オリーブ果実油とは…成分効果を解説

ベース成分 保湿成分 エモリエント成分
オリーブ果実油
[化粧品成分表示名称]
・オリーブ果実油(改正名称)
・オリーブ油(旧称)

[医薬部外品表示名称]
・オリブ油

[慣用名]
・オリーブ油、オリーブオイル

オリーブの果実を圧搾して得られる淡黄色~淡黄緑色の植物性油脂です。

オリーブは中央アジア由来の植物で、今日では地中海沿岸や南アフリカ、中央アメリカなど広く栽培されています。

植物オイルハンドブックによると、オリーブ果実油の脂肪酸組成は、

  • オレイン酸(不飽和脂肪酸類):74%
  • パルミチン酸(飽和脂肪酸類):10%
  • リノール酸(不飽和脂肪酸類):7%
  • アラキドン酸(不飽和脂肪酸類):2%
  • リノレン酸(不飽和脂肪酸類):0.5%
  • パルミトレイン酸(不飽和脂肪酸類):0.5%

となっており、ヨウ素価90となっています。

同じ油脂のベース成分でもスクワランやミネラルオイルと違って、水分を抱え込む性質があるので高い保水効果を発揮し、肌を柔らかくして水分の蒸発を防ぐためエモリエント効果もあります。

オレイン酸が主成分で75%ほどの割合を占めているため、良質な石鹸の原料として使用されたり、エモリエントな感触を与えるのでクリームやマッサージオイル、ベビーオイルや口紅など広く使用されています。

注意点として、ニキビの原因となるアクネ菌のエサになるので、ニキビの症状がある方が使うと、アクネ菌に分解されて炎症を引き起こしたりニキビが悪化する場合があります。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに表の中の製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

オリーブ果実油の配合製品数と配合量の調査(2010年)

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オリーブ果実油の安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

オリーブ果実油の現時点での安全性は、皮膚刺激性および眼刺激性はほとんどなく、重大なアレルギー(皮膚感作)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Plant-Derived Fatty Acid Oils as Used in Cosmetics」(文献1:2011)によると、

  • [ヒト試験] 114人の被検者に0.7%オリーブ果実油を含むスカルプコンディショナーの1%製剤を適用したところ、一次刺激はなかった
  • [ヒト試験] 104人の被検者に0.1595%オリーブ果実油を含むスカルプコンディショナーまたはヘアワックスを未希釈で繰り返し適用(HRIPT)したところ、皮膚刺激および皮膚感作は示されなかった
  • [ヒト試験] 110人の被検者に0.7%オリーブ果実油を含むスカルプコンディショナーの1%製剤を繰り返し適用(HRIPT)したところ、皮膚刺激および皮膚感作は観察されなかった
  • [ヒト試験] 110人の被検者に1.6%オリーブ果実油を含むボディローション0.02mLを閉塞パッチ下で繰り返し適用(HRIPT)したところ、7回目のパッチ適用で1人の被検者にわずかな紅斑が観察されたが、一時的なものでそれ以降は再発しなかった。他に皮膚刺激および皮膚感作反応はみられなかった
  • [ヒト試験] 209人の被検者に10%オリーブ果実油を含むスキンケアバームを閉塞パッチ下で繰り返し適用(HRIPT)したところ、皮膚感作はなかった
  • [ヒト試験] 105人の被検者に22%オリーブ果実油を含むボディ用保湿剤を半閉塞パッチ下で繰り返し適用したところ、皮膚刺激および皮膚感作はなかった
  • [ヒト試験] 102人の被検者に22%オリーブ果実油を含むコンディショニングヘアオイル0.2mLを半閉塞パッチ下で繰り返し適用したところ、皮膚刺激および皮膚感作はなかった
  • [ヒト試験] 209人の被検者に69.6%オリーブ果実油を含むファンデーション200μLを閉塞パッチ下で繰り返し適用したところ、皮膚刺激および皮膚感作はなかった
  • [ヒト試験] 51人の被検者の唇、手、爪、肘、膝、足首、かかとに10%オリーブ果実油を含むスキンケアバームを4週間してもらったところ、目に見える皮膚刺激や乾燥はなかったが、2人の被検者の唇に最小限の紅斑がみられ、5人の被検者の肘と唇または膝に軽度の紅斑がみられた。15人の被検者は主観的な刺激反応を報告した

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、多くの場合皮膚刺激性はなく、またいずれの試験結果においても皮膚感作性はないため、皮膚刺激性や皮膚感作(アレルギー)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Plant-Derived Fatty Acid Oils as Used in Cosmetics」(文献1:2011)によると、

  • [動物試験] ウサギを用いてDraize法に基づいて高純度で未希釈のオリーブ果実油を点眼したところ、眼刺激はなかった
  • [in vitro試験] 正常ヒト表皮角化細胞によって再構築された3次元培養角膜モデル(EpiOcular)を用いて、モデル角膜表面に未希釈のオリーブ果実油を処理したところ、細胞死およびアポトーシスは誘導されなかった

と記載されています。

試験結果によると、眼刺激性はなしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
オリーブ果実油 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、オリーブ果実油は毒性なし(∗2)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

オリーブ果実油はベース成分、保湿成分、エモリエント成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 保湿成分 エモリエント成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2011)「Plant-Derived Fatty Acid Oils as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR577.pdf> 2017年11月21日アクセス.

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