カプリリルグリコール(1,2-オクタンジオール)とは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 抗菌成分
カプリリルグリコール(1,2-オクタンジオール)
[化粧品成分表示名称]
・カプリリルグリコール

[医薬部外品表示名称]
・1,2-オクタンジオール

無色透明の液体でわずかなにおいのあるグリセリンと同等の保湿力を有する保湿剤です。

アルカンジオールの一種で抗菌性に優れている多価アルコールです。

同濃度のメチルパラベンと比較して皮膚刺激性が低く、防腐剤を使わない化粧品に使用されたり、防腐剤の濃度を減らしたい化粧品に組み合わせて使用されています。

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カプリリルグリコールの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

カプリリルグリコールの現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性はデータ不足のため詳細不明ですが、重大なアレルギー(皮膚感作)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of 1,2-Glycols as Used in Cosmetics」(文献1:2012)によると、

  • [ヒト試験] 105人の被検者の背中上部に0.5%カプリリルグリコールを含むリップスティックを24時間半閉塞パッチで適用したところ、この製品は皮膚刺激および皮膚感作性を示さなかったと結論付けられた
  • [ヒト試験] 1,2-ヘキサンジオールとカプリリルグリコールを含む新しい防腐剤の皮膚感受性を評価した。205人の被検者に15%1,2-ヘキサンジオールとカプリリルグリコールの混合物を含むカルボマー20μLを48時間閉塞パッチ(Finn Chamber)下で誘導期間およびチャレンジ期間の間繰り返し適用したところ、被検者の1人にD反応(表皮の損傷や浸出液)を有していた。その1人に改めて4日間の開放パッチ反復試験を適用したところ、反応は観察されなかった
  • [ヒト試験] 56人の被検者に50%1,2-ヘキサンジオールと50%カプリリルグリコールの混合物20%カルボマーを反復パッチ適用したところ、いずれの被検者にも皮膚感作を誘発しなかった
  • [動物試験] 20匹のモルモットに誘導期間において5%カプリリルグリコールを含むピーナッツ油と50%カプリリルグリコールを含むワセリンを適用し、チャレンジ期間においては50%カプリリルグリコールを含むワセリンを適用したところ、いずれのモルモットにおいても皮膚感作は観察されなかった

株式会社マンダムの資料によると、防腐剤としてパラベンを配合した場合とアルカンジオール(∗2)を配合した場合の皮膚刺激性の比較が以下となっています。

∗2 アルカンジオールとは、カプリリルグリコール、ペンチレングリコール、ヘキサンジオールなどの総称です。

皮膚刺激感受性が高い人による皮膚刺激感評価

と記載されています。

ヒト試験と動物試験のいずれにおいても皮膚刺激および皮膚感作は観察されなかったため、皮膚刺激性や皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

また、マンダムの資料によると、防腐剤としてパラベンを配合するより皮膚刺激性が半分以下に抑えられることが明らかとなっています。

皮膚刺激性だけをみるとパラベンよりも優れていますが、防腐効果や範囲はパラベンのほうが高いので、必ずしもパラベンを避けてアルカンジオールで防腐したほうがいいというわけではありません。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of 1,2-Glycols as Used in Cosmetics」(文献1:2012)によると、

  • [in vitro試験] 鶏卵の漿尿膜を用いて、1%および3%カプリリルグリコールを含むオイルを処理したところ(HET-CAM法)、非刺激性に分類された
  • [in vitro試験] 鶏卵の漿尿膜を用いて、50%1,2-ヘキサンジオールと50%カプリリルグリコールの混合物1%水溶液を処理したところ(HET-CAM法)、重度の眼刺激剤として分類された

と記載されています。

カプリリルグリコールのみの試験結果では非刺激性に分類されていますが、1,2-ヘキサンジオールとの混合物では重度の眼刺激性に分類されており、1,2-ヘキサンジオールのみに眼刺激性がある可能性もありますが、これらのデータだけでは結論づけることができず、現時点ではデータ不足のため詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
カプリリルグリコール 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、カプリリルグリコールは毒性なし(∗3)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗3 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

カプリリルグリコールはベース成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2012)「Safety Assessment of 1,2-Glycols as Used in Cosmetics」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1091581812460409> 2017年11月15日アクセス.

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