ジカプリル酸PGとは…成分効果と毒性を解説

ベース エモリエント成分 可溶化
ジカプリル酸PG
[化粧品成分表示名称]
・ジカプリル酸PG

[医薬部外品表示名称]
・ジカプリル酸プロピレングリコール

化学構造的に炭素数8の飽和脂肪酸(中鎖脂肪酸)であるカプリル酸2つと、多価アルコール(∗1)の一種であり、2個の水酸基(ヒドロキシ基)をもつPG(プロピレングリコール)のジエステル(∗2)であり、分子量328.5のグリコール脂肪酸エステルです(文献1:2019)

∗1 多価アルコールとは、非常に高い吸湿性と保水性をもっているため化粧品に最も汎用されている保湿剤です。名称に「アルコール」がついているので勘違いしやすいですが、一般的なアルコール(エタノール:エチルアルコール)は一価アルコールであり、多価アルコールと一価アルコールは別の物質です。二価以上を多価アルコールといい、PG(プロピレングリコール)は二価アルコールです。

∗2 モノエステルとは分子内に1基のエステル結合をもつエステルであり、通常はギリシャ語で「1」を意味する「モノ(mono)」が省略され「エステル結合」や「エステル」とだけ記載されます。2基のエステル結合の場合はギリシャ語で「2」を意味する「ジ(di)」をつけてジエステルと記載されます。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、メイクアップ化粧品、スキンケア化粧品、ヘアケア製品などに使用されています。

エモリエント作用・油性基剤

エモリエント作用・油性基剤に関しては、油性感のない低粘性のエステルであり、また各種油性成分との相溶性に優れていることから、油性基剤として他の油性成分と乳化系スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、乳化系ヘアケア化粧品に併用されています(文献2:1997)

難溶性薬剤の可溶化

難溶性薬剤の可溶化に関しては、ジカプリル酸PGは難溶性薬剤の溶解性に優れており、可溶化剤として使用されることがあります(文献2:1997;文献3:2008;文献4:-)

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の1994年および2014年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

ジカプリル酸PGの配合製品数と配合量の調査結果(1994年および2014年)

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ジカプリル酸PGの安全性(刺激性・アレルギー)について

ジカプリル酸PGの現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 20年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

医薬部外品原料規格2006に収載されており、20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

∗∗∗

ジカプリル酸PGはベース成分、エモリエント成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 エモリエント成分

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文献一覧:

  1. “Pubchem”(2019)「Propylene glycol dicaprylate」, <https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Propylene-glycol-dicaprylate> 2019年11月7日アクセス.
  2. 広田 博(1997)「プロピレングリコールの脂肪酸エステル」化粧品用油脂の科学,106-108.
  3. 福原 寛央, 他(2008)「ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いたコエンザイムQ10可溶化製剤の開発と化粧料への応用」日本化粧品技術者会誌(42)(4),297-304.
  4. 日光ケミカルズ株式会社(-)「NIKKOL Sefsol-228」技術資料.

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