トリベヘニンとは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 感触調整粉体
トリベヘニン
[化粧品成分表示名称]
・トリベヘニン

[医薬部外品表示名称]
・トリベヘン酸グリセリル

グリセリンを中心にして高級脂肪酸の一種であるベヘン酸が3つ結合してできている固形の油性成分です。

天然に存在するペースト状の油脂と同じ構造の成分で、スティック状化粧品の基剤やクリームに適度な硬さを加える感触調整剤として使用されます。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに表の中の製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

トリベヘニンの配合製品数の調査結果(1998年)

トリベヘニンの配合製品数と配合量の調査結果

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トリベヘニンの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

トリベヘニンの現時点での安全性は、皮膚刺激性や毒性はほとんどなく、一時的な眼刺激性はあるものの、アレルギー性(皮膚感作性)もほとんどないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Trilaurin,Triarachidin, Tribehenin, Tricaprin, Tricaprylin, Trierucin, Triheptanoin, Triheptylundecanoin, Triisononanoin, Triisopalmitin, Triisostearin, Trilinolein, Trimyristin, Trioctanoin, Triolein, Tripalmitin, Tripalmitolein, Triricinolein, Tristearin, Triundecanoin, Glyceryl Triacetyl Hydroxystearate, Glyceryl Triacetyl Ricinoleate , and Glyceryl Stearate Diacetate」(文献1:2001)によると、

  • [ヒト試験] 198人の被検者の上腕または背中に誘導期間として0.32%トリベヘニンを含むアイ製品0.02gを48時間から72時間閉塞パッチ下で週3回3週間にわたってDraize法に基づいて適用し、誘導期間終了の2週間後にチャレンジパッチを72時間適用したところ、誘導期間の間に3人の被検者に不確かな反応が観察されましたが、チャレンジ反応はいずれの被検者においても観察されなかったため、このアイ製品は臨床的に有意な刺激性接触皮膚炎またはアレルギー性接触皮膚炎を誘発しないと結論づけた(CTFA,1998a)
  • [ヒト試験] 200人の被検者を用いて0.38%トリベヘニンを含むハンドクリームおよびリップクリームの両方を反復パッチテスト(RIPT)で評価した。誘導期間の適用時間は24時間で、誘導期とチャレンジ期の間の無処置期間は10~15日であった。誘導期間は適用48および72時間後に評価し、チャレンジ反応は48および96時間後に評価したところ、ハンドクリームとリップクリームは皮膚刺激剤でも皮膚感作剤でもないと結論付けられた(CTFA,1998b)

と記載されています。

ヒト試験結果をみるかぎりでは、皮膚刺激性も皮膚感作性もなしと結論づけられているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Trilaurin,Triarachidin, Tribehenin, Tricaprin, Tricaprylin, Trierucin, Triheptanoin, Triheptylundecanoin, Triisononanoin, Triisopalmitin, Triisostearin, Trilinolein, Trimyristin, Trioctanoin, Triolein, Tripalmitin, Tripalmitolein, Triricinolein, Tristearin, Triundecanoin, Glyceryl Triacetyl Hydroxystearate, Glyceryl Triacetyl Ricinoleate , and Glyceryl Stearate Diacetate」(文献1:2001)によると、

  • [ヒト試験] 20人の被検者の片眼に0.32%トリベヘニンを含むアイ化粧品10~30μLを点眼したところ、点眼後30秒ですべての被検者に軽度から中等の結膜刺激が認められたが、120分後の最終評価では刺激はなかった(CTFA,1998c)
  • [ヒト試験] コンタクトレンズをつけており、アイシャドー製品の使用者である40人の女性被検者(18~65歳)に0.32%トリベヘニンを含む2とのアイ化粧品の安全性を評価した。被検者にアイ製品を4週間連続で使用してもらったところ、試験の過程でいずれの被検者においても臨床的に視力の変化は観察されず、眼科医によって行われた眼の検査では製品使用前後の眼刺激の兆候を明らかにしなかった。さらにいずれの被検者も製品使用に関する問題を報告しなかったため、このアイ製品が通常使用に対して安全であると結論づけられた(CTFA,1998d)

と記載されています。

ヒト試験結果によると、120分後には正常に戻っているものの点眼30秒後にすべての被検者に眼刺激が観察されているため、軽度~中等の一次的な眼刺激性があると考えられます。

コメドジェニシティ(ニキビの原因となるアクネ菌の増殖促進性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Trilaurin,Triarachidin, Tribehenin, Tricaprin, Tricaprylin, Trierucin, Triheptanoin, Triheptylundecanoin, Triisononanoin, Triisopalmitin, Triisostearin, Trilinolein, Trimyristin, Trioctanoin, Triolein, Tripalmitin, Tripalmitolein, Triricinolein, Tristearin, Triundecanoin, Glyceryl Triacetyl Hydroxystearate, Glyceryl Triacetyl Ricinoleate , and Glyceryl Stearate Diacetate」(文献1:2001)によると、

  • [ヒト試験] 18人の被検者(18~45歳)を用いて0.38%トリベヘニンを含むリップクリームのコメドジェニックを評価した。100μLのクリームを被検者の背中上部に閉塞パッチ適用し、被検者は月水金にパッチ除去、刺激反応のスコアリング、新たなパッチの適用を4週間連続で繰り返し、最後のパッチ除去時にコメドジェニックを評価したところ、対象部位との間に差異はなく、リップクリームはコメドジェニックではないと結論付けられた(CTFA,1998e)

と記載されています。

試験結果はひとつですが、コメドジェニックの兆候もみられないため、ノンコメドジェニック(∗2)であると考えられます。

∗2 ノンコメドジェニックというのは、ニキビの原因となるアクネ菌を増殖させる成分を含んでいないことを意味します。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
トリベヘニン 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、トリベヘニンは毒性なし(∗3)となっており、皮膚刺激や毒性はほとんどないと考えられます。

∗3 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

トリベヘニンはベース成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2001)「Final Report on the Safety Assessment of Trilaurin,Triarachidin, Tribehenin, Tricaprin, Tricaprylin, Trierucin, Triheptanoin, Triheptylundecanoin, Triisononanoin, Triisopalmitin, Triisostearin, Trilinolein, Trimyristin, Trioctanoin, Triolein, Tripalmitin, Tripalmitolein, Triricinolein, Tristearin, Triundecanoin, Glyceryl Triacetyl Hydroxystearate, Glyceryl Triacetyl Ricinoleate , and Glyceryl Stearate Diacetate」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1080/109158101529025921> 2017年11月3日アクセス.

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