セラミドの解説と化粧品配合セラミド一覧

ヒト型セラミド

[慣用名]
・セラミド、ヒト型セラミド

セラミド(ceramide)とは、スフィンゴ脂質(sphingolipid)の一種であり、化学構造的にスフィンゴシン(スフィンゴイド塩基)のアミノ基(-NH2に脂肪酸がアミド結合した化合物の総称です。

食品分野、化粧品分野、医薬品分野などで利用されていますが、ここでは化粧品分野におけるセラミドの基礎知識を解説し、末尾に化粧品に配合されているセラミドの一覧を掲載します。

ページの構成や解説しやすさを考慮した結果として、最初にセラミドの構造や種類を解説していますが、セラミドそのものの知識がまったくない場合は、先に「角質層におけるセラミド」などヒト生体でどのような役割を担っている成分なのかを把握してからのほうが構造や種類を理解しやすいかもしれません。

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セラミドの構造および種類

セラミドは、化学構造的にスフィンゴシン(スフィンゴイド塩基)を骨格として脂肪酸をアミド結合したスフィンゴ脂質の一種ですが、ヒト角質層においては以下の表のように、

スフィンゴイド塩基 ノンヒドロキシ脂肪酸
(Non hydroxy FA)
α-ヒドロキシ脂肪酸
(Alpha hydroxy FA)
エステルω-ヒドロキシ脂肪酸
(Ester-linked Omega hydroxy FA)
ジヒドロスフィンゴシン
(Dihydrosphingosine)
セラミドNDS
セラミド10
セラミドADS
セラミド11
セラミドEODS
セラミド12
スフィンゴシン
(sphingosine)
セラミドNS
セラミド2
セラミドAS
セラミド5
セラミドEOS
セラミド1
フィトスフィンゴシン
(Phytosphingosine)
セラミドNP
セラミド3
セラミドAP
セラミド6
セラミドEOP
セラミド9
6-ヒドロキシスフィンゴシン
(6-Hydroxysphingosine)
セラミドNH
セラミド8
セラミドAH
セラミド7
セラミドEOH
セラミド4

4種類のスフィンゴイド塩基の存在と、非ヒドロキシ脂肪酸(∗1)、α-ヒドロキシ脂肪酸、ω-ヒドロキシ脂肪酸といった3種類の脂肪酸の存在が確認されており、これらの結合パターンによって12種類のセラミドタイプに分類されています(∗2)(文献2:2008)

∗1 非ヒドロキシ脂肪酸とは、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸のことであり、セラミドに結合する非ヒドロキシ脂肪酸は飽和脂肪酸または一価不飽和脂肪酸です。一価不飽和脂肪酸とは、二重結合を1つもつ不飽和脂肪酸です。

∗2 「セラミド + 数字」は旧称であり、「セラミド + 英字」が改正名称になります(詳細は後述します)。

これら12種類のセラミドタイプは、角質層ですべて存在が確認されており(文献2:2008;文献3:2011)、またスフィンゴイド塩基に結合する脂肪酸は、炭素数16-24(C16-24)の長鎖脂肪酸に加え、炭素数26以上の超長鎖脂肪酸も多く存在しており、個別分子としては342種が確認されています(文献2:2008)

セラミドの旧称および改正名称一覧と名称理解において誤解しやすい点

セラミドは化粧品業界において重要な成分ですが、その構造や組成の理解が飛躍的に進歩したのは2000年代以降であり、すべてのセラミドが同一構造を有するわけではないため、セラミドの命名法を明確にする必要性が生じてきたことから、セラミドの科学的名称も旧称である「セラミド + 数字」から「セラミド + 英字」に変更されています。

そういった背景から、化学名称としての改正名称および旧称は、

化学名称
旧称 改正名称 旧称 改正名称
セラミド1 セラミドEOS セラミド7 セラミドAH
セラミド2 セラミドNS セラミド8 セラミドNH
セラミド3 セラミドNP セラミド9 セラミドEOP
セラミド4 セラミドEOH セラミド10 セラミドNDS
セラミド5 セラミドAS セラミド11 セラミドADS
セラミド6 セラミドAP セラミド12 セラミドEODS

