コラーゲンの種類・成分効果を解説

ベース成分 保湿成分
コラーゲン
[化粧品成分表示名称]
・コラーゲン、水溶性コラーゲン、加水分解コラーゲン、アテロコラーゲン、サクシニルアテロコラーゲン、サクシノイルアテロコラーゲン

[医薬部外品表示名称]
・水溶性コラーゲン液、加水分解コラーゲン液、サクシノイルアテロコラーゲン液

[慣用名]
・コラーゲン、海洋性コラーゲン、可溶性コラーゲン、低分子コラーゲン、ナノ化コラーゲン、浸透型コラーゲン

哺乳動物の皮膚、腱、骨、血管などの結合組織の膠原線維を構成している繊維状たんぱく質です。

コラーゲンは知名度が高いので知っている方も多いと思いますが、最初にヒト生体内のコラーゲンについて解説したほうが整理しやすく理解が深まると思ったので、まずコラーゲンそのものを解説してから化粧品に配合されるコラーゲンについて解説します。

人間の体内には、現在29種類のコラーゲンが確認されていますが、これらは異なるポリペプチド鎖(アミノ酸のつながり)の組み合わせによってそれぞれ型が異なり、Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型…と19種類の型に分類されています。

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ヒト生体内の代表的なコラーゲンの種類

  • Ⅰ型コラーゲン(線維性コラーゲン)
    ヒト生体内で最も大量に存在するコラーゲンで、骨に大量に含まれ、骨に弾力性をもたせるのに働いています。皮膚のコラーゲンの90%を占め、真皮にも非常に多く、皮膚の強さを生み出す働きがあります。
  • Ⅱ型コラーゲン(線維性コラーゲン)
    関節や軟骨に含まれているコラーゲンで、眼の角膜や硝子体の成分でもあります。
  • Ⅲ型コラーゲン(線維性コラーゲン)
    Ⅰ型コラーゲンの存在する組織にはⅢ型コラーゲンも共存することが多く、とくに真皮や大動脈に多いです。細網線維とよばれる細い網目状の構造を形成し、細胞や組織に柔軟性を与え、足場をつくります。創傷治療過程の初期段階で増殖し、やがてⅠ型コラーゲンに置き換わることで治癒がすすむといわれている。
  • Ⅳ型コラーゲン(非線維性コラーゲン)
    皮膚の表皮と真皮をつなぎとめる役割の基底膜を構成する主成分であり、網目状のネットワークを形成し、基底膜の骨格構造を支えて上皮細胞の足場になります。
  • Ⅴ型コラーゲン(線維性コラーゲン)
    血管、平滑筋、胎盤に主に含まれており、Ⅰ型コラーゲンとⅢ型コラーゲンの含まれている組織に少量含まれています。
  • ∗1 生体内に存在するコラーゲンは共通して3本のポリペプチド鎖がらせんを巻いた3重らせん構造の不溶性の繊維状たんぱく質です。

コラーゲンのアミノ酸組成は、Ⅰ型コラーゲンを例にあげると、

  • グリシン               :23.3%
  • プロリン               :13.7%
  • ヒドロキシプロリン:12.3%
  • グルタミン酸         :10%
  • アラニン               :8.4%
  • アルギニン            :7.7%
  • アスパラギン酸      :4.5%
  • セリン                  :3.4%
  • リジン                  :3.3%
  • ロイシン               :2.6%
  • バリン                  :2.2%
  • スレオニン            :1.9%
  • フェニルアラニン   :1.6%
  • ヒドロキシリジン   :1.5%
  • イソロイシン         :1.2%
  • ヒスチジン            :0.9%
  • メチオニン            :0.9%
  • チロシン               :0.6%

グリシンが主要成分で、プロリンとヒドロキシプロリンを合わせて約50%を占めます。

この3つのアミノ酸は、以下の図のようにコラーゲンを構成している3つの螺旋状アミノ酸(グリシン-プロリン-ヒドロキシプロリン)のひとつでもあり、

コラーゲンの構造

プロリンにプロリン水酸化酵素が作用することによってヒドロキシプロリンになることが明らかになっています。

コラーゲンが化粧品に配合され始めたのはヨーロッパにおいて1970年代の初期で、当初、コラーゲンは皮膚から吸収されて皮膚の若返り効果があると言われていましたが、コラーゲンは上の3つのらせん状アミノ酸の図のように分子量が約10万のポリペプチドが3本三つ編み状に集まった棒状のものなので、そのままでは皮膚から吸収されないということが明らかになっています。

また、そのままのコラーゲンはアレルギーの原因にもなります。

そのため、現在では酵素処理を行ってアレルギー物質を除去したアテロコラーゲンや加水分解して分子を小さくし肌への浸透性を向上させた加水分解コラーゲン(コラーゲンペプチド)など機能的に進化してきました。

