ジステアリン酸グリコールとは…成分効果と毒性を解説

ベース パール光沢
ジステアリン酸グリコール
[化粧品成分表示名称]
・ジステアリン酸グリコール

[医薬部外品表示名称]
・ジステアリン酸エチレングリコール

多価アルコール(2価アルコール)の一種であるエチレングリコールに炭素数18の長鎖脂肪酸かつ飽和脂肪酸であるステアリン酸を2つエステル結合してつくられるジエステル(グリコール脂肪酸エステル)(∗1)です。

∗1 ジエステルとは、分子内に2基のエステル結合を持つエステルのことです。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、洗浄製品、洗顔料などに使用されています(文献1:1990;文献2:2017)

パール光沢形成・乳濁感付与

パール光沢形成・乳濁感付与に関しては、代表的なパール光沢形成剤のひとつであり、パール光沢・乳濁感を付与し高級感を与える目的でシャンプー、ボディソープ、ハンドソープ、洗顔フォームなどの洗浄料に使用されます(文献3:1994)

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2001年および2016-2017年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

ジステアリン酸グリコールの配合製品数と配合量の調査結果(2001年および2016-2017年)

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ジステアリン酸グリコールの安全性(刺激性・アレルギー)について

ジステアリン酸グリコールの現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:ほとんどなし
  • 皮膚感作性:ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:1990;文献2:2017)によると、

  • [ヒト試験] 89人の被検者に0.25%ジステアリン酸グリコールを含む製剤0.5mLを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、いずれの被検者も皮膚反応の兆候はなかった(Cosmetic Toiletry and Fragrance Association,1979)
  • [ヒト試験] 103人の被検者に0.2%ジステアリン酸グリコールを含むシャンプー0.5mLを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を実施したところ、いずれの被検者も皮膚反応の兆候はなかった(Cosmetic Toiletry and Fragrance Association,1979)
  • [動物試験] 6匹のウサギの剃毛した皮膚に100%ジステアリン酸グリコール0.5gを25時間閉塞パッチ適用し、Draize法に基づいてパッチ除去後すぐおよび72時間後に皮膚刺激性を評価したところ、皮膚刺激スコア(0-4)は0であり、皮膚刺激の兆候はなかった(European Chemicals Agency,2015)
  • [動物試験] 3匹のウサギに100%ジステアリン酸グリコールを閉塞パッチ適用し、Draize法に基づいてパッチ除去1,24,48および72時間後および7日目に皮膚刺激性を評価したところ、皮膚刺激スコア(0-4)は0であり、皮膚刺激の兆候はなかった(European Chemicals Agency,2015)
  • [動物試験] 20匹のモルモットに100%ジステアリン酸グリコールを対象に皮膚感作性試験を実施したところ、皮膚感作の兆候はなかった(European Chemicals Agency,2015)
  • [動物試験] モルモット(数不明)に100%ジステアリン酸グリコールを対象にOECD406テストガイドラインに基づいて皮膚感作性試験を実施したところ、皮膚感作性はなかった(Anonymous,2016)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚刺激性および皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:1990;文献2:2017)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼に未希釈のジステアリン酸グリコールを点眼し、Draize法に基づいて眼刺激性を評価したところ、実質的に非刺激であった(Cosmetic Toiletry and Fragrance Association,1979)
  • [動物試験] 9匹のウサギの片眼に未希釈のジステアリン酸グリコールを点眼し、Draize法に基づいて眼刺激性を評価したところ、非刺激であった(Cosmetic Toiletry and Fragrance Association,1979)
  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼に100%ジステアリン酸グリコール0.1mLを点眼し、点眼24,48および72時間で眼刺激性を評価したところ、24時間では4匹に軽度の発赤が、2匹に中程度の発赤が観察された。48時間では2匹の発赤は消失し、4匹に軽度の発赤が観察され、72時間では2匹に軽度の発赤が観察された。これらの結果から眼刺激性ではないと結論付けられた(European Chemicals Agency,2015)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、眼刺激性なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

∗∗∗

ジステアリン酸グリコールはベース成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分

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文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(1990)「Final Report on the Safety Assessment of Glycol Stearate, Glycol Stearate SE, and Glycol Distearate」Journal of the American College of Toxicology(1)(2),1-11.
  2. Cosmetic Ingredient Review(2017)「Safety Assessment of Monoalkylglycol Dialkyl Acid Esters as Used in Cosmetics」Final Report.
  3. Henkel AG & Co. KGaA(1994)「流動性のある真珠光沢濃厚物」特開平06-504781.

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