ゴマ油(セサミオイル)とは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 エモリエント成分
ゴマ油(セサミオイル)
[化粧品成分表示名称]
・ゴマ油

クチビルバナ科ゴマの種子を圧搾して得られる油です。

ゴマはインド原産で、中国、インド、メキシコなどの熱帯や温帯で栽培される一年草です。

東洋の国々では常用されており、のちにヨーロッパでも愛用されるようになりました。

植物オイルハンドブックによると、ゴマ油の脂肪酸組成は、

  • リノール酸(不飽和脂肪酸類):43%
  • オレイン酸(不飽和脂肪酸類):42%
  • パルミチン酸(飽和脂肪酸類):8%
  • ステアリン酸(飽和脂肪酸類):4%
  • アラキジン酸(飽和脂肪酸類):1%
  • リノレン酸(不飽和脂肪酸類):0.5%

となっており、ヨウ素価112となっています。

主成分は、リノール酸やオレイン酸で、ほかにセサミン、セサモールなどのゴマリグナンを含みます。

セサモールは抗酸化性が強いため、ゴマ油はリノール酸の割合が多いにもかかわらず安定性に優れています。

非常に浸透性が高く、肌を柔らかくする作用やエモリエント性を有し、炎症やアレルギーの発症を抑制する作用からクリームやマッサージオイル、軟膏基剤として使用されます。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに表の中の製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

ゴマ油の配合製品数と配合量の調査

ゴマ油の配合製品数と配合量の比較調査

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ゴマ油の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ゴマ油の現時点での安全性は、皮膚刺激性、光毒性および眼刺激性はほとんどなく、皮膚感作(アレルギー)および光感作の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

ただし、精製されたゴマ油の場合は皮膚感作はほとんど起こりませんが、粗製や未精製のゴマ油はゴマアレルギーの方は接触皮膚アレルギーを起こす可能性があるため、アレルギーが起こる可能性があるかどうか製品の販売元に確認してから使用してください。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Amended Safety Assessment of Sesamum Indicum (Sesame) Seed Oil, Hydrogenated Sesame Seed Oil, Sesamum Indicum (Sesame) Oil Unsaponifiables, and Sodium Sesameseedate」(文献2:2011)によると、

  • [ヒト試験] 34人の健康な被検者に32%ゴマ油を含むマッサージオイル0.2gを用いて累積刺激性を評価した。被検者の背中に半閉塞パッチを週3回14日間にわたって合計6回適用し、パッチ除去後に0~4のスケールで刺激性をスコアリングしたところ、累積刺激スコアは0であった

“Cosmetic Ingredient Review”の「Plant-Derived Fatty Acid Oils as Used in Cosmetics」(文献3:2011)によると、

  • [ヒト試験] 108人の被検者に25%ゴマ油を含むフェイスセラムの一次皮膚刺激性試験を実施したところ、一次皮膚刺激はなかった
  • [ヒト試験] 209人の被検者に8%ゴマ油を含むスキンバームを閉塞パッチで繰り返し適用(HRIPT)したところ、皮膚反応はなかった
  • [ヒト試験] 108人の被検者に25%ゴマ油を含むフェイスセラムを閉塞パッチで繰り返し適用(HRIPT)したところ、皮膚刺激性および皮膚感作性を示さなかった
  • [ヒト試験] 51人の被検者の唇、手、爪、肘、膝、足首、かかとに8%ゴマ油を含むスキンバームを4週間使用してもらったところ、2人の被検者の唇に最小限の紅斑がみられ、5人の被検者の肘、唇、膝に軽度の紅斑がみられたが、目に見える皮膚刺激や乾燥はなかった

と記載されています。

試験結果は共通して皮膚刺激なしと結論付けられているため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessmentof Sesame Oil」(文献1:1993)によると、

  • [動物試験] 3匹のウサギの眼に希釈していないゴマ油を注入し、眼をすすがず、点眼1日目に眼を観察したところ、眼刺激スコアは最大110のうち0であった(CTFA,1972)
  • [動物試験] 6匹のウサギの眼に希釈されていないゴマ油を注入し、眼をすすがず、点眼1,2および3日目に観察したところ、眼刺激スコアは最大110のうち1日目は3、2日目は2、3日目は1で、最小限の眼刺激性が観察された(CTFA,1975)
  • [動物試験] 6匹の試験動物において10~11%ゴマ油を含むリップスティックは眼の刺激に対して陰性であった(CTFA,1989)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、非刺激性~最小限の眼刺激性と結論づけられているため、最小限の眼刺激が起こる可能性がありますが、総合的に眼刺激はほとんど起こらないと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Amended Safety Assessment of Sesamum Indicum (Sesame) Seed Oil, Hydrogenated Sesame Seed Oil, Sesamum Indicum (Sesame) Oil Unsaponifiables, and Sodium Sesameseedate」(文献2:2011)によると、