化粧品で使用されるコラーゲンは、同じ性質のものでもいろいろな名前があってややこしいので、基本的なコラーゲンの種類を整理しておきます。

化粧品で使用されるコラーゲンの種類

種類といってもより機能的に使いやすくするための改良の過程で、一般的なコラーゲンはアレルギー成分も含みますが、最初にアレルギー成分を除去して、そのあとは分子量を小さくしていくというものです。

コラーゲンの3重らせん構造とアテロコラーゲンや加水分解コラーゲンの酵素処理の図

  • 水溶性コラーゲン(海洋性コラーゲン、可溶性コラーゲン)[分子量:約30万]
    分子量が約30万という高分子で、約1000個のアミノ酸が結合したポリペプチド鎖が3本集まって螺旋状の三つ編み様を形成し、両端は螺旋を巻いておらず、この部分はテロペプチドと呼ばれてアレルギーの原因になっているため化粧品として使用されることは少ないですが、水溶性コラーゲンという呼び方のほかにも可溶性コラーゲンとも呼ばれたり、魚の皮、骨、うろこなどを原料としていることが多いので海洋性コラーゲンとも呼ばれます。
  • アテロコラーゲン [分子量:約30万]
    水溶性コラーゲンからアレルギー箇所であるテロペプチドを切断して安全性を高めたものがアテロコラーゲンです。こちらも分子量は約30万の高分子で、分子が大きいためにとろみがでて少量の配合で質感が変わるため、やけどや皮膚欠損部の皮膚カバー材として医療用に用いられることが多いですが、皮膚の保湿膜をつくり肌を保護するので化粧品にも用いられます。
  • 加水分解コラーゲン(コラーゲンペプチド)[分子量:数百~数千]
    アテロコラーゲンを酵素処理してバラバラにしたものが加水分解コラーゲンで、コラーゲンペプチドとも呼ばれており、分子量が数百~数千とかなり小さくなっていて肌によくなじむのが特徴で、とろみはないので質感には影響を与えませんが、肌に浸透する分子量の目安は500以下となっており、分子量を小さくしても加水分解コラーゲンは分子量が500以下ではないので肌へは浸透しません。
  • 低分子コラーゲン(ナノ化コラーゲン、浸透型コラーゲン)[分子量:200~300]
    肌への浸透率を最も高めたコラーゲンが低分子コラーゲンで、分子量が200~300と肌への浸透率も高く、ナノ化コラーゲンや浸透型コラーゲンとも呼ばれ、肌の内側からうるおいを与えることが可能になっています。
  • ∗1 分類によってはどちらも分子を小さくしたということで、加水分解コラーゲンと低分子コラーゲンが同じくくりになっていることがありますが、加水分解コラーゲンは、それでも肌に浸透しない分子量なので、低分子コラーゲンと明確に分ける必要があり、もし一緒になっていたら低分子コラーゲンの分子量を問う必要があります。

このようにコラーゲンといっても様々な種類があるのですが、化粧品にコラーゲンを配合する主な目的は、肌表面に対する保湿効果と荒れた肌を整えてなめらかにする効果を高めたり、化粧品の質感や使用感を向上させるためです。

コラーゲンの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

コラーゲンは毒性や刺激性はほとんどありませんが、ゼラチンアレルギーの報告がごくまれにあり、安全にの高い成分だと考えられますが、アレルギー体質の方にとっては注意が必要です。

なぜ、コラーゲンでゼラチンアレルギーがでてくるのかというと、上の図でコラーゲンは3本のらせん状アミノ酸となっていると解説しましたが、加熱するとらせんがほどけてゼラチンになるからです。

ゼラチンアレルギーは日本だけのアレルギーで、ゼラチンアレルギーが発症した原因は、日本ゼラチン・コラーゲン工業組合によると、

日本では1988年以前には3種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)を2歳児に接種していました。しかし、国内でこのワクチンの弱毒化に成功したため、1989年より接種を3ヶ月~24ヶ月齢に前倒ししてきました。すなわち、非常に若い乳児期に、ワクチン中のゼラチンによって感作された一部の幼児が、その後に受けた麻疹、おたふく風邪のワクチン中のゼラチンによってアレルギー反応が引き起こされたと考えられています。阪口らの調査によると、1994~1996年にかけてゼラチンを含むワクチンの接種によりアレルギー反応を示した患者数は、接種者 百万人あたり麻疹ワクチンでは6.84例、風疹ワクチン7.31例、おたふく風邪ワクチン4.36例、水痘ワクチン10.3例という非常に少ない確率です。厚生省(当時)は、ゼラチンアレルギー対策として、1996年までに、3種混合ワクチンからゼラチンを除く措置を行なったため、その後、ゼラチン含有ワクチン接種による新たなアナフィラキシー症例は報告されていません(2003年4月時点)。

引用元:ゼラチンアレルギーについて新しいウィンドゥが開きます

とあり、1989年から1996年までの乳幼児のワクチン接種によって100万人に30人ほどが感作するまれなアレルギ-です。

参考までに化粧品毒性判定事典によると、コラーゲンは毒性なし(∗)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗ 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

コラーゲンはベース成分、保湿成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 保湿成分

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