コーン油(トウモロコシ油)とは…成分効果と毒性を解説

ベース成分
コーン油(トウモロコシ油)
[化粧品成分表示名称]
・コーン油

[医薬部外品表示名称]
・トウモロコシ油

トウモロコシの胚芽から得られる淡黄色油状の液体です。

トウモロコシは中央アメリカ原産のイネ科の植物で、ほかにもアルゼンチン、ブラジル、ユーゴスラビアなどの温帯地方で栽培されています。

精製したトウモロコシ油はマゾラ油とも呼ばれます。

コーン油は、非常に酸化しやすいので、温めるのはご法度です。

植物オイルハンドブックによると、コーン油の脂肪酸組成は、

  • パルミトレイン酸(不飽和脂肪酸類):45%
  • リノール酸(不飽和脂肪酸類):40%
  • オレイン酸(不飽和脂肪酸類):8%
  • ステアリン酸(飽和脂肪酸類):3%
  • アラキジン酸(飽和脂肪酸類):1%

となっており、ヨウ素価121となっています。

主成分は、パルミトレイン酸とリノール酸で、サンフラワー油と組成が非常に似ており、高コレステリン血症や動脈硬化症のケアを補助する油として利用されることが多いです。

化粧品として配合される場合は、クリームなどの油性成分の感触改善として使用されたり、メイクアップ製品の伸びをよくし、頭髪用化粧品に配合すると毛髪にツヤを与えます。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに表の中の製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

コーン油の配合製品数と配合量の比較調査結果

スポンサーリンク

コーン油の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

コーン油の現時点での安全性は、軽度の皮膚刺激性および眼刺激があり、軽度~中等のアレルギー(皮膚感作)が起こる可能性があるため、化粧品として使用するには安全性に問題のある成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Plant-Derived Fatty Acid Oils as Used in Cosmetics」(文献1:2011)によると、

  • [動物試験] 6匹のモルモットを用いて市販のコーン油の皮膚感作性を評価したところ、4および6週目で2匹のモルモットに陽性反応があり、12週目に1匹で陽性反応が観察された

純正化学の安全データシート(文献2:2001)によると、

  • 皮膚を刺激する(かぶれる、ただれる、発赤する)

と記載されています。

溶剤や試験のビヒクルとしても使用されているので、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと思われるのですが、モルモットを用いた皮膚感作試験で6匹中2匹で陽性反応がでており、国内の安全データシートでも皮膚を刺激すると記載されているため、軽度の皮膚刺激性および軽度~中等の皮膚感作性(アレルギー性)があると考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Plant-Derived Fatty Acid Oils as Used in Cosmetics」(文献1:2011)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いて高純度のコーン油の眼刺激性を評価したところ、眼刺激性はなかった
  • [in vitro試験] 正常ヒト結膜上皮細胞によって再構築された3次元培養結膜モデルを用いて、モデル結膜表面に高純度コーン油を処理したところ、壊死またはアポトーシスを誘導しなかった

純正化学の安全データシート(文献2:2001)によると、

  • 粘膜を刺激する

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、眼刺激性なし~眼刺激性ありと報告されているため、軽度の眼刺激が起こる可能性があると考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
コーン油 毒性なし

純正化学株式会社の安全性データシートによると、皮膚刺激性(かぶれ・ただれ・発赤)ありとなっているので、注意が必要な成分だと考えられます。

参考:コーン油の安全性データシート(PDFファイル)

コーン油の多くはリノール酸(オメガ6)であり、オメガ6に傾いた食生活をおくっているとアレルギー過敏症の体質になる可能性が高まりますが、コーン油が配合された化粧品を使用してアレルギー反応がでたという報告はないので、適量を皮膚に塗布する場合においてアレルギーは起こらないと考えられます。

参考までに化粧品毒性判定事典によると、コーン油は毒性なし(∗2)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

コーン油はベース成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2011)「Plant-Derived Fatty Acid Oils as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR577.pdf> 2017年12月21日アクセス.
  2. 純正化学株式会社(2001)「安全データシート」, <http://junsei.ehost.jp/productsearch/msds/30280jis.pdf> 2017年12月21日アクセス.

スポンサーリンク

TOPへ