このように移行されており(文献4:2019;文献5:2014)、一方で化粧品成分表示名称に登録されている改正名称および旧称は2020年時点で、

化粧品成分表示名称
旧称 改正名称 旧称 改正名称
セラミド1 セラミドEOP セラミド5 セラミドAS
セラミド2 セラミドNS セラミド6Ⅱ セラミドAP
セラミドNG (∗3) セラミドEOS
セラミド3 セラミドNP (∗3) セラミドAG

このように移行されていますが(文献1:2015)、いくつか誤解を招く点が存在するため、その点について解説します。

∗3 「セラミドEOS」は旧称として「セラミド1」、「セラミドAG」は「セラミド5」と表示されることがありますが、化粧品成分表示名称を命名する米国パーソナルケア製品評議会の資料にこれらの旧称が記載されていないため、ここでの補足に留めます。

誤解しやすい点1:「セラミドNG」および「セラミドAG」について

化粧品成分表示名称では、化学名称には存在しない「セラミドNG」および「セラミドAG」が存在しますが、結論からいうと、

  • セラミドNG → セラミドNDS
  • セラミドAG → セラミドADS

のことです。

このような異なった表示となった経緯としては、米国パーソナルケア製品評議会(Personal Care Products Council:PCPC)で過去の一つの資料をもとに学術面で認知されていない「NG」「AG」と命名したことにあり、それ以降、皮膚科学分野と化粧品分野でダブルスタンダード化した状況になっています(文献6:2019)

この状況をうけて複数のセラミド研究者が化粧品成分表示名称の訂正を嘆願しており、米国パーソナルケア製品評議会もNG、AGの表記根拠に誤りがあったことを認めていることから、今後訂正される可能性が高いと推測されますが、2020年時点ではまだ訂正されていない状況です(文献4:2019;文献6:2019)

このような背景から、化粧品分野では現在でもセラミドNG、セラミドAGと表示されることがありますが、それぞれ「セラミドNDS」「セラミドADS」を指します。

誤解しやすい点2:「セラミド2」および「セラミド5」の改正名称が2つあることについて

化粧品成分表示名称では、

  • 「セラミド2」の改正名称として「セラミドNG」と「セラミドNS」
  • 「セラミド5」の改正名称として「セラミドAG」と「セラミドAS」

の2種類が存在しています。

この背景としては、当時セラミドが7種類しか同定されていない中で「セラミド + 数字」という命名法が用いられており、米国パーソナルケア製品評議会(Personal Care Products Council:PCPC)が公表した化粧品成分の国際名称(INCI名)では、ジヒドロスフィンゴシンもスフィンゴシンと同類とみなしていたことから、化学構造的に、

化粧品成分表示名称
スフィンゴイド塩基 非ヒドロキシ脂肪酸
(Non hydroxy FA)
α-ヒドロキシ脂肪酸
(Alpha hydroxy FA)
ジヒドロスフィンゴシン セラミドNG
(セラミド2)
セラミドAG
(セラミド5)
スフィンゴシン セラミドNS
(セラミド2)
セラミドAS
(セラミド5)

スフィンゴシンおよびジヒドロスフィンゴシンを骨格とするこれらは、結合する脂肪酸の違いのみで分類していたことから、どちらも同様のセラミドタイプとして分類されていたという経緯があります(文献5:2014)

2008年に12種類のセラミドタイプが公開され(文献2:2008)、セラミドの命名法も見直された中で、ジヒドロスフィンゴシンとスフィンゴシンも区別され、現在では化学名称として「セラミドNDS:セラミド10」「セラミドNS:セラミド2」「セラミドADS:セラミド11」「セラミドAS:セラミド5」と分類されていますが、これまでの背景から化粧品成分表示名称としての「セラミドNG」の旧称は「セラミド2」、「セラミドAG」の旧称は「セラミド5」とされています。

誤解しやすい点3:「セラミドEOP」の旧称について

以下の表をみてもらうとわかりやすいと思いますが、

スフィンゴイド塩基 エステルω-ヒドロキシ脂肪酸(Ester-linked Omega hydroxy FA)
化学名称 化粧品成分表示名称
スフィンゴシン セラミドEOS
(セラミド1)
セラミドEOS
(セラミド1)
フィトスフィンゴシン セラミドEOP
(セラミド9)
セラミドEOP
(セラミド1)

化学名称としての「セラミドEOP」の旧称は「セラミド9」ですが、化粧品成分表示名称の旧称は「セラミド1」となっています。

この背景としては、当時セラミドが7種類しか同定されていない中で、スフィンゴイド塩基にエステルω-ヒドロキシ脂肪酸が結合したセラミドタイプはすべて「セラミド1」に分類していたことにあり、化粧品成分表示名称の旧称はそのまま「セラミド1」となっています。

