セラミドAG(セラミド5)とは…成分効果と毒性を解説

バリア改善 保湿 毛髪修復
セラミドAG
[化粧品成分表示名称]
・セラミドAG(改正名称)
・セラミド5(旧称)

[慣用名]
・ヒト型セラミド

化学構造的にスフィンゴイド塩基の一種であるジヒドロスフィンゴシン(スフィンガニン)のアミノ基(-NH2にα-ヒドロキシ脂肪酸がアミド結合したヒト皮膚同一型セラミドです(文献1:2015)

皮膚におけるセラミドについては、以下の表皮最外層である角質層の構造をみてもらうとわかりやすいと思いますが、

角質層の構造

角質層は天然保湿因子を含む角質細胞と角質の間を細胞間脂質で満たした、レンガとモルタルの関係と同様の構造となっており、細胞間脂質は主に、

細胞間脂質構成成分 割合(%)
セラミド 50
遊離脂肪酸 20
コレステロール 15
コレステロールエステル 10
糖脂質 5

このような脂質組成で構成されています(文献2:1995)

セラミドは、化学構造的にスフィンゴイド塩基を骨格として脂肪酸をアミド結合したスフィンゴ脂質ですが、ヒト角質層においては以下の表のように、

スフィンゴイド塩基 ノンヒドロキシ脂肪酸
(Non hydroxy FA)
α-ヒドロキシ脂肪酸
(Alpha hydroxy FA)
エステルω-ヒドロキシ脂肪酸
(Ester-linked Omega hydroxy FA)
ジヒドロスフィンゴシン
(Dihydrosphingosine)
セラミドNDS
セラミド10
セラミドADS
セラミド11
セラミドEODS
セラミド12
スフィンゴシン
(sphingosine)
セラミドNS
セラミド2
セラミドAS
セラミド5
セラミドEOS
セラミド1
フィトスフィンゴシン
(Phytosphingosine)
セラミドNP
セラミド3
セラミドAP
セラミド6
セラミドEOP
セラミド9
6-ヒドロキシスフィンゴシン
(6-Hydroxysphingosine)
セラミドNH
セラミド8
セラミドAH
セラミド7
セラミドEOH
セラミド4

4種類のスフィンゴイド塩基の存在と、非ヒドロキシ脂肪酸(∗1)、α-ヒドロキシ脂肪酸、ω-ヒドロキシ脂肪酸といった3種類の脂肪酸の存在が確認されており、これらの結合パターンによって12種類のセラミドタイプに分類されています(∗2)(文献3:2008)

∗1 非ヒドロキシ脂肪酸とは、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸のことであり、セラミドに結合する非ヒドロキシ脂肪酸は飽和脂肪酸または一価不飽和脂肪酸です。一価不飽和脂肪酸とは、二重結合を1つもつ不飽和脂肪酸です。

∗2 「セラミド + 数字」は旧称であり、皮膚科学など学術分野に準拠して改正名称である「セラミド + 英字」と関連付けましたが、化粧品表示名称においては業界事情により異なる部分があるため「セラミドAG」については後述しますが、セラミド全体的な詳細はセラミドの旧称および改正名称一覧と名称理解において誤解しやすい点を参照してください。

これら12種類のセラミドタイプは、角質層ですべて存在が確認されており(文献3:2008;文献4:2011)、またスフィンゴイド塩基に結合する脂肪酸は、炭素数16-24(C16-24)の長鎖脂肪酸に加え、炭素数26以上の超長鎖脂肪酸も多く存在しており、個別分子としては342種が確認されています(文献3:2008)

「セラミドAG」は化粧品表示のみに適用される名称であるため、皮膚におけるセラミドタイプにセラミドAGという名称はありませんが、結論からいうと、

セラミドAG = セラミドADS

を指します。

「セラミドAG」という名称は、米国パーソナルケア製品評議会(Personal Care Products Council:PCPC)が過去の一つの資料をもとに命名した化粧品成分表示名称であり、この名称は皮膚科学分野など学術分野では認知されておらず、現時点では学術名称である「セラミドADS」と化粧品表示名称である「セラミドAG」がダブルスタンダード化した状況になっています(文献5:2019)

この状況をうけて複数のセラミド研究者が化粧品成分表示名称の訂正を嘆願しており、米国パーソナルケア製品評議会もAGの表記根拠に誤りがあったことを認めていることから(文献5:2019;文献6:2019)、今後訂正される可能性が高いと推測されますが、現時点では化粧品表示名称としては「セラミドAG」が登録・使用されています。

