ツバキ油(ツバキ種子油)とは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 エモリエント成分
ツバキ油
[化粧品成分表示名称]
・ツバキ種子油(改正名称)
・ツバキ油(旧称)

[医薬部外品表示名称]
・ツバキ油

日本原産のツバキ科植物である椿の種子を低温圧搾して得られる無色~微黄色の油脂です。

日本では古くから整髪油として重宝されてきましたが、近年では自然志向の高まりもあって椿油の優れた成分や特質が再注目され、石けんやスキンケア化粧品の基剤や食品の原料など様々な分野に広がっています。

つばき油の文化史によると、ツバキ油の脂肪酸組成は、

  • オレイン酸(不飽和脂肪酸類):85%
  • パルミチン酸(飽和脂肪酸類):7.9%
  • リノール酸(不飽和脂肪酸類):3.8%
  • ステアリン酸(飽和脂肪酸類):2.5%

となっており、ヨウ素価78~83となっています(文献1:2014)

主成分はオレイン酸で、含有量はきわめて高く、酸化をうけやすいリノール酸が少ないため、開封後も酸化されにくく安定した品質を維持することができます。

ツバキ油には髪や頭皮に栄養を補給して育毛を促進する働きがあるので、ふけや頭皮のかゆみ、枝毛などの傷んだ髪のケアに最適です。

そのほか、白髪や抜け毛の予防にも役立ちます。

スキンケアとしては、オレイン酸の含有量が多いので、すばらしい保湿効果を発揮して、乾燥肌や荒れた肌や日焼け肌などをつややかに整え、毛穴に詰まった皮脂や角栓、老廃物をなくし肌をなめらかに保ちます。

また、1996年10月の日本化学療法学会雑誌に掲載された研究結果によると、

  • アトピー性皮膚炎を発症すると黄色ブドウ球菌が増殖し、黄色ブドウ球菌が原因でさらにかゆみを伴い、アトピーが悪化していくことが明らかになっている
  • リノール酸とオレイン酸に黄色ブドウ球菌の抑制作用があることがあきらかになる
  • リノール酸のほうが黄色ブドウ球菌の抑制作用は強いがアトピー性皮膚炎患者には皮膚刺激性がある
  • オレイン酸にはアトピー性皮膚炎患者にも刺激性は見られなかった
  • オレイン酸が高配合されている精製ツバキ油は皮膚刺激が少ないためにアトピー性皮膚炎患者にも使用でき、黄色ブドウ球菌抑制効果もあきらかになったため改善効果が期待できる

このような研究過程により、精製ツバキ油にアトピー性皮膚炎の改善効果があることがあきらかになっています(文献2:1996)

化粧品に配合される場合は、肌や毛髪へのなじみがよく、適度なツヤがあるため、古くからスキンケア化粧品やヘアケア化粧品に使用されています。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

ツバキ油の配合製品数と配合量の調査結果(2010年)

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ツバキ油の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ツバキ油の現時点での安全性は、皮膚刺激性やはほとんどなく、眼刺激性はデータ不足により詳細不明ですが、重大なアレルギー(皮膚感作)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

皮膚学会誌に掲載された「ツバキ油配合透明石ケンの皮膚安全性評価と臨床試験結果」(文献3:1988)によると、

  • [ヒト試験] 皮膚疾患患者22人に5%ツバキ油配合石けんを48時間閉塞パッチ適用したところ、皮膚刺激スコアは11.6であり、安全性に優れた製品であると判定された

日本化学療法学会雑誌に掲載された「アトピー性皮膚炎患者に対する ツバキ油スプレーの安全性及び有用性の検討」(文献4:2008)によると、

  • [ヒト試験] アトピー性皮膚炎患者39人に100%ツバキ油スプレーを4週間使用してもらったところ、皮膚反応や副作用の報告はひとつもなく、100%ツバキ油配合スプレーは日常的に安全に使用できる有用なスキンケア製剤であると考えられた

と記載されています。

試験結果ではアトピー性患者が使用しても共通して皮膚刺激性なしと報告されており、長年の使用実績がある中で重大なアレルギ-の報告もみあたらないことから、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

安全性データや試験結果がみあたらないため、データ不足により詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ツバキ油 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ツバキ油は毒性なし(∗1)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ツバキ油はベース成分、エモリエント成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 エモリエント成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. つばき油の文化史(2014):126-131,193-194
  2. 新井武利,濱島肇,笹津備規(1996)「精製ツバキ油の黄色ブドウ球菌に対する増殖抑制作用について」日本化学療法学会雑誌, <https://www.jstage.jst.go.jp/article/skinresearch1959/30/3/30_3_413/_pdf> 2017年10月15日アクセス.
  3. 早川律子,松永佳世子,鈴木真理,細川かをり,荻野泰子(1988)「ツバキ油配合透明石ケンの皮膚安全性評価と臨床試験結果」日本化学療法学会雑誌, <https://www.jstage.jst.go.jp/article/skinresearch1959/30/3/30_3_413/_pdf> 2018年1月2日アクセス.
  4. 濱田学,行徳隆裕,佐藤さおり,松田哲男,松田知子,絹川直子,古江増隆(2008)「アトピー性皮膚炎患者に対する ツバキ油スプレーの安全性及び有用性の検討」日本化学療法学会雑誌, <https://prw.kyodonews.jp/prwfile/release/M100476/200810169030/attach/aSHC%20poster%202008.10.18.pdf> 2018年1月2日アクセス.

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