アモジメチコンとは…成分効果と毒性を解説


・アモジメチコン
[医薬部外品表示名称]
・アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体エマルション
アミノエチルやアミノプロピルなどのアミノ基で末端を修飾したアミノ変性シリコーンポリマー(シリコーン重合体)です。
「+」の電子をもち、アミノ基は毛髪のケラチンタンパク質と相性が良いため、ジメチルシリコーンと比べても毛髪への吸着性が高く、ヘアコンディショニング効果の持続性に優れています。
毛髪に柔らかさ、しっとり感、なめらかさ、ツヤを与え、くし通り性と髪のまとまりをよくし、ダメージヘアの補修効果、帯電防止効果、染毛の色落ちを防止する効果などもあります。
そのためヘアコンディショニング目的でしっとりタイプのトリートメントなどヘアケア製品に配合されています。
実際に配合されている製品数や配合量の範囲などは、海外の1998-1999年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。
アモジメチコンの安全性(刺激性・アレルギー)について
以下は、この結論にいたった根拠です。
安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。
∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。
皮膚刺激性について
MOMENTIVEの安全性データシート(文献1:2016)によると、
- [動物試験] 10-30%アモジメチコン溶液をウサギに72時間塗布した試験では刺激がなかった
WACKERの安全性データシート(文献1:2006)によると、
- [動物試験] 50%アモジメチコン溶液をウサギに塗布した試験では軽度の刺激がある
と記載されています。
2つのデータですが、10-30%溶液で刺激なし、50%溶液で軽度の刺激ありという結果で、通常のヘアケア製品に配合される量なら皮膚刺激性や毒性はほとんどないと考えられます。
眼刺激性について
MOMENTIVEの安全性データシート(文献1:2016)によると、
- [動物試験] 10-30%アモジメチコン溶液をウサギに72時間点眼した試験では刺激がなかった
WACKERの安全性データシート(文献1:2006)によると、
- [動物試験] 50%アモジメチコン溶液をウサギに塗布した試験では軽度の刺激がある
と記載されています。
2つのデータですが、10-30%溶液で刺激なし、50%溶液で軽度の刺激ありという結果で、通常のヘアケア製品に配合される量なら眼刺激はほとんどないと考えられます。
アレルギー(皮膚感作性)について
WACKERの安全性データシート(文献1:2006)によると、
- [動物試験] ギニア豚を通じた試験においてアレルギー性(皮膚感作性)はない
と記載されています。
この資料のみでアレルギーが起こらない成分と結論づけるのは早計ですが、国内のアレルギーの報告もないので、現時点ではアレルギーが起こる可能性は低いと考えられます。
化粧品毒性判定事典による毒性判定について
化粧品成分名 | 判定 |
---|---|
アモジメチコン | ■ |
参考までに化粧品毒性判定事典によると、アモジメチコンは■(∗2)となっており、毒性・刺激があるという判定になっていますが、化粧品毒性判定事典は合成ポリマーはすべて■の極端な判定になっています。
安全性データで参照したように、通常のヘアケア製品の配合量であれば、一般的に刺激性や毒性はほとんどないと考えられます。
∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。
∗∗∗
アモジメチコンはベース成分にカテゴライズされています。
成分一覧は以下からお読みください。
参考:ベース成分
∗∗∗
文献一覧:
- MOMENTIVE(2016)「Safety Data Sheet」, <https://www.essentialingredients.com/msds/SM2658.pdf> 2017年8月25日アクセス.
- WACKER(2006)「Safety Data Sheet」, <http://chemagent.ru/component/flexicontent/download/1498/1522/21> 2017年8月25日アクセス.
スポンサーリンク