また、旧称としての「セラミド5」は現在は改正名称として「セラミドAG」と「セラミドAS」の2種類が存在していますが、この背景としては当時セラミドが7種類しか同定されていない中で「セラミド + 数字」という命名法が用いられており、米国パーソナルケア製品評議会(Personal Care Products Council:PCPC)が公表した化粧品成分の国際名称(INCI名)では、ジヒドロスフィンゴシンもスフィンゴシンと同類とみなしていたことから(文献7:2014)、化学構造的に、

  • セラミドAG:ジヒドロスフィンゴシン + 非ヒドロキシ脂肪酸(Non hydroxy FA)
  • セラミドAS:スフィンゴシン + 非ヒドロキシ脂肪酸(Non hydroxy FA)

スフィンゴシンおよびジヒドロスフィンゴシンを骨格とするこれらはどちらも「セラミド5」に分類されたという経緯があります。

2008年に新たに12種類のセラミドタイプが公開され(文献3:2008)、セラミドの命名法も見直された中で、ジヒドロスフィンゴシンとスフィンゴシンも区別され、現在では化学名称において「セラミドADS:セラミド11」「セラミドAS:セラミド5」と命名されていますが、化粧品成分表示名称においては移行の過渡期であるため、現時点ではセラミドAGも使用されており、その旧称はセラミド5とされています。

細胞間脂質のセラミド組成としては、

セラミドの種類(化学名称) 割合(%)
旧称 改正名称
セラミド1 セラミドEOS 8
セラミド2 セラミドNS 21
セラミド3 セラミドNP 13
セラミド4 セラミドEOH 4
セラミド5 セラミドAS 27
セラミド6 セラミドAP 4
セラミド7 セラミドAH 22

このように報告(∗3)されています(文献8:1994)

∗3 12種類のセラミド組成データがみつからないため、セラミドが7種類のみ同定されていた1994年のセラミド組成を記載しています(7種類以上のセラミド組成データがみつかりしだい追補します)。

これら細胞間脂質は以下の図のように、

細胞間脂質におけるラメラ構造

疎水層と親水層を繰り返すラメラ構造を形成していることが大きな特徴であり、脂質が結合水(∗4)を挟み込むことで水分を保持し、角質細胞間に層状のラメラ液晶構造を形成することでバリア機能を発揮すると考えられており、このバリア機能は、皮膚内の過剰な水分蒸散の抑制および一定の水分保持、外的刺激から皮膚を防御するといった重要な役割を担っています。

∗4 結合水とは、たんぱく質分子や親液コロイド粒子などの成分物質と強く結合している水分であり、純粋な水であれば0℃で凍るところ、角層中の水のうち33%は-40℃まで冷却しても凍らないのは、角層内に存在する水のうち約⅓が結合水であることに由来しています(文献9:1991)。

一方で、皮膚が乾燥寒冷下に長時間曝露されるような外的要因やアトピー性皮膚炎のような内的要因により乾皮症(ドライスキン)が生じた場合は、角質層の機能低下が起こり、その結果として角質層の水分保持能の低下およびバリア機能低下による経表皮水分蒸散量(transepidermal water loss:TEWL)の上昇が知られています(文献10:2004)

アトピー性皮膚炎は多様な病因により生じますが、一部のアトピー性皮膚炎患者の角質層において、セラミド/コレステロール比率の低下(文献11:1998;文献12:2011)やセラミドタイプのうち、EOS(セラミド1)、NP(セラミド3)およびNH(セラミド8)の低下とNS(セラミド2)、AS(セラミド5)、AH(セラミド7)、AP(セラミド6)およびADS(セラミド11)の増加など脂質組成の変化が報告されており(文献11:1998;文献13:1991;文献14:1999)、とくにバリア機能と関連が深いアシルセラミド(∗5)の低下が相対的に大きいことが明らかにされています(文献2:1995;文献14:1999)

∗5 アシルセラミドとは、12種類のセラミドタイプの分類のうちエステルω-ヒドロキシ脂肪酸が結合したセラミドのことをいい、化学構造的に通常のセラミドがスフィンゴイド塩基と脂肪酸の2つの疎水鎖から構成されているのに対して、アシルセラミドは脂肪酸部分にリノール酸を加えた(エステル結合した)3つの疎水鎖構造をもつため、炭素鎖長が28以上の超長鎖脂肪酸を有しているのが特徴です(文献15:2008;文献16:2017)