セラミドタイプが12種類に分類された現在では、「セラミドEOP」の化学名称における旧称は「セラミド9」となります。

[皮膚] 角質層におけるセラミドの機能および組成

皮膚におけるセラミドの機能に関しては、まず前提知識として角質層の構造を解説します。

以下の表皮最外層である角質層の構造図をみてもらうとわかりやすいと思いますが、

角質層の構造

角質層は天然保湿因子を含む角質細胞と角質の間を細胞間脂質で満たした、レンガとモルタルの関係と同様の構造となっており、細胞間脂質は主に、

細胞間脂質構成成分 割合(%)
セラミド 50
遊離脂肪酸 20
コレステロール 15
コレステロールエステル 10
糖脂質 5

このような脂質組成で構成されています(文献7:1995)

細胞間脂質のセラミド組成としては、

セラミドの種類(化学名称) 割合(%)
旧称 改正名称
セラミド1 セラミドEOS 8
セラミド2 セラミドNS 21
セラミド3 セラミドNP 13
セラミド4 セラミドEOH 4
セラミド5 セラミドAS 27
セラミド6 セラミドAP 4
セラミド7 セラミドAH 22

このように報告(∗4)されています(文献8:1994)

∗4 12種類のセラミド組成データがみつからないため、セラミドが7種類のみ同定されていた1994年のセラミド組成を記載しています(7種類以上のセラミド組成データがみつかりしだい追補します)。

これら細胞間脂質は以下の図のように、

細胞間脂質におけるラメラ構造

疎水層と親水層を繰り返すラメラ構造を形成していることが大きな特徴であり、脂質が結合水(∗5)を挟み込むことで水分を保持し、角質細胞間に層状のラメラ液晶構造を形成することでバリア機能を発揮すると考えられており、このバリア機能は、皮膚内の過剰な水分蒸散の抑制および一定の水分保持、外的刺激から皮膚を防御するといった重要な役割を担っています。

∗5 結合水とは、たんぱく質分子や親液コロイド粒子などの成分物質と強く結合している水分であり、純粋な水であれば0℃で凍るところ、角層中の水のうち33%は-40℃まで冷却しても凍らないのは、角層内に存在する水のうち約⅓が結合水であることに由来しています(文献9:1991)。

12種類のセラミドタイプの分類において、エステルω-ヒドロキシ脂肪酸が結合したセラミドは「アシルセラミド(O-acylceramide)」と呼ばれており、化学構造的に通常のセラミドがスフィンゴイド塩基と脂肪酸の2つの疎水鎖から構成されているのに対して、アシルセラミドは脂肪酸部分にリノール酸を加えた(エステル結合した)3つの疎水鎖構造をもつため、炭素鎖長が28以上の超長鎖脂肪酸(∗6)を有しているのが特徴です(文献10:2008;文献11:2017)

∗6 脂肪酸は、炭素数11-20(C11-C20)までを長鎖脂肪酸、炭素数21(C21)以上の脂肪酸を極長鎖脂肪酸と呼び、極長鎖脂肪酸のうち炭素数26(C26)以上の脂肪酸を超長鎖脂肪酸と呼びます(文献11:2017)。通常のセラミドを構成する脂肪酸はC16-C24の飽和または一価不飽和脂肪酸であるのに対して、表皮を構成するセラミドはそれらに加えてC26-C36の超長鎖脂肪酸も多く存在していることが確認されています(文献12:2005)。

このアシルセラミドは、ラメラ構造においてセラミドやコレステロールから成る脂質の多重膜をつなぎ合わせる役目を果たしていると考えられており(文献13:1988)、また表皮が透過性バリアとして機能するためには高い疎水性(∗7)が必要ですが、アシルセラミドは脂肪酸鎖超が28以上で非常に強い疎水性を有していることから、バリア形成に特化したセラミドであると考えられています(文献11:2017)