  • 過去50年間にゴマアレルギーの報告が急増しており、臨床的に次の2つの形態で報告が提示された。①陽性SPTおよび免疫グロブリンIgE抗体試験結果と関連した即時型過敏症(全身性アナフィラキシーショックとして発現)②接触アレルギー性皮膚炎として臨床的に発現されるゴマ油中のリグニン様化合物に対する過敏症の遅延。
  • [ヒト試験] 121人の被検者の背部に誘導期間として54%ゴマ油を含むコロンの揮発性物質を蒸発させてから0.2gを半閉塞パッチ下で適用し、乾燥した状態にしておく必要があるため24時間パッチを残してから除去し、24~48時間の休息期間が設けられた後に再びパッチを適用するという手順を約3週間にわたって9回繰り返した。約2週間の無処置期間を経て背中の未処置部位に半閉塞チャレンジパッチを適用し、感作反応はパッチ除去24,48,72および96時間後に採点したところ、誘導期間において3人の被検者が最小限の紅斑を報告し、チャレンジ期間において1人の被検者は48,72および96時間で±反応を示した。54%ゴマ油を含むコロンは皮膚感作を誘発しないと結論づけられた
  • [ヒト試験] 200人の被検者の背中に32%ゴマ油を含むマッサージオイル0.2gを誘導期間において24時間反閉塞パッチを約3週間にわたって合計9回適用し、2週間の無処置期間のあと、チャレンジ期間として24時間半閉塞パッチを新し部位に適用した。パッチ除去48および72時間後に反応をスコアリングしたところ、誘導期間に反応は観察されず、チャレンジ期間に1人の被検者に最小限の紅斑が観察された。このマッサージオイルは皮膚感作を誘発しなかったと結論づけられた
  • [ヒト試験] 26人の被検者の前腕に誘導危難において66.55%ゴマ油を含むボディオイル0.05mLを48時間または72時間閉塞パッチ下で合計5回繰り返し適用し、10日間の無処置期間を経て、反対の前腕に48時間チャレンジパッチを閉塞適用し、パッチ除去15~30分後および24時間後に評価したところ、接触アレルギーは観察されなかったため、66.55%ゴマ油を含むボディオイルは検出可能な接触感作性を有しておらず、通常の条件下で接触性感作反応を引き起こす可能性は低いと結論付けられた

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、共通して皮膚感作性なしと結論付けられているため、健康な皮膚を有するヒトにおいて皮膚感作(アレルギー)はほとんど起こらないと考えられます。

ただし、精製されたゴマ油でアレルギーが起こる可能性はほとんどありませんが、粗製されたものや未精製のゴマ油が使用されている場合は、接触性アレルギーが起こる可能性があるため、ゴマアレルギーの方はアレルギーが起こる可能性があるかどうか製品の販売元に確認してから使用してください。

光毒性および光感作性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Amended Safety Assessment of Sesamum Indicum (Sesame) Seed Oil, Hydrogenated Sesame Seed Oil, Sesamum Indicum (Sesame) Oil Unsaponifiables, and Sodium Sesameseedate」(文献1:2011)によると、

  • [ヒト試験] 10人の被検者の背中に32%ゴマ油を含むオイルマッサージ製剤0.2gを24時間半閉塞パッチを適用し、パッチ除去後に試験部位にUVAライトを17分照射し、照射後反応を記録した。照射部位および非照射部位で反応は観察されず、32%ゴマ油を含むオイルマッサージ製剤は皮膚光毒性を誘発しなかったと結論付けられた
  • [ヒト試験] 32人の被検者の背中に誘導期間として32%ゴマ油を含むマッサージオイル0.2gを24時間半閉塞パッチで1週間に2回3週間にわたって合計6回適用し、パッチ除去後にUVAライトとUVBライトを照射し、照射直後に反応を記録した。2週間の無処置期間のあと、背中の新しい部位に半閉塞24時間チャレンジパッチを適用し、反応はパッチ除去後および照射後にスコアリングされた。誘導期間において試験部位でわずかな日焼けした反応が観察されたが、チャレンジ期間では反応は観察されず、対照部位でも同様で、32%ゴマ油を含むマッサージオイルは光感作を誘発しなかったと結論づけられた

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、光毒性および光感作性なしと結論付けられているため、光毒性および光感作性はないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ゴマ油 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ゴマ油は毒性なし(∗2)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ゴマ油はベース成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 エモリエント成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1993)「Final Report on the Safety Assessmentof Sesame Oil」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.3109/10915819309140647> 2017年11月21日アクセス.
  2. “Cosmetic Ingredient Review”(2011)「Amended Safety Assessment of Sesamum Indicum (Sesame) Seed Oil, Hydrogenated Sesame Seed Oil, Sesamum Indicum (Sesame) Oil Unsaponifiables, and Sodium Sesameseedate」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1091581811406987> 2017年11月21日アクセス.
  3. “Cosmetic Ingredient Review”(2011)「Plant-Derived Fatty Acid Oils as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR577.pdf> 2017年11月21日アクセス.

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