ただし、これらセラミド量の低下やセラミド組成の変化の原因は、現時点では明らかになっておらず、今後さらなる解明が求められています。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、シャンプー製品、トリートメント製品、アウトバストリートメント製品、洗顔料、メイクアップ化粧品、クレンジング製品、ボディ&ハンドケア製品など様々な製品に使用されています。

セラミド補強によるバリア改善作用

セラミド補強によるバリア改善作用に関しては、2002年に高砂香料工業によって報告されたセラミドAG(セラミド5)塗布によるバリア機能への有用性検証によると、

セラミド5のバリア機能への影響を検証するために、一定量のセラミド2、セラミド5およびセラミド2/5併用系(それぞれ約50mg)をろ紙に均一に塗布し、水分蒸散量から水分蒸散速度を算出し、バリア能を検定したところ、以下のグラフのように、

in vitroにおけるセラミド5のバリア能効果

セラミド5単体塗布は、セラミド2単体よりもバリア能は高くありませんが、セラミド2/セラミド5併用系はそれぞれのセラミド単体塗布と比較して優れたバリア能を示した。

セラミド2/5併用系によるバリア能は、セラミド併用によりラメラ構造が安定化されたことによるものであると考えられた。

次に、乾燥肌を含む18人の被検者に0.5%セラミド配合乳液およびセラミド未配合乳液を1日1回28日にわたって塗布し、毎日経表皮水分蒸散量(transepidermal water loss:TEWL)を測定したところ、以下のグラフのように、

セラミド2/5配合乳液塗布による経表皮水分蒸散量への影響

セラミド2単独およびセラミド2/5併用系ともに適用14日後から有意なバリア維持能が確認され、28日連用後では冬季乾燥期での試験実施であったにもかかわらず、セラミド配合乳液の連用で恒常性を維持できることが確認された。

セラミド単体と併用による有意差は認められなかったものの、しっとり感や肌へのなじみなど使用感において併用系に優れた傾向が認められた。

このような検証結果が明らかにされており(文献17:2002)、セラミドAG(セラミド5)にセラミド補強によるバリア改善作用が認められています。

ただし、細胞間脂質のラメラ液晶構造はセラミド単体では形成されず、セラミドの単体塗布ではバリア機能は回復しないことが報告されており(文献18:1996)、セラミドは同じく細胞間脂質を構成するコレステロール(∗6)と遊離脂肪酸などの両親媒性脂質(∗7)またはラメラ液晶形成能をもつ乳化剤と混合することで形成されるため(文献10:2004)、一般的に製品においてはこれらを併用した処方が用いられています。

∗6 コレステロールの代わりにフィトステロールズ、またはそれらの誘導体などが使用されることもあります。

∗7 両親媒性とは、親水性と親油性の両方を有している性質のことです。

また、セラミドNGとの併用により相乗効果が認められており(文献17:2002)、セラミドAG(セラミド5)はセラミドNG(セラミド2)との併用による処方が汎用されています。

セラミドNGとの併用により相乗効果を示すメカニズムは、セラミドの併用によりラメラ液晶構造の経時安定性が高まることによるものであると考えられています(文献17:2002)

細胞間脂質における水分保持強化による保湿作用

細胞間脂質における水分保持強化による保湿作用に関しては、2002年に高砂香料工業によって報告されたセラミドAG(セラミド5)塗布による角質層に対する保湿性への影響検証によると、

セラミド5の保水性への影響を検証するために、一定量のセラミド2、セラミド5およびセラミド2/5併用系(それぞれ約50mg)をろ紙に均一に塗布し、水分蒸散した後のろ紙重量を計測し、増加率を本質的水分保持能として評価したところ、以下のグラフのように、

in vitroにおけるセラミド5の水分保持能効果

セラミド5単体塗布は、セラミド2単体と同程度の水分保持能を示した。

また、セラミド2/5併用系はそれぞれのセラミド単体塗布と比較して優れた水分保持能を示した。

セラミド2/5併用系による水分保持能は、セラミド併用によりラメラ構造が安定化されたことによるものであると考えられた。

次に、乾燥肌を含む18人の被検者に0.5%セラミド配合乳液およびセラミド未配合乳液を1日1回28日にわたって塗布し、毎日角層コンダクタンス(∗8)を測定したところ、以下のグラフのように、

∗8 コンダクタンスとは、皮膚に電気を流した場合の抵抗(電気伝導度:電流の流れやすさ)を表し、角層水分量が多いと電気が流れやすくなり、コンダクタンス値が高値になることから、角層水分量を調べる方法として角層コンダクタンスを経時的に観測する方法が定着しています。