∗7 疎水性とは、水との親和性が低い、水に溶解しにくい、水と混ざりにくい性質のことです。

また、以下の角質細胞の構造図をみてもらうとわかりやすいと思いますが、

皮膚における角質細胞の構造図

角質細胞の細胞表面は、周辺帯(Cornified cell Envelope:CE)および角質細胞脂質エンベロープ(Corneocyte Lipid Envelope:CLE)で覆われていますが、最外層の角質細胞脂質エンベロープは、主にセラミドEOS由来アシルセラミドのリノール酸が切断されて露出したω-水酸基に周辺帯タンパク質が結合した結合型セラミドで構成されており(文献14:2014;文献15:2019)、この結合型セラミドが細胞間脂質と角質細胞をつなぐ役割を果たしていることから(文献11:2017)、アシルセラミドは結合型セラミドの前駆体としても重要です。

このようにセラミドは皮膚バリア機能維持に非常に重要な成分ですが、一方で皮膚が乾燥寒冷下に長時間曝露されるような外的要因やアトピー性皮膚炎のような内的要因により乾皮症(ドライスキン)が生じた場合は、角質層の機能低下が起こり、その結果として角質層の水分保持能の低下およびバリア機能低下による経表皮水分蒸散量(transepidermal water loss:TEWL)の上昇が知られています(文献16:2004)

アトピー性皮膚炎は多様な病因により生じますが、一部のアトピー性皮膚炎患者の角質層において、セラミド/コレステロール比率の低下(文献17:1998;文献18:2011)やセラミドタイプのうち、EOS(セラミド1)、NP(セラミド3)およびNH(セラミド8)の低下とNS(セラミド2)、AS(セラミド5)、AH(セラミド7)、AP(セラミド6)およびADS(セラミド11)の増加など脂質組成の変化が報告されており(文献17:1998;文献19:1991;文献20:1999)、とくにバリア機能と関連が深いアシルセラミドの低下が相対的に大きいことが明らかにされています(文献7:1995;文献20:1999)

ただし、これらセラミド量の低下やセラミド組成の変化の原因は、現時点では明らかになっておらず、今後さらなる解明が求められています。

[皮膚] 表皮におけるセラミド生成プロセス

表皮におけるセラミド生成プロセスに関しては、まず前提知識として表皮のターンオーバー(新陳代謝)について解説します。

以下の表皮におけるセラミド産生プロセス図をみてもらえるとわかりやすいと思いますが、

表皮におけるセラミド産生プロセス

表皮細胞は、角化細胞(ケラチノサイト)とも呼ばれ、表皮最下層である基底層で生成された一個の角化細胞は、その次につくられた、より新しい角化細胞によって皮膚表面に向かい押し上げられていき、各層を移動していく中で有棘細胞、顆粒細胞と分化し、最後にはケラチンから成る角質細胞となり、角質層にとどまったのち、角片(∗8)として剥がれ落ちます(文献21:2002)

∗8 角片とは、体表部分でいえば垢、頭皮でいえばフケを指します。

この表皮の新陳代謝は一般的にターンオーバーと呼ばれ、正常なターンオーバーによって皮膚は新鮮さおよび健常性を保持しています(文献22:2002)

セラミドの前駆体かつスフィンゴ糖脂質の一種であるグルコシルセラミドも表皮細胞と同様に基底層で産生され、有棘層から顆粒層へと分化を経て産生量を増やし、角質層において分解酵素であるβ-グルコセレブロシダーゼを介してセラミドに分化されることが知られています(文献23:2008)

また、角質層に存在する12種類のセラミドタイプのすべてがグルコシルセラミドから産生され(文献24:2002)、セラミドNS(セラミド2)およびセラミドAS(セラミド5)の2種類はスフィンゴ脂質の一種であるスフィンゴミエリンからも産生されることが報告されています(文献25:2000)

[皮膚] 化粧品におけるセラミドの作用・効果

化粧品におけるセラミドの主な作用・効果は、

  • 細胞間脂質(ラメラ構造)形成補強によるバリア改善作用
  • 角質層水分保持による保湿作用

このように報告されており、またセラミドタイプによって、

化粧品表示名称 スフィンゴイド塩基 主な作用・効果
旧称 改正名称
セラミド1 セラミドEOP フィトスフィンゴシン 細胞間脂質の結合強化によるラメラ液晶構造安定化(バリア機能強化・維持)
セラミド2 セラミドNG ジヒドロスフィンゴシン 水分保持機能およびその持続性強化
バリア機能強化
セラミドNS スフィンゴシン 水分保持機能およびその持続性強化
バリア機能強化
セラミド3 セラミドNP フィトスフィンゴシン バリア機能強化
セラミド5 セラミドAG ジヒドロスフィンゴシン 水分保持機能およびその持続性強化
バリア機能強化
セラミド6Ⅱ セラミドAP フィトスフィンゴシン バリア機能強化

