コメ胚芽油とは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 エモリエント成分 保湿成分 血行促進成分
コメ胚芽油
[化粧品成分表示名称]
・コメ胚芽油

イネ科植物イネの種子にある胚芽から得られる淡黄色で粘性の脂肪油です。

コメ胚芽油の脂肪酸組成は、

  • オレイン酸(不飽和脂肪酸類):41~42.6%
  • リノール酸(不飽和脂肪酸類):33.2~37.4%
  • パルミチン酸(飽和脂肪酸類):16~17.1%
  • ステアリン酸(飽和脂肪酸類):1.7~1.9%
  • リノレン酸(不飽和脂肪酸類):0.5~1.3%

となっており、ヨウ素価90~120となっています(文献2:2016)

主成分はトリグリセリドですが、有用成分としてγ-オリザノールが含まれているのが特徴です。

肌を柔軟にし、水分の保持効果に優れているだけでなく、血行促進作用など肌機能を活性化する効果も期待できるため、乾燥から肌を守り、健康で柔軟な肌に整えるオイル製品やクリーム、乳液、美容液などの基礎化粧品からヘアトニック、メイクアップ製品まで幅広く使用されています。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに表の中の製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

コメ胚芽油の配合製品数と配合量の比較調査結果

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コメ胚芽油の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

コメ胚芽油の現時点での安全性は、皮膚刺激性および眼刺激性はほとんどなく、アレルギー(皮膚感作)および75%濃度以下で光毒性もほとんどないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Amended Final Report on the Safety Assessment of Oryza Sativa (Rice) Bran Oil, Oryza Sativa (Rice) Germ Oil, Rice Bran Acid, Oryza Sativa (Rice) Bran Wax, Hydrogenated Rice Bran Wax, Oryza Sativa (Rice) Bran Extract, Oryza Sativa (Rice) Extract, Oryza Sativa (Rice) Germ Powder, Oryza Sativa (Rice) Starch, Oryza Sativa (Rice) Bran, Hydrolyzed Rice Bran Extract Hydrolyzed Rice Bran Protein, Hydrolyzed Rice Extract, and Hydrolyzed Rice Protein」(文献1:2006)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギの無傷の皮膚にコメヌカ油とコメ胚芽油の混合物0.5mLを4時間適用し、Draize法に従って試験部位を24および48時間で評価したところ、皮膚反応は観察されなかった(Ichimaru Pharcos Co.,1981a)
  • コメヌカ油と米胚芽油の混合物は接触性アレルギー反応を引き起こさなかった(Ichimaru Pharcos Co.,1981b)
  • [動物試験] 6匹のウサギの背中の両側左右2箇所(右側は角質層の深くに浸透するように表皮切開によって殺傷し、左側はそのまま)にコメ胚芽油0.5mLを24時間閉塞包装適用し、包装除去後にDraize法に従って試験部位をスコアリングしたところ、非常にわずか~明瞭な紅斑が観察された。一次刺激スコアは0.75であり、コメ胚芽油は一次刺激剤として分類されなかった(Celsis,1999a)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、皮膚刺激剤および皮膚感作剤ではないと結論づけられているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Amended Final Report on the Safety Assessment of Oryza Sativa (Rice) Bran Oil, Oryza Sativa (Rice) Germ Oil, Rice Bran Acid, Oryza Sativa (Rice) Bran Wax, Hydrogenated Rice Bran Wax, Oryza Sativa (Rice) Bran Extract, Oryza Sativa (Rice) Extract, Oryza Sativa (Rice) Germ Powder, Oryza Sativa (Rice) Starch, Oryza Sativa (Rice) Bran, Hydrolyzed Rice Bran Extract Hydrolyzed Rice Bran Protein, Hydrolyzed Rice Extract, and Hydrolyzed Rice Protein」(文献1:2006)によると、

  • [動物試験] 3匹のウサギの右結膜嚢にコメヌカ油とコメ胚芽油の混合物0.1mLを注入し、点眼5分後に両眼をすすぎ、Draize法に従って角膜、虹彩および結膜を注入から1,4および24時間ならびに4および7日後に検査したところ、3匹すべてのウサギで角膜不透明スコア1、1匹のウサギで1および4時間の観察で紅斑スコア1がみられたが、その後反応は消失した。この試験物質は眼刺激剤とはみなされなかった(Ichimaru Pharcos Co.,1981c)
  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼の結膜嚢にコメ胚芽油0.01mLを点眼し、点眼24,48および72時間後に評価したところ、反応は観察されなかったため、コメ胚芽油は一次刺激物質とはみなされなかった(Celsis,1999b)

と記載されています。

試験結果では、共通して眼刺激剤とみなされなかったため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

光毒性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Amended Final Report on the Safety Assessment of Oryza Sativa (Rice) Bran Oil, Oryza Sativa (Rice) Germ Oil, Rice Bran Acid, Oryza Sativa (Rice) Bran Wax, Hydrogenated Rice Bran Wax, Oryza Sativa (Rice) Bran Extract, Oryza Sativa (Rice) Extract, Oryza Sativa (Rice) Germ Powder, Oryza Sativa (Rice) Starch, Oryza Sativa (Rice) Bran, Hydrolyzed Rice Bran Extract Hydrolyzed Rice Bran Protein, Hydrolyzed Rice Extract, and Hydrolyzed Rice Protein」(文献1:2006)によると、

  • [動物試験] 6匹のモルモットの背部にコメヌカ油とコメ胚芽油の混合物の5%エマルジョンを適用し、4時間後、試験部位の半分に10cmの距離で平行に配置された3つのUVライト(280~320nm)および3つのUVライト(320~400nm)によって提供されるMED(最小紅斑線量)を照射し、照射の24および48時間後に試験部位を評価したところ、光毒性は観察されなかった(Ichimaru Pharcos Co.,1981b)
  • [動物試験] コメ胚芽油の光毒性研究において100%,75%,50%,25%のコメ胚芽油0.1mLを剃毛したモルモットそれぞれ10匹ずつの背中に閉塞パッチ適用し、30分放置した後、310~400nmのUVライトで15分間照射し、Draize法に基づいて、照射24時間後に皮膚反応をスコアリングしたところ、100%の試験群10匹のうち2匹は24時間で光毒反応を示した。75%,50%および25%では皮膚反応はなかった。(Celsis,1999b)

と記載されています。

試験結果では、100%濃度でモルモット10匹中2匹に光毒性がありますが、75%濃度以下では光毒性はないため、75%濃度以下において、光毒性はないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
コメ胚芽油 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、コメ胚芽油は毒性なし(∗2)となっており、毒性はないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

コメ胚芽油はベース成分、エモリエント成分、保湿成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 エモリエント成分 保湿成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2006)「Amended Final Report on the Safety Assessment of Oryza Sativa (Rice) Bran Oil, Oryza Sativa (Rice) Germ Oil, Rice Bran Acid, Oryza Sativa (Rice) Bran Wax, Hydrogenated Rice Bran Wax, Oryza Sativa (Rice) Bran Extract, Oryza Sativa (Rice) Extract, Oryza Sativa (Rice) Germ Powder, Oryza Sativa (Rice) Starch, Oryza Sativa (Rice) Bran, Hydrolyzed Rice Bran Extract Hydrolyzed Rice Bran Protein, Hydrolyzed Rice Extract, and Hydrolyzed Rice Protein」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1080/10915810600964626> 2017年12月25日アクセス.
  2. 日光ケミカルズ(2016)「油脂」パーソナルケアハンドブック,p13-14

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