べヘニルアルコールとは…成分効果と毒性を解説

ベース成分 安定化成分
べヘニルアルコール
[化粧品成分表示名称]
・べヘニルアルコール

[医薬部外品表示名称]
・べヘニルアルコール

ナタネ油の還元アルコールから得られる白色でロウ状の固体(高級アルコール)です。

同じ高級アルコール類のセタノールやステアリルアルコールなどに比べて炭素数が大きく、安全性も高く、乳化安定性に優れているためセタノールやステアリルアルコールの代わりに使用されることが増えています。

セタノールをベヘニルアルコールに置き換えると、融点が高いのでワックス分を減量でき温度耐性の強い製品をつくることができます。

化粧品に配合される場合は、乳化安定剤として乳液やクリームに配合されることが多いです。

実際にどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

べヘニルアルコールの配合製品数と配合量の調査結果(1982年)

べヘニルアルコールの配合製品数と配合量の比較調査結果

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べヘニルアルコールの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

べヘニルアルコールの現時点での安全性は、長鎖C22の脂肪族アルコールのため、皮膚刺激性や毒性および眼刺激性はほとんどなく、アレルギー性(皮膚感作性)もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

JETOC 日本化学物質安全・情報センターの初期評価プロファイル(文献2:2006)によると、

  • 皮膚に対して刺激性はない

と記載されています。

長鎖C18以上の脂肪族アルコールは構造上皮膚刺激がなく、皮膚刺激試験の溶剤としても使われることもあることから、皮膚刺激性や毒性の懸念はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Cetearyl Alcohol, Cetyl Alcohol, lsostearyl Alcohol, Myristyl Alcohol, and Behenyl Alcohol」(文献1:1998)によると、

  • [動物試験] 5匹のウサギの右眼に1%に希釈したベヘニルアルコール50μLを点眼し、Draize法に基づいて2,6,24および48時間後に評価したところ、点眼2および6時間後の5匹の平均刺激スコアはそれぞれ18および10であった。24および48時間で結膜刺激の兆候はみられなかった

と記載されています。

動物試験はひとつで根拠は弱いのですが、脂肪族アルコールは構造上眼刺激性が低いため、眼刺激性は低いと考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

JETOC 日本化学物質安全・情報センターの初期評価プロファイル(文献2:2006)によると、

  • 皮膚感作性はない

と記載されています。

脂肪族アルコールは構造上皮膚感作性がないため、アレルギー(皮膚感作)は起こらないと考えられます。

安全性についての捕捉

べヘニルアルコールは名前にアルコールが入っているので、成分表示をチェックしてアルコールフリーと書いてあったのにアルコールが入ってると勘違いする方もいるかもしれませんが、エタノールのようないわゆるアルコールではなく高級アルコール(ろうそくのロウのような油性成分)なので、アルコールフリーの製品にも配合されます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
べヘニルアルコール 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、べヘニルアルコールは毒性なし(∗2)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

べヘニルアルコールはベース成分と安定化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:ベース成分 安定化成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1998)「Final Report on the Safety Assessment of Cetearyl Alcohol, Cetyl Alcohol, lsostearyl Alcohol, Myristyl Alcohol, and Behenyl Alcohol」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.3109/10915818809023137> 2017年11月4日アクセス.
  2. JETOC 日本化学物質安全・情報センター(2006)「初期評価プロファイル 長鎖アルコール類」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.3109/10915818809023137> 2017年11月4日アクセス.

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