このような作用・効果の違いが明らかにされてきています(文献26:1999;文献27:1999;文献28:1999;文献29:2002;文献30:2005)

ただし、角質層のバリア機能を担う細胞間脂質のラメラ液晶構造はセラミド単体では形成されず、コレステロール、遊離脂肪酸などの両親媒性脂質(∗9)とともに形成され、その親水性部分に水分を保持して機能を司っていることが知られており(文献16:2004)、セラミド、コレステロール、脂肪酸を単独で荒れ肌に塗布してもバリア機能の回復はみられず、これらを適当な比率で混合した場合やセラミドとコレステロールを併用した場合(∗10)でバリア機能の回復が促進されたことが報告されています(文献16:2004;文献31:1996)

∗9 両親媒性とは、親水性と親油性の両方を有している性質のことです。

∗10 セラミド、コレステロールに次ぐ第3成分としてラメラ液晶形成能をもつ乳化剤が混合されていることもあります(文献16:2004)。

また、セラミドは異なるタイプを混合することで再結晶しにくくなり、かつラメラ構造の安定持続性が高まる結果として相乗効果を発揮することから、複数のセラミドを併用した処方が汎用されています。

[毛髪] 毛髪におけるセラミドの機能および組成

毛髪におけるセラミドの機能に関しては、以下の毛髪の断面図をみてもらうとわかりやすいと思いますが、

毛髪の断面図

セラミドは、CMC(Cell Membrane Complex)と呼ばれる細胞膜複合体の約50%を占める主要構成成分として存在しており、毛髪の最外層であるキューティクル(毛小皮)とコルテックス(毛皮質)の接着に貢献しています(文献16:2004)

また、CMCのセラミド組成は、

セラミドの種類(化学名称) 割合(%)
旧称 改正名称
セラミド2 セラミドNDS 68 88
セラミドNS 11
セラミド5 セラミドADS 10 12
セラミドAS 2

このように4種類の存在が確認されており(文献32:1995;文献33:2011)、個別では少なくとも73種のセラミド分子が同定されたことが報告されています(文献33:2011)

[毛髪] 化粧品におけるセラミドの作用・効果

化粧品におけるセラミドの主な作用・効果は、

  • CMC補強によるキューティクル改善作用
  • CMC補強による引っ張り強度改善作用

となっています(文献16:2004;文献34:2000)

セラミドと、馬セラミドおよび植物セラミドの違い

セラミド、馬セラミドおよび植物セラミドの違いは以下の表をみるとわかりやすいと思いますが、

脂質の種類 慣用名称
スフィンゴ脂質 セラミド ヒト型セラミド
ユズセラミド
植物ヒト型セラミド(和栗)
スフィンゴ糖脂質 ガラクトシルセラミド 馬セラミド
グルコシルセラミド 植物セラミド
(コメヌカピーチ、コーンなど)

スフィンゴ脂質とは、スフィンゴイド塩基を含む複合脂質の総称であり、セラミドはスフィンゴイド塩基に脂肪酸が結合したスフィンゴ脂質です。

一方で、スフィンゴ糖脂質とはスフィンゴイド塩基に脂肪酸が結合したセラミド構造に糖が結合した複合脂質(∗11)であり、スフィンゴ脂質の一種かつセラミド構造を有しているため「セラミド」と呼ばれることもありますが、糖が結合していることからセラミドとは異なり、化粧品成分表示上も明確に異なります。

∗11 糖としてガラクトースが結合したセラミドをガラクトシルセラミド、グルコースが結合したセラミドをグルコシルセラミドといいます。

また、化粧品におけるスフィンゴ糖脂質は、角質層のセラミド産生量を促進させる作用を有しており、この点もセラミドの主な作用である直接的な細胞間脂質の充填・バリア機能の補強とは異なります。

馬セラミドおよび植物セラミドは、スフィンゴ脂質の一種であることから一般的にセラミドと呼ばれますが、正確にはスフィンゴ糖脂質であり、厳密にはセラミドとは異なります。

