コメヌカ油とは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 エモリエント成分 保湿成分 紫外線吸収剤
コメヌカ油
[化粧品成分表示名称]
・コメヌカ油

[医薬部外品表示名称]
・コメヌカ油

イネ科植物イネのコメヌカから得られる淡黄色の液状オイルです。

コメヌカ油の脂肪酸組成は、

  • オレイン酸(不飽和脂肪酸類):41.4%
  • リノール酸(不飽和脂肪酸類):37.5%
  • パルミチン酸(飽和脂肪酸類):16.2%
  • ステアリン酸(飽和脂肪酸類):1.8%
  • リノレン酸(不飽和脂肪酸類):1.6%
  • ミリスチン酸(飽和脂肪酸類):0.3%
  • パルミトレイン酸(不飽和脂肪酸類):0.1%

となっており(文献2:2016)ヨウ素価92~115となっています(文献3:2011)

オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸のトリグリセリドを主成分とし、ほかにはトコフェロール、オリザノール、ステロールなどの有効成分を含みます。

コメヌカ油中のオリザノールが紫外線を吸収して皮膚を保護する効果があるため、欧米ではサンスクリーンオイルとして使用されており、またコメヌカ油脂肪酸はオレイン酸が多く、コメヌカ油から製造した石けんは水に溶けやすく、洗浄力が優れ、家庭用洗剤として使用されています。

化粧品に配合される場合は、肌を柔軟にし、水分の保持効果に優れていることから、乾燥から肌を守り、柔軟な肌に整えるオイル製品やクリーム、乳液などへの配合が適しています。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに表の中の製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

コメヌカ油の配合製品数と配合量の比較調査結果

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コメヌカ油の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

コメヌカ油の現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性はなしまたは最小限の眼刺激性が起こる可能性がありますが、アレルギー(皮膚感作)および光感作性もほとんどないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗2)やレポートを参照しています。

∗2 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Amended Final Report on the Safety Assessment of Oryza Sativa (Rice) Bran Oil, Oryza Sativa (Rice) Germ Oil, Rice Bran Acid, Oryza Sativa (Rice) Bran Wax, Hydrogenated Rice Bran Wax, Oryza Sativa (Rice) Bran Extract, Oryza Sativa (Rice) Extract, Oryza Sativa (Rice) Germ Powder, Oryza Sativa (Rice) Starch, Oryza Sativa (Rice) Bran, Hydrolyzed Rice Bran Extract Hydrolyzed Rice Bran Protein, Hydrolyzed Rice Extract, and Hydrolyzed Rice Protein」(文献1:2006)によると、

  • [ヒト試験] 10人の被検者の背中の別の領域に1.04%コメヌカ油を含む保湿剤とボディクリーム0.2mLを23時間パッチ適用、パッチ除去ごに試験部位の評価を21日連続で繰り返し累積刺激を評価したところ、最大刺激スコア630のうち保湿剤の累積刺激スコアは26、ボディクリームの累積刺激スコアは31であり、各試験製剤は軽い刺激剤として分類された(Hill Top Research,1989)
  • [ヒト試験] 20人の女性の胸部および頸部領域に1.04%コメヌカ油を含むボディローションを1日2回適用してもらったところ、1人の女性が毛包の炎症を発症した(CTFA,1991)
  • [ヒト試験] 111人の被検者(男性21人、女性90人)の背中上部に0.3%コメヌカ油を含む子供用シャンプーおよびコンディショナー2mLを半閉塞パッチで24時間、週に3回合計10回適用し、各後続パッチ適用前に試験部位を評価した。2週間のむしょち期間を空けて誘導パッチ適用部位および前腕の手のひら側の未処置部位の両方にチャレンジパッチを適用し、試験部位を適用24および48時間後に評価したところ、1人の被検者が4回および5回目の誘導パッチで軽度の紅斑が観察された。チャレンジパッチでは反応は観察されなかった。このシャンプーおよびコンディショナーは皮膚刺激および皮膚感作の可能性を示唆していなかった(Consumer Product Testing Co.,1997)
  • [ヒト試験] 94人の被検者(男性10人、女性84人)に8%コメヌカ油を含む保湿剤を誘導期間において毎日24時間でパッチ除去後に試験部位を評価し再パッチ適用を3週間同じ部位に繰り返し、3週間の休息期間のあとに24時間の単一チャレンジパッチを適用し、パッチ除去24および48時間後に反応を評価した。誘導期間では94人のうち21人の被検者がほとんど知覚できない~軽度の皮膚反応を示したがチャレンジ期間では反応は観察されなかったため、皮膚感作剤とはみなされなかった(CTFA,1987)
  • [ヒト試験] 93人の被検者(男性6人、女性87人)に1.04%コメヌカ油を含むバスオイルの10%水溶液を反復適用(RIPT)したところ、17人の被検者は誘導期間においてほとんど知覚できないまたは軽度の反応を示し、1人の被検者はチャレンジ期間でほとんど知覚できない反応を示した。これらの結果からコメヌカ油を含むバスオイルは皮膚感作性を示さなかったと判断された(CTFA,1985)
  • [ヒト試験] 90人の被検者に1.04%コメヌカ油を含むリップクリームを誘導期間において2\毎日24時間22日間にわたって同じ部位に適用した。2週間の無処置期間を経て、チャレンジパッチを適用し、適用48および96時間後に反応を評価したところ、90人のうち1人の被検者が誘導期間およびチャレンジ期間に反応を示した。コメヌカ油を含むリップクリームは陰性と判断された(Hill Top Research,1988)
  • [ヒト試験] 100人の被検者の背中に1.04%コメヌカ油を含むフェイス/ボディクリームを誘導期間において3週間の間に9回24時間適用した。2週間の無処置期間を空けてチャレンジパッチを適用したところ、誘導期間およびチャレンジ期間に反応は認められなかった(AMA Laboratories,1989)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、皮膚刺激剤および皮膚感作剤ではないと結論づけられているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Amended Final Report on the Safety Assessment of Oryza Sativa (Rice) Bran Oil, Oryza Sativa (Rice) Germ Oil, Rice Bran Acid, Oryza Sativa (Rice) Bran Wax, Hydrogenated Rice Bran Wax, Oryza Sativa (Rice) Bran Extract, Oryza Sativa (Rice) Extract, Oryza Sativa (Rice) Germ Powder, Oryza Sativa (Rice) Starch, Oryza Sativa (Rice) Bran, Hydrolyzed Rice Bran Extract Hydrolyzed Rice Bran Protein, Hydrolyzed Rice Extract, and Hydrolyzed Rice Protein」(文献1:2006)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼の結膜嚢にコメヌカ油0.1mLを点眼し、点眼24,48および72時間後に眼を分類したところ、2匹のウサギは24時間の観察で結膜発赤スコア1の評価を有していたが、この状態は1匹で48時間までに消失、もう1匹も72時間までに消失した。コメヌカ油は一次刺激剤とはみなされなかった(Leberco Testing Inc.,1993)
  • [動物試験] 6匹のウサギの片眼の結膜嚢に未希釈のコメヌカ油を注入し、滴下1,2,3,4および7日後にDraize法に基づいてスコア化したところ、いずれのウサギも角膜または虹彩には反応は認められなかった。1匹のウサギは、1日目および2日目に結膜スコア2を有し、4日目および7日目に別のウサギの結膜スコアが2であった。これらの結果からコメヌカ油は最小限の眼刺激性があると考えられた(CTFA,1983)

