ククイナッツ油とは…成分効果と毒性を解説

エモリエント成分 ベース成分
ククイナッツ油
[化粧品成分表示名称]
・ククイナッツ油

[医薬部外品表示名称]
・ククイナッツ油

[慣用名]
・ククイオイル

トウダイグサ科植物ククイノキ(学名:Aleurites moluccanus 英名:kukui = candlenut)の果実から得られる植物油(植物オイル)です。

ククイノキは、東南アジアを原産とし、1959年にハワイの州木として指定されており、今日では太平洋諸島を始め、熱帯地域に広く分布しています。

ククイの実は、ハワイにおいて主に食用で魚のにおいを消したり腐敗を防ぐのに用いられており、また体内では生成されないため摂取が不可欠な必須脂肪酸であるリノール酸およびリノレン酸を多量に含んでいることから食用油としての利用も研究されてきています。

またハワイの強い陽射しや潮風から保護する目的や傷んだ皮膚の炎症を鎮めるために用いられています(文献4:2012)

ククイナッツ油の脂肪酸組成は、抽出方法や天然成分のため国や地域および時期によって変化がありますが、主に、

脂肪酸名 脂肪酸の種類 炭素数:二重結合数 比率(%)
パルミトレイン酸 不飽和脂肪酸 C16:1 0.5
オレイン酸 不飽和脂肪酸 C18:1 10-35
リノール酸 不飽和脂肪酸 C18:2 35-50
リノレン酸 不飽和脂肪酸 C18:3 24-40
パルミチン酸 飽和脂肪酸 C16:0 5-8
ステアリン酸 飽和脂肪酸 C18:0 0.1-6.7

このような種類と比率で構成されています(文献1:2017)

リノレン酸の含有量が多いのが特徴で、二重結合が2つの不飽和脂肪酸であるリノール酸および二重結合が3つの不飽和脂肪酸であるリノレン酸で59-90%を占めるため、酸化安定性はかなり低い(酸化しやすい)と考えられます。

またヨウ素価は、

ヨウ素価 ヨウ素価による分類
160-175 乾性油

一例としてこのように記載されており(文献2:1997)、130以上の乾性油のため、乾燥性が高いと考えられます。

乾油性とは、皮膜状に空気中に放置すると、固化して弾性のある乾燥皮膜を生じるオイルのことで、たとえば油性塗料に用いることで塗料の乾きが早くなります。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、ヘアケア製品、洗顔料&洗顔石鹸、洗浄製品、ボディ&ハンドケア製品、リップ製品、メイクアップ化粧品など様々な製品に幅広く使用されています(文献3:2016)

皮膚柔軟化によるエモリエント作用

皮膚柔軟化によるエモリエント作用に関しては、リノール酸35-50%、リノレン酸24-40%を含有しているため、皮膚浸透性がよく、乾燥した皮膚を柔軟にする優れた効果があり、油のベタつきがほとんどなくサッパリとした軽い質感のエモリエント剤としてクリームや乳液などのスキンケア化粧品やヘアトリートメントなどに使用されています(文献3:2016)

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2010年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

ククイナッツ油の配合製品数と配合量の調査結果(2010年)

スポンサーリンク

ククイナッツ油の安全性(刺激性・アレルギー)について

ククイナッツ油の現時点での安全性は、

  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:ほとんどなし
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし

これらの結果から、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2017)によると、

  • [ヒト試験] 104人の被検者に0.005%ククイナッツ油を含むスカルプコンディショナーを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を閉塞パッチ下で実施したところ、皮膚刺激剤および皮膚感作剤ではなかった(Clinical Research Laboratories,2005)
  • [ヒト試験] 110人の被検者に3%までのククイナッツ油を含むクレンジングの10%水溶液を対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を半閉塞パッチ下で実施したところ、皮膚刺激剤および皮膚感作剤ではなかった( Product Investigations Inc,2007)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚刺激性および皮膚感作性なしと報告されているため、一般的に皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2017)によると、

  • [動物試験] 104人の被検者に0.005%ククイナッツ油を含むスカルプコンディショナーを対象にHRIPT(皮膚刺激&感作試験)を閉塞パッチ下で実施したところ、皮膚刺激剤および皮膚感作剤ではなかった(Said T,et al,2007)
  • [in vitro試験] 結膜細胞を用いてククイナッツ油の細胞毒性試験を実施したところ、細胞毒性はなかった(Said T,et al,2007)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、眼刺激性なしと報告されているため、一般的に眼刺激性はほとんどないと考えられます。

∗∗∗

ククイナッツ油はエモリエント成分、ベース成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:エモリエント成分 ベース成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2017)「Safety Assessment of Plant-Derived Fatty Acid Oils」International Journal of Toxicology(36)(3),51S-129S.
  2. 広田 博(1997)「乾性油」化粧品用油脂の科学,11-15.
  3. 日光ケミカルズ(2016)「油脂」パーソナルケアハンドブック,2-3.
  4. 鈴木 一成(2012)「ククイナッツ油(キャンドルナッツ油)」化粧品成分用語事典2012,6-7.

スポンサーリンク

TOPへ