セラミド2/5配合乳液塗布による角層水分量への影響

セラミド2単独およびセラミド2/5併用系ともに適用7日後から有意な角質水分量の向上が認められ、28日連用後では冬季乾燥期での試験実施であったにもかかわらず、セラミド配合乳液の連用で恒常性を維持できることが確認された。

セラミド単体と併用による有意差は認められなかったものの、しっとり感や肌へのなじみなど使用感において併用系に優れた傾向が認められた。

このような検証結果が明らかにされており(文献17:2002)、セラミドAG(セラミド5)に細胞間脂質における水分保持強化による保湿作用が認められています。

また、セラミドNGとの併用により相乗効果が認められており(文献17:2002)、セラミドAGはセラミドNGとの併用による処方が汎用されています。

毛髪強度およびキューティクル改善作用

毛髪強度およびキューティクル改善作用に関しては、まず前提知識として毛髪の構造とセラミドの関係について解説します。

以下の毛髪の断面図をみてもらうとわかりやすいと思いますが、

毛髪の断面図

セラミドは、CMC(Cell Membrane Complex)と呼ばれる細胞膜複合体の約50%を占める主要構成成分として存在しており、毛髪の最外層であるキューティクル(毛小皮)とコルテックス(毛皮質)の接着に貢献しています(文献10:2004)

また、CMCのセラミド組成は、

セラミドの種類(化学名称) 割合(%)
旧称 改正名称
セラミド2 セラミドNDS 68 88
セラミドNS 11
セラミド5 セラミドADS(∗9) 10 12
セラミドAS 2

∗9 化学名称の「セラミドADS」が化粧品成分表示名称の「セラミドAG」です。

このように4種類の存在が確認されており(文献19:1995;文献20:2011)、個別では少なくとも73種のセラミド分子が同定されたことが報告されています(文献20:2011)

2002年に高砂香料工業によって報告されたセラミドAG(セラミド5)塗布によるダメージ毛髪への影響検証によると、

ダメージ処理したヒト毛髪に対する0.5%セラミド配合ヘアトリートメントのキューティクル改善効果を、セラミド2単独とセラミド2/5(1:1)併用系およびセラミド未配合トリートメントで15分間処理後水洗乾燥し、毛髪表面の摩擦係数を測定したところ、以下のグラフのように、

セラミド2/5併用系によるダメージ毛髪のキューティクル改善効果

ダメージ毛髪の摩擦係数は、セラミド配合トリートメント処理により回復し、そのキューティクル改善効果はセラミド2単独よりセラミド2/5併用系のほうが高い結果を示した。

次に、ブリーチ処理したヒト毛髪に対する0.5%セラミド配合ヘアトリートメントの引っ張り破断強度改善効果を、セラミド2単独とセラミド2/5<併用系およびセラミド未配合トリートメントで処理後水洗乾燥し、ダメージ毛髪の引っ張り強度を測定したところ、以下のグラフのように、

セラミド2/5併用系によるダメージ毛髪の引っ張り強度改善効果

ダメージ毛髪の摩擦係数は、セラミド配合トリートメント処理により回復し、そのキューティクル改善効果はセラミド2単独よりセラミド2/5併用系のほうが有意に高い結果を示した。

このような検証結果が明らかにされており(文献17:2002)、セラミドAG(セラミド5)に毛髪引っ張り強度およびキューティクル改善作用が認められています。

また、セラミドNGとの併用により相乗効果が認められており(文献17:2002)、一般的にセラミドAGはセラミドNGと併用した処方が汎用されています。

複合セラミド原料としてのセラミドAG(セラミド5)

セラミドAGは、他のセラミドやセラミド関連物質とあらかじめ混合された複合原料があり、セラミドAG(セラミド5)と以下の成分が併用されている場合は、複合セラミド原料として配合されている可能性が考えられます(∗10)

∗10 改正名称で記載していますが、実際の製品においては旧称で表示されている可能性が考えられるため、改正名称の後に化粧品成分表示名称に準拠した旧称も記載しておきます。また化学名称における「セラミドEOP:セラミド9」は化粧品成分表示名称において「セラミドEOP:セラミド1」、「セラミドNDS:セラミド10」は「セラミドNG:セラミド2」と表示されます。

