カノラ油とは…成分効果と毒性を解説

エモリエント成分 ベース成分
カノラ油
[化粧品成分表示名称]
・カノラ油

[慣用名]
・キャノーラ油

アブラナ科植物アブラナ(学名:Brassica campestris = Brassica rapa var. nippo-oleifera)の種子から得られる植物油(植物オイル)です。

アブラナは、西アジアから北ヨーロッパの大麦畑に生えていた雑草が原種であり、農耕文化と共に移動し、日本では弥生時代以降から利用されていたと考えられています。

江戸時代には植物油の採油目的として栽培され、その油は菜種油と呼ばれ、主に灯油原料として利用されました。

ただし、菜種油は明治以降はセイヨウアブラナ(学名:Brassica napus 英名:rapeseed)に置き換わり、化粧品成分においてはセイヨウアブラナから得る油をナタネ油、アブラナから得る油をカノラ油(キャノーラ油)と分類しています。

カノラ油の脂肪酸組成は、抽出方法や天然成分のため国や地域および時期によって変化がありますが、主に、

脂肪酸名 脂肪酸の種類 炭素数:二重結合数 比率(%)
パルミトレイン酸 不飽和脂肪酸 C16:1 <1.0
オレイン酸 不飽和脂肪酸 C18:1 >50.0
エイコセン酸 不飽和脂肪酸 C20:1 <2.0
エルカ酸 不飽和脂肪酸 C22:1 <2.0
リノール酸 不飽和脂肪酸 C18:2 <40.0
リノレン酸 不飽和脂肪酸 C18:3 <14.0
ミリスチン酸 飽和脂肪酸 C14:0 <0.2
パルミチン酸 飽和脂肪酸 C16:0 <6.0
ステアリン酸 飽和脂肪酸 C18:0 <2.5
アラキジン酸 飽和脂肪酸 C20:0 <1.0
ベヘン酸 飽和脂肪酸 C22:0 <2.0
リグノセリン酸 飽和脂肪酸 C24:0 <0.2

このような種類と比率で構成されています(文献1:2017)

オレイン酸、リノール酸およびα-リノレン酸のトリグリセリドであり、二重結合が2つの不飽和脂肪酸であるリノール酸および二重結合が3つの不飽和脂肪酸であるリノレン酸で約50%を占めるため、酸化安定性はかなり低い(酸化しやすい)と考えられます。

またヨウ素価は、

ヨウ素価 ヨウ素価による分類
110-126 半乾性油

一例としてこのように記載されており(文献1:2017)、100を越えることがある半乾性油のため、いくらかの乾燥性は有しますが、乾油性よりは劣ります。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、メイクアップ化粧品、スキンケア化粧品、ボディケア製品などに使用されています(文献1:2017)

皮膚柔軟化によるエモリエント作用

皮膚柔軟化によるエモリエント作用に関しては、オレイン酸約50%、リノール酸約40%、α-リノレン酸約10%を含有しているため、肌なじみに優れ、乾燥した皮膚を柔軟にする優れた効果があり、サッパリとした軽い質感のエモリエント剤であると考えられます。

ただしかなり酸化しやすいため、他の酸化安定性の高い植物油と併用して使用されています。

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2010年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

カノラ油の配合製品数と配合量の調査結果(2010年)

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カノラ油の安全性(刺激性・アレルギー)について

カノラ油の現時点での安全性は、

  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし

これらの結果から、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2017)によると、

  • [ヒト試験] 101人の被検者に74.7%カノラ油を含むボディオイル150μgを対象にHRIPT(皮膚累積刺激&感作試験)を半閉塞パッチ下で実施したところ、皮膚刺激剤および皮膚感作剤ではなかった(249)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して皮膚刺激性および皮膚感作性なしと報告されているため、一般的に皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

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カノラ油はエモリエント成分、ベース成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:エモリエント成分 ベース成分

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文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2017)「Safety Assessment of Plant-Derived Fatty Acid Oils」International Journal of Toxicology(36)(3),51S-129S.

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