セレシンとは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 感触改良
セレシン
[化粧品成分表示名称]
・セレシン

[医薬部外品表示名称]
・セレシン

[慣用名]
・セレシンワックス

石油産地の近辺で採れる地ロウと呼ばれる飽和炭化水素から成るオゾケライトを精製して得られるC₂₉-C₃₅で構成された微結晶性の炭化水素(∗1)です。

∗1 炭化水素とは、炭素と水素のみからなる化合物で、化学的に極めて不活性な物質です。

セレシンという名称は、ラテン語でワックス(beeswax)を意味する「cera」および”~が欠けている”という意味の「sine」に由来するといい、ミツロウでないロウ状の物質を意味しています。

パラフィンと外観や性状が似ていますが、パラフィンが石油を精製して得られるのに対して、セレシンはオゾケライトと呼ばれる鉱物を精製して得られ、またセレシンはパラフィンよりも粘度、硬度および融点が高く、セレシンの融点に関しては61-95℃に規定されています(文献3:1983)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スティック状化粧品などに使用されています(文献1:1984;文献2:2016)

感触改良

感触改良に関しては、酸化安定性が高く、また融点が61-95℃と高く、乳化しやすい特性をもち、硬さを向上させるためにスティック状油性基剤または硬さ向上による感触改良剤として用いられます(文献2:2016;文献3:1983)

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の1984年および2002-2003年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

セレシンの配合品数と配合量の調査結果(1984年および2002-2003年)

スポンサーリンク

セレシンの安全性(刺激性・アレルギー)について

セレシンの現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:ほとんどなし-軽度の結膜刺激
  • 皮膚感作性:ほとんどなし
  • 光感作性:ほとんどなし

これらの結果から、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:1984)によると、

  • [ヒト試験] 102人の被検者に2%セレシンを含む口紅製剤を対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を解放および閉塞パッチ下で実施したところ、実質的に皮膚刺激および皮膚感作反応はみられなかった(CTFA,1979)
  • [ヒト試験] 1,078人の被検者に2%セレシンを含む口紅製剤を対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を解放および閉塞パッチ下で実施したところ、皮膚刺激性および皮膚感作性はみられなかった(CTFA,1973)
  • [ヒト試験] 506人の被検者に2%セレシンを含む口紅製剤を対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、皮膚刺激性および皮膚感作性はなかった(CTFA,1973)
  • [ヒト試験] 98人の被検者に6%ミツロウと6%セレシンを含む製剤を対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、いずれの被検者も皮膚刺激または皮膚感作反応を示さなかった(Research Testing Labs,1976)
  • [ヒト試験] 49人の被検者に6%ミツロウと6%セレシンを含む製剤を対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、いずれの被検者も皮膚刺激または皮膚感作反応を示さなかった(Research Testing Labs,1976)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して皮膚刺激性および皮膚感作性なしと報告されているため、一般的に皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:1984)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギに2%セレシンを含む未希釈の口紅製品を適用し評価したところ、24,48および72時間で眼刺激スコアはいずれも0.0であり、眼刺激を起こさなかった(CTFA,1979)
  • [動物試験] 5匹のウサギの片眼に6%セレシンを含むアイクリーム0.1mLを注入し、眼刺激性スコア(0-110)を評価したところ、注入から1,24,48および72時間後に8,4,2および0.8であり、結膜で軽度の刺激を引き起こしたが、その後炎症はみられなかった(CTFA,1980)
  • [動物試験] 5匹のウサギの片眼に6%セレシンを含むアイクリーム0.1mLを注入し、眼刺激性スコア(0-110)を評価したところ、注入から1,24および48時間後に6,2および0.4であり、軽度の結膜刺激がみられたが、その後炎症はみられなかった(CTFA,1980)
  • [動物試験] 5匹のウサギの片眼に6%セレシンを含むクレンジングクリーム0.1mLを注入し、眼刺激性スコア(0-110)を評価したところ、注入から1,24および48時間後に8,2および6.8であり、軽度の結膜刺激がみられたが、その後炎症はみられなかった(CTFA,1980)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、非刺激-軽度の結膜刺激が報告されているため、眼刺激性は非刺激-軽度の結膜刺激が起こる可能性があると考えられます。

光感作性について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:1984)によると、

  • [ヒト試験] 102人の被検者に2%セレシンを含む口紅製剤を対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を解放および閉塞パッチ下で実施する中で、光感作性を評価するためにチャレンジパッチ後の試験部位に30cmの距離で1分間UVライト(150W)を照射し、48時間後に評価したところ、皮膚反応を示さなかった(CTFA,1979)
  • [ヒト試験] 1,078人の被検者に2%セレシンを含む口紅製剤を対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を解放および閉塞パッチ下で実施する中で、光感作性を評価するためにチャレンジパッチ後の試験部位に30cmの距離でUVライト(150W)を照射し、48時間後に評価したところ、1人の被検者に非小胞の弱い皮膚反応がみられたが、他の被検者は皮膚反応を示さなかった(CTFA,1973)
  • [ヒト試験] 506人の被検者に2%セレシンを含む口紅製剤を対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施する中で、光感作性を評価するために誘導期間において10回のパッチ適用のうち1,4,7および10回目のパッチの後に紫外線を照射した。この試験を通じて1人は2回目の誘導パッチの後に弱い非小胞性反応を示し、別の1人は6回目のパッチ後に浮腫性反応を示したが、他に反応は起こらなかった(CTFA,1973)
  • [ヒト試験] 98人の被検者に6%ミツロウと6%セレシンを含む製剤を対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施する中で、光感作性を評価するためにチャレンジパッチ後に30cmの距離で1分間UVライトを照射し、48時間後に皮膚反応を評価したところ、いずれの被検者も皮膚反応を示さなかった(Research Testing Labs,1976)
  • [ヒト試験] 49人の被検者に6%ミツロウと6%セレシンを含む製剤を対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施する中で、光感作性を評価するためにチャレンジパッチ後に1分間UVライトを照射し、48時間後に皮膚反応を評価したところ、いずれの被検者も皮膚反応を示さなかった(Research Testing Labs,1976)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、3人の被検者における弱い皮膚反応を除き、共通して光感作性なしと報告されているため、一般的に光感作性はほとんどないと考えられます。

∗∗∗

セレシンはベース成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(1984)「Final Report on the Safety Assessment of Fossil and Synthetic Waxes」International Journal of Toxicology(3)(3),43-99.
  2. 日光ケミカルズ(2016)「炭化水素」パーソナルケアハンドブック,27.
  3. 府瀬川 健蔵(1983)「セレシン」ワックスの性質と応用,50-51.

スポンサーリンク

TOPへ