原料名 Composite-C4
構成成分 水添レシチンコレステロールセラミドNG(セラミド2)セラミドNP(セラミド3)セラミドAG(セラミド5)、セラミドAP(セラミド6Ⅱ)
特徴・主な用途 皮膚細胞間脂質成分のみで構成された、どんな油剤も乳化可能な乳化剤
原料名 Phytocompo-C5
構成成分 水添レシチンフィトステロールズセラミドNG(セラミド2)セラミドNP(セラミド3)セラミドAG(セラミド5)、セラミドAP(セラミド6Ⅱ)
特徴・主な用途 皮膚細胞間脂質成分のみで構成された、どんな油剤も乳化可能な乳化剤
原料名 NanoRepair-CMC5
構成成分 コレステロール、クオタニウム-33、セラミドEOP(セラミド1)セラミドNG(セラミド2)セラミドNP(セラミド3)セラミドAG(セラミド5)、セラミドAP(セラミド6Ⅱ)
特徴・主な用途 アンテイソ脂肪酸および5種のセラミドを含む毛髪構成脂質を用いた毛髪補修ナノカプセル
原料名 Phytopresome Cera-V
構成成分 水添レシチンフィトステロールズ、セラミドEOP(セラミド1)セラミドNG(セラミド2)セラミドNP(セラミド3)セラミドAG(セラミド5)、セラミドAP(セラミド6Ⅱ)
特徴・主な用途 皮膚へ保湿効果およびバリア機能向上効果を与える、5種のセラミドを含むリポソーム液

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セラミドAGの安全性(刺激性・アレルギー)について

セラミドAGの現時点での安全性は、

  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2015)によると、

  • [ヒト試験] 43人の被検者に3%および5%セラミドAGを含むラノリンを24時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去2および24時間後に試験部位の皮膚刺激性を評価したところ、この試験物質は皮膚刺激を示さなかった(Takasago International Corporation,1996)
  • [動物試験] 5匹のモルモット健常皮膚に2%および5%セラミドAGを含む白色ワセリンを24時間開放パッチ適用し、パッチ除去24および48時間後に試験部位の皮膚刺激性を評価したところ、この試験物質は皮膚刺激を示さなかった(Takasago International Corporation,1999)
  • [動物試験] 5匹のモルモットに5%セラミドAGを含む白色ワセリンを対象にMaximization皮膚感作性試験を実施したところ、この試験物質は皮膚感作剤ではなかった(Takasago International Corporation,1999)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

∗∗∗

セラミドAGはバリア改善成分、保湿成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:バリア改善成分 保湿成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2015)「Safety Assessment of Ceramides as Used in Cosmetics」Final Report.
  2. 芋川 玄爾(1995)「皮膚角質細胞間脂質の構造と機能」油化学(44)(10),751-766.
  3. Y. Masukawa, et al(2008)「Characterization of overall ceramide species in human stratum corneum」Journal of Lipid Research(49)(7),1466-1476.
  4. JV. Smeden, et al(2011)「LC/MS analysis of stratum corneum lipids: ceramide profiling and discovery」Journal of Lipid Research(61)(7),1211-1221.
  5. 石田 賢哉(2019)「化粧品に使用される光学活性ヒト型セラミドの機能特性」セラミド研究の新展開 -基礎から応用へ-,204-215.
  6. 内田 良一(2019)「皮膚のセラミド関連脂質」セラミド研究の新展開 -基礎から応用へ-,64-72.
  7. 石田 賢哉(2014)「光学活性セラミドの開発と機能特性」表面科学(35)(1),23-29.
  8. KJ Robson, et al(1994)「6-Hydroxy-4-sphingenine in human epidermal ceramides」Journal of Lipid Research(35)(11),2060-2068.
  9. G Imokawa, et al(1991)「Stratum corneum lipids serve as a bound-water modulator」Journal of Investigate Dermatology(96)(6),845-851.
  10. 石田 賢哉(2004)「光学活性セラミドの開発と機能」オレオサイエンス(4)(3),105-116.
  11. Di Nardo, et al(1998)「Ceramide and cholesterol composition of the skin of patients with atopic dermatitis」Acta Dermato-Venereologica(78),27-30.
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  14. O. Bleck, et al(1999)「Two Ceramide Subfractions Detectable in Cer(AS) Position by HPTLC in Skin Surface Lipids of Non-Lesional Skin of Atopic Eczema」Journal of Investigative Dermatology(113)(6),894-900.
  15. Y. Uchida, et al(2008)「Omega-O-acylceramide, a lipid essential for mammalian survival」Journal of Dermatological Science(51)(2),77-87.
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  17. 石田 賢哉, 他(2002)「新規光学活性セラミド5の開発と応用」Fragrance Journal(30)(6),60-67.
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