カカオ脂(カカオバター)とは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 エモリエント成分 香料
カカオ脂(カカオバター)
[化粧品成分表示名称]
・カカオ脂

[医薬部外品表示名称]
・カカオ脂

[慣用名]
・カカオバター、ココアバター

アオギリ科植物カカオの種子を高温圧搾または溶剤抽出して得られるわずかにチョコレート様のにおいのある淡黄色の固形脂肪です。

カカオバターはココアバターとも呼ばれており、アフリカ、アメリカ、インド、スリランカなどで栽培されています。

体温に近い融点をもっているため、32℃~35℃前後になると一気に液状化します。

チョコレート特有のなめらかな口どけは、このカカオバターの融点によるものです。

油化学 vol.27 No.7:473(1978)によると、カカオ脂の脂肪酸組成は、

  • オレイン酸(不飽和脂肪酸類):35.9%
  • ステアリン酸(飽和脂肪酸類):33.9%
  • パルミチン酸(飽和脂肪酸類):26.4%
  • リノール酸(不飽和脂肪酸類):3%
  • アラキジン酸(飽和脂肪酸類):0.6%
  • パルミトレイン酸(不飽和脂肪酸類):0.2%

となっており、ヨウ素価は36となっています。

参考:ヨウ素価の解説と植物油脂のヨウ素価一覧

主成分はオレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸です。

薬理作用としては、カカオには抗菌作用があり、チョコレートの原料なので意外かもしれませんが、虫歯の予防効果があります(∗1)

∗1 ただし、チョコレートは砂糖が入っているので虫歯の予防にはなりません。

また、カカオに含まれる脂肪酸には胃炎や胃潰瘍の原因となるピロリ菌を殺菌する効果があるといわれていたり、カカオの香りは心身をリラックスさせるので、ストレスで胃の調子を崩しがちな方のケアに最適です。

スキンケアとしては、保湿力や水分保持力、皮膚をやわらかくする作用に優れており、浸透性も高いため、乳液やクリームの原料としてよく使用されます。

また、常温では固形ですが、融点が低く体温で溶けるため、マッサージオイルとしても使われます。

ほかには、石けん作りに必要な脂肪酸であるパルミチン酸とステアリン酸を多く含んでいるので、石けんの原料としても活用されていたり、感触がなめらかなので口紅の原料としても用いられます。

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カカオ脂の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

日本に安全性データシートが見当たらなかったので、海外のものを複数参考にしたところ、毒性は予見されず、まれに皮膚刺激性を感じる場合ありとなっていますが、比較的安全性が高い成分だと考えられます。

アレルギーに関しては具体的な報告は見当たりませんが、カカオアレルギーや金属アレルギーの方は注意が必要です。

カカオアレルギーの方はいうまでもなく控えるべきです。

金属アレルギーに関しては、以下の日本皮膚科学会接触皮膚炎診療ガイドラインをみてもらうとわかるように、

カカオ脂のニッケル含有量

資料元:日本皮膚科学会接触皮膚炎診療ガイドライン(PDFファイル)

カカオを原料とするチョコレートには基準値を大幅に超えるNi(ニッケル)が検出されており、カカオ脂でもニッケルでアレルギーが起こる可能性があります。

ちなみに、金属アレルギーの原因となる金属の多くはクロムかニッケルです。

アレルギー症状は、すぐに発赤や発疹などがでることもありますが、多くの場合24時間~48時間ほど時間が経過した後に起こるので、このような知識を念頭においてカカオ脂を使用するときは必ずパッチテストを行い2日以上経過して安全性を確認してから使用するようにしてください。

参考までに化粧品毒性判定事典によると、カカオ脂は毒性なし(∗1)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

カカオ脂とセットで使用される成分と効果

・植物ワックスのスクラブ剤として、以下の成分表示順で使用されます。
[化粧品表示] コメヌカロウ、カカオ脂
[医薬部外品表示] コメヌカロウ、カカオ脂

基本的な配合量の多い成分表示順は上記の通りですが、1%以下の成分は順不同に表示されるので、製品によっては表示順が異なっている場合があります。

∗∗∗

カカオ脂はベース成分、エモリエント成分、香料にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 エモリエント成分 香料

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