミカルズ(2016)「合成高分子粉体」パーソナルケアハンドブックⅠ,294-296.
  2. 田中 宗男, 他(1990)「美を演出する高分子(化粧品)」高分子(39)(11),802-805.
  3. 熊谷 重則, 他(2000)「新しい化粧品と高分子」高分子(49)(1),10-12.
  4. 佐藤 文孝(2006)「化粧品に用いられる特殊機能粉末」色材協会誌(79)(9),397-403.

スポンサーリンク

TOPへ