セレシンとは…成分効果と毒性を解説

ベース成分
セレシン
[化粧品成分表示名称]
・セレシン

石油産地の近辺で採れる地ロウと呼ばれる飽和炭化水素から成るオゾケライトを精製して得られる無色~白色の固形状オイル(炭化水素の混合物)です。

外観や性質はパラフィンに類似していますが、パラフィンが石油を精製して得られるのに対し、セレシンはオゾケライトを精製して得られ、パラフィンと比べて分子量が大きく、粘度、硬度、融点が高いのが特徴です。

化粧品に配合される場合は、主に口紅やアイシャドーなど油性固形状ベースの構造を補強する固形剤に使用され、クリームやファンデーションにも使用されます。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

セレシンの配合製品数と配合量の比較調査結果

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セレシンの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

セレシンの現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、最小限の眼刺激性が起こる可能性はあるものの、アレルギー性(皮膚感作性)および光感作性もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Fossil and Synthetic Waxes」(文献1:1984)によると、

  • [ヒト試験] 6%ミツロウと6%セレシンを含む製剤の皮膚刺激性および皮膚感作性を試験した。98人の被検者の背中に試験物質を含浸させたプラスチック製の包帯を適用し、同時に左前腕表面に解放パッチを適用し、48時間後に両方の結果を評価した。14日後に2回目の解放パッチおよび閉塞パッチを適用し、さらに光感作性を評価するために2回目のパッチを評価した後に30cmの距離で1分間UVライトを照射し、48時間後に評価したところ、いずれの被検者も刺激または感作を示さなかった
  • [ヒト試験] 6%ミツロウと6%セレシンを含む製剤の反復傷害試験を行った。49人の被検者に製剤を含浸させたパッチを週3回3週間半にわたって合計10回適用し、同時に解放パッチを左前腕に適用し、両方のパッチ除去48時間後に試験部位を評価した。14日の無処置期間の後、11回目の閉塞パッチを適用し、48時間後に評価した。また、光感作性を360nmの波長を放出するUVライトで評価した。試験部位は最終的な評価が行われた後に1分間照射され、48時間後に評価された。49人の被検者のいずれも刺激または感作を示さなかった
  • [ヒト試験] 6%ミツロウと6%セレシンを含むクリームの累積刺激製について試験した。14人の被検者の背中にクリームを含浸させたパッチを21日間連続適用し、炎症スコアを記録したところ、全体の炎症スコアは最大630のうち6.4であった

と記載されています。

試験結果では共通して皮膚刺激性なしと報告されているため、皮膚刺激はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Fossil and Synthetic Waxes」(文献1:1984)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギに2%セレシンを含む未希釈の口紅製品を適用し評価したところ、24,48および72時間で眼刺激スコアはいずれも0.0であり、眼刺激を起こさなかった
  • [動物試験] 5匹のウサギの片眼に6%セレシンを含む2つのアイクリームおよび1つのクレンジングクリームそれぞれ0.1mLを注入し、反応を観察したところ、最大刺激スコア110のうち1つのアイクリーム製品は1,24,48および72時間後に8,4,2および0.8のスコアで結膜で軽度の刺激を引き起こしたが、その後炎症はみられなかった。2つ目のアイクリーム製品は1,24および48時間後に6,2および0.4のスコアで軽度の結膜刺激が起こった。クレンジングクリーム製品は1,24および48時間後に8,2および6.8のスコアで軽度の結膜刺激が起こった
  • [動物試験] 9匹のウサギの片眼の結膜嚢に6%ミツロウと6%セレシンを含むクリーム製剤0.1mLを点滴し、3つの処理した眼を30秒後に20mLの脱イオン水で洗浄し、24,48および72時間後および4および7日後に反応をスコアリングしたところ、24時間後に未洗浄の6匹のウサギのうち4匹に最小限のケモーシスがみられ、2匹は最小限の結膜の赤みがみられた。一方で、洗浄した眼には反応はみられなかった

と記載されています。

試験結果では、非刺激および最小限の眼刺激性が報告されているため、最小限の眼刺激性が起こる可能性があると考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)および光感作性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Fossil and Synthetic Waxes」(文献1:1984)によると、

  • [ヒト試験] 102人の被検者に2%セレシンを含む口紅製剤を解放または閉塞パッチ適用し、Draize法に従って評価したところ、実質的に反応はみられなかった。また光感作性を評価しるために試験部位に30cmの距離で1分間UVライト(150W)を照射し、48時間後に評価したところ、反応がなかった
  • [ヒト試験] 1,078人の被検者に2%セレシンを含む口紅製剤を背中には閉塞パッチで上腕の内側には解放パッチで適用し、48時間後にパッチを除去し評価した。14日の無処置期間を経て再び48時間閉塞パッチを適用し、パッチ除去後に約30cmの距離でUVライト(150W)を照射し、48時間後に評価したところ、最初のパッチで1人の被検者は弱い非小胞性反応を示したが、再パッチおよびUV照射後に他の反応は起こらなかった
  • [ヒト試験] 2%セレシンを含む口紅製剤について反復傷害パッチ試験を行った。506人の被検者の背中に未希釈の試験物質を24時間閉塞パッチ適用し、上腕に解放パッチで適用し、パッチ除去後に試験部位を評価し、24時間の回復期間を設けるという手順で合計10回適用した。2~3週間の休息期間のあと48時間チャレンジパッチを未処置部位に適用し、パッチ除去後に反応を評価した。また、UV感作性を評価するために最初の10回のパッチ適用のうち1,4,7および10回目のパッチの後に紫外線を照射した。この試験を通じて1人は2回目の誘導パッチの後に弱い非小胞性反応を示し、別の1人は6回目のパッチ後に浮腫性反応を示したが、他に反応は起こらなかった
  • [ヒト試験] 6%ミツロウと6%セレシンを含む製剤の接触感作性を評価するために22人の被検者にパッチ試験を行った。前腕に試験物質を48時間おきに閉塞パッチ適用し、10~14日の休息後に48時間チャレンジパッチを閉塞適用し、パッチ除去後に評価したところ、この製剤は皮膚刺激およびアレルギー反応を生じなかった

と記載されています。

試験結果では共通して非感作性および光感作性なしと報告されているため、皮膚感作性(アレルギー性)および光感作性はないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
セレシン 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、セレシンは毒性なし(∗2)となっており、毒性はないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

セレシンはベース成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1984)「Final Report on the Safety Assessment of Fossil and Synthetic Waxes」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.3109/10915818409010516> 2018年1月2日アクセス.

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