ジメチコンとは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 感触改良 皮膜形成 消泡
ジメチコン
[化粧品成分表示名称]
・ジメチコン

[医薬部外品表示名称]
・メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン(1)、高重合メチルポリシロキサン(2)

化学構造的にジメチルポリシロキサン構造の末端をトリメチルシロキシ基で封鎖した直鎖状重合物であり、最も代表的なシリコーン油(ストレートシリコーン油)です。

重合度(∗1)の大きさにより、粘性の低いものから非常に高粘度の水飴状の外観を示すものまであります。

∗1 重合とは、複数の単量体(モノマー)が結合して鎖状や網状になる反応のことをいい、単量体(モノマー)が結合して鎖状または網状になった化合物を重合体(ポリマー)といいます。

化粧品成分表示名称は「ジメチコン」のみですが、医薬部外品表示名称は、「メチルポリシロキサン」、「高重合メチルポリシロキサン(1)」、「高重合メチルポリシロキサン(2)」があり、3種類に区別している理由は、以下の表のように、

ジメチコンの種類 平均重合度 粘度
メチルポリシロキサン

高重合メチルポリシロキサン(1) 650以上
高重合メチルポリシロキサン(2) 約7,000

ジメチコンは重合度が大きいほど粘度が高く(大きく)なり、重合度によって医薬部外品名称を区別しています(文献3:2016)

ジメチコンの皮膚吸収性については、以下のように、

5人の被検者の背中にジメチコン液を10日間にわたって毎日20時間曝露した。

ジメチコンの吸収性は血中および尿中のケイ素として測定し、1,3,6,8および10日目に測定したところ、いずれの被検者も試験前と試験中の尿中ケイ素濃度に臨床的有意差はみられなかった。

この結果から、ジメチコンの皮膚塗布による皮膚吸収性の証拠は得られないと結論づけた。

このような結果が報告されており(文献1:2003)、また物質が皮膚を透過するにはある低度の脂溶性を有し、分子量500以下でなければ容易に皮膚組織に侵入していかず、ジメチコンは水にも油にも溶けないことから皮膚から吸収されることはほとんどないと考えられます。

ジメチコンは、化粧品でもよく知られていますが、医薬品としても腸内ガスの駆除および胃腸管内のガスに起因する腹部症状の改善薬として広く知られています。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品、日焼け止め製品、洗浄製品、ヘアケア製品、シート&マスク製品、ネイル製品などあらゆる製品に汎用されています(文献1:2003)

感触改良

感触改良に関しては、低重合度・低分子のジメチコンは粘度が低く、油分のベタつき感を抑え、サラッとした軽い質感で、すべりや伸びに優れており、さらに他の成分が皮膚や毛髪上に広がるのを助ける働きをすることから、油分を配合するあらゆる製品に感触調整剤として汎用されています(文献4:2015;文献5:2012)

また、揮発性(∗2)があるため、洗い流さないヘアトリートメントに使用されます。

∗2 揮発性とは、液体が蒸発しやすい性質のことです。

皮膜形成

皮膜形成に関しては、撥水性(∗3)に優れた被膜を形成するため、ウォータープルーフ系製品(∗4)に使用されます(文献4:2015)

∗3 撥水性とは水をはじく性質のことです。
∗4 ウォータープルーフとは耐水性のことであり、汗や涙、水などに強く落ちにくいという意味で用いられます。

消泡

消泡に関しては、乳化物をつくる際にできる気泡を除去する目的で配合されます(文献4:2015)

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の1998-1999年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ジメチコンの配合製品数と配合量の調査(1998-1999年)

スポンサーリンク

ジメチコンの安全性(刺激性・アレルギー)について

ジメチコンの現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:ほとんどなし-わずか
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし
  • 光毒性・光感作性:ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2003)によると、

  • [ヒト試験] 54人の被検者に24時間単一閉塞パッチを適用したところ、いずれの被検者も皮膚刺激を示さなかった(Cosmetic Toiletry and Fragrance Association,1981)
  • [ヒト試験] 103人の被検者に5%ジメチコン溶液0.3mLを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、試験期間中においていずれの被検者も皮膚刺激および皮膚感作を示さず、この試験物質は皮膚刺激剤でも皮膚感作剤でもないと結論づけた(Hill Top Research,1984)

東レ・ダウコーニングの安全性報告(文献2:2014)によると、

  • [ヒト試験] ジメチコンについて皮膚刺激性および皮膚感作性については問題ないと結論付けられた

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚刺激性および皮膚感作性なしと報告されていることから、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

東レ・ダウコーニングの安全性報告(文献2:2014)によると、

  • [動物試験] ウサギの眼にジメチコン溶液(濃度不明)を適用したところ、無刺激-わずかな刺激を示したが、刺激は一過性のもので回復性がみられた

と記載されています。

試験データをみるかぎり、非刺激-わずかな眼刺激と報告されていることから、非刺激-わずかな眼刺激が起こる可能性があると考えられます。

光毒性および光感作性について

ジメチコンは紫外線を吸収しないため、試験は行われていません(文献2:2014)

∗∗∗

ジメチコンはベース成分、皮膜形成剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 皮膜形成剤

∗∗∗

文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2003)「Final Report on the Safety Assessment of Stearoxy Dimethicone, Dimethicone, Methicone, Amino Bispropyl Dimethicone, Aminopropyl Dimethicone, Amodimethicone, Amodimethicone Hydroxystearate, Behenoxy Dimethicone, C24–28 Alkyl Methicone, C30–45 Alkyl Methicone, C30–45 Alkyl Dimethicone, Cetearyl Methicone, Cetyl Dimethicone, Dimethoxysilyl Ethylenediaminopropyl Dimethicone, Hexyl Methicone, Hydroxypropyldimethicone, Stearamidopropyl Dimethicone, Stearyl Dimethicone, Stearyl Methicone, and Vinyldimethicone」International Journal of Toxicology(22)(2),10-35.
  2. 近藤 秀俊, 他(2014)「シリコーンの歴史と安全性」化粧品の安全・安心の科学 -パラベン・シリコーン・新原料,98-109.
  3. 日光ケミカルズ(2016)「シリコーン油およびフッ素油」パーソナルケアハンドブック,87-94.
  4. 宇山 光男, 他(2015)「ジメチコン」化粧品成分ガイド 第6版,65.
  5. 鈴木 一成(2012)「メチルポリシロキサン」化粧品成分用語事典2012,626-627.

スポンサーリンク

TOPへ