ただし、植物から抽出して得られるセラミド(スフィンゴ脂質)も存在し、その場合は植物セラミド(スフィンゴ糖脂質)と区別するために、その植物固有のセラミドであれば「植物名称 + セラミド」(∗12)、植物由来のヒト同一型セラミドであれば「植物ヒト型セラミド」とも呼ばれています。

∗12 現時点ではユズセラミドがあります。

化粧品におけるセラミドの安全性

ヒト皮膚同一型セラミド(ヒト型セラミド)は、ヒトの皮膚や毛髪に存在するセラミドと同一の化学構造を有しており、各セラミドの安全性データをみるかぎり、化粧品に使用される配合範囲内において皮膚刺激性や皮膚感作性はほとんどなく(文献1:2015)、安全性に問題のない成分であると考えられます。

また、植物から抽出されたセラミド(スフィンゴ脂質)は、ヒト角質層のセラミドと化学構造が同一または類似していること、化粧品に使用される配合範囲内において皮膚刺激や皮膚感作の報告がみられないことから、同様に安全性に問題のない成分であると考えられます。

∗∗∗

文献一覧:

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  6. 石田 賢哉(2019)「化粧品に使用される光学活性ヒト型セラミドの機能特性」セラミド研究の新展開 -基礎から応用へ-,204-215.
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  12. H. Farwanah, et al(2005)「Profiling of human stratum corneum ceramides by means of normal phase LC/APCI–MS」Analytical and Bioanalytical Chemistry(383)(4),632-637.
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化粧品配合セラミド一覧

  • 数字 A-Z ア-ンの順番に並べてあります。
  • 知りたいセラミドがある場合は「目的の行(ア行カ行など)」をクリックすると便利です。
  • 化粧品成分名および医薬部外品名のみの一覧ですが、ヒト型セラミドについては旧名称(セラミド + 数字)から改正名称(セラミド + 英字)への移行期であることから、旧名称も合わせて掲載しています。

N-ステアロイルジヒドロスフィンゴシン
N-ステアロイルジヒドロスフィンゴシン
バリア改善
セラミド補強によるバリア改善作用、細胞間脂質における水分保持強化による保湿作用、毛髪強度およびキューティクル改善作用目的で化粧品に配合される成分、N-ステアロイルジヒドロスフィンゴシンの効果や安全性について解説します。
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N-ステアロイルフィトスフィンゴシン
N-ステアロイルフィトスフィンゴシン
バリア改善
セラミド補強によるバリア改善作用目的で化粧品に配合される成分、N-ステアロイルフィトスフィンゴシンの効果や安全性について解説します。
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セラミド2
セラミド2
バリア改善
セラミド補強によるバリア改善作用、細胞間脂質における水分保持強化による保湿作用、毛髪強度およびキューティクル改善作用目的で化粧品に配合される成分、セラミド2の効果や安全性について解説します。
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セラミド3
セラミド3
バリア改善
セラミド補強によるバリア改善作用目的で化粧品に配合される成分、セラミド3の効果や安全性について解説します。
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セラミド5
セラミド5
バリア改善 保湿 毛髪修復
セラミド補強によるバリア改善作用、細胞間脂質における水分保持強化による保湿作用、毛髪強度およびキューティクル改善作用目的で化粧品に配合される成分、セラミド5の効果や安全性について解説します。
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セラミドAG
セラミドAG
バリア改善 保湿 毛髪修復
セラミド補強によるバリア改善作用、細胞間脂質における水分保持強化による保湿作用、毛髪強度およびキューティクル改善作用目的で化粧品に配合される成分、セラミドAGの効果や安全性について解説します。
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セラミドNG
セラミドNG
バリア改善
セラミド補強によるバリア改善作用、細胞間脂質における水分保持強化による保湿作用、毛髪強度およびキューティクル改善作用目的で化粧品に配合される成分、セラミドNGの効果や安全性について解説します。
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セラミドNP
セラミドNP
バリア改善
セラミド補強によるバリア改善作用目的で化粧品に配合される成分、セラミドNPの効果や安全性について解説します。
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ユズ果実エキス
ユズ果実エキス
バリア改善 毛髪修復
バリア改善作用、毛髪強度およびキューティクル改善作用目的で配合される成分、ユズ果実エキスの効果や安全性について解説します。
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ユズセラミド
ユズセラミド
バリア改善 毛髪修復
バリア改善作用、毛髪強度およびキューティクル改善作用目的で配合される成分、ユズセラミドの効果や安全性について解説します。
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