と記載されています。

試験結果では、非刺激から最小限の眼刺激性ありとの報告があるため、非刺激または最小限の眼刺激性があると考えられます。

光感作性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Amended Final Report on the Safety Assessment of Oryza Sativa (Rice) Bran Oil, Oryza Sativa (Rice) Germ Oil, Rice Bran Acid, Oryza Sativa (Rice) Bran Wax, Hydrogenated Rice Bran Wax, Oryza Sativa (Rice) Bran Extract, Oryza Sativa (Rice) Extract, Oryza Sativa (Rice) Germ Powder, Oryza Sativa (Rice) Starch, Oryza Sativa (Rice) Bran, Hydrolyzed Rice Bran Extract Hydrolyzed Rice Bran Protein, Hydrolyzed Rice Extract, and Hydrolyzed Rice Protein」(文献1:2006)によると、

  • [ヒト試験] 25人の白人被検者の腰部に1.5%コメヌカ油を含むローションを24時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去後キセノンアークシミュレーターでMED(最小紅斑線量)を照射した。その後試験部位を48時間開いたままにし、再度パッチ適用および照射を週2回合計6週間繰り返した。最後の照射の12日後に単一チャレンジパッチおよび照射したところ、いずれの被検者においても光接触アレルギーを示唆する反応はみられなかったため、この条件下でローション中の試験物質はヒト皮膚において検出可能な光感作性を有していなかった(ivy Laboratories,2000)

と記載されています。

試験結果では、光感作性を有していないと結論づけられているため、光感作性はないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
コメヌカ油 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、コメヌカ油は毒性なし(∗2)となっており、毒性はないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

コメヌカ油はベース成分、エモリエント成分、保湿成分、紫外線防止成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 エモリエント成分 保湿成分 紫外線防止成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2006)「Amended Final Report on the Safety Assessment of Oryza Sativa (Rice) Bran Oil, Oryza Sativa (Rice) Germ Oil, Rice Bran Acid, Oryza Sativa (Rice) Bran Wax, Hydrogenated Rice Bran Wax, Oryza Sativa (Rice) Bran Extract, Oryza Sativa (Rice) Extract, Oryza Sativa (Rice) Germ Powder, Oryza Sativa (Rice) Starch, Oryza Sativa (Rice) Bran, Hydrolyzed Rice Bran Extract Hydrolyzed Rice Bran Protein, Hydrolyzed Rice Extract, and Hydrolyzed Rice Protein」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1080/10915810600964626> 2017年12月25日アクセス.
  2. 日光ケミカルズ(2016)「油脂」パーソナルケアハンドブック,p13-14
  3. “Cosmetic Ingredient Review”(2011)「Plant-Derived Fatty Acid Oils as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR577.pdf> 2017年12月20日アクセス.

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