アルムKの基本情報・配合目的・安全性

アルムK

化粧品表示名 アルムK
医薬部外品表示名 硫酸アルミニウムカリウム、乾燥硫酸アルミニウムカリウム、ミョウバン、焼ミョウバン
部外品表示簡略名 硫酸Al・K、乾燥硫酸Al・K
慣用名 カリミョウバン、カリウムミョウバン
INCI名 Potassium Alum
配合目的 収れん

1. 基本情報

1.1. 定義

以下の化学式で表される硫酸(H2SO4のアルミニウム塩とカリウム塩からなる無機塩です[1]

アルムK

化粧品成分表示名「アルムK」は、無水物と水和物の区別がありませんが、医薬部外品表示名および慣用名はそれぞれ以下のように分けられます。

種類 医薬部外品表示名 慣用名
水和物 硫酸アルミニウムカリウム カリウムミョウバン
カリミョウバン
無水物 乾燥硫酸アルミニウムカリウム 焼ミョウバン

ミョウバン(英名:Alum)とは、化学構造的に一価イオン(カリウム、アンモニウム、ナトリウムなど)の硫酸塩と三価イオン(アルミニウム、クロム、鉄)の硫酸塩とが化合した複塩の総称であり、アルムK(硫酸アルミニウムカリウム)は一価イオンの一種であるカリウムの硫酸塩と三価イオンの一種であるアルミニウムの硫酸塩が化合した複塩です。

一般に単に「ミョウバン」といえば、硫酸カリウムアルミニウム十二水和物(医薬部外品表示名:硫酸アルミニウムカリウム)を指しますが、他のミョウバンと混同を避ける意図を含む場合は「カリミョウバン」「カリウムミョウバン」とよびます。

1.2. 物性・性状

アルムKの物性・性状は、

状態 水和物 結晶
無水物 塊または粉体
溶解性 水に可溶、エタノールに難溶

このように報告されています[2][3a]

1.3. 化粧品以外の主な用途

アルムKの化粧品以外の主な用途としては、

分野 用途
食品 青色色素のナスニンと錯塩をつくるので、なすの漬物の色の安定化として製造過程で用いられるほか、歯切れをよくする目的でくりきんとんやきんぴらごぼうなどに用いられています[3b]
医薬品 安定・安定化、pH調整目的の医薬品添加剤として筋肉注射、皮下注射、外用剤に用いられます[4]

これらの用途が報告されています。

2. 化粧品としての配合目的

化粧品およびに配合される場合は、

  • 収れん作用

主にこれらの目的で、メイクアップ製品、化粧下地製品、スキンケア製品、制汗剤、ボディ石鹸、ボディソープ製品、入浴剤などに使用されています。

以下は、化粧品として配合される目的に対する根拠です。

2.1. 収れん作用

収れん作用に関しては、アルムKは金属塩の一種であり、皮膚のタンパク質を凝固・収縮させることによる強力な収れん作用を有していることから、皮脂腺や汗腺の開口部を収縮させて皮脂や発汗を抑制し、メイクアップ製品による化粧崩れを抑える目的や肌をひきしめる目的で、メイクアップ製品、化粧下地製品、化粧水、ボディケア製品、入浴剤などに使用されています[5][6][7]

3. 配合量範囲

硫酸アルミニウムカリウムは配合上限がありませんが、乾燥硫酸アルミニウムカリウムは医薬部外品(薬用化粧品)への配合において配合上限があり、配合範囲は以下になります。

種類 配合量
薬用石けん・シャンプー・リンス等、除毛剤 上限なし
育毛剤 上限なし
その他の薬用化粧品、腋臭防止剤、忌避剤 上限なし
薬用口唇類 0.10
薬用歯みがき類 0.10
浴用剤 上限なし
染毛剤 上限なし
パーマネント・ウェーブ用剤 上限なし

4. 安全性評価

アルムKの現時点での安全性は、

  • 食品添加物の指定添加物リストに収載
  • 医療上汎用性があり有効性および安全性の基準を満たした成分が収載される日本薬局方に収載
  • 外原規2021規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2021に収載
  • 20年以上の使用実績(旧表示名「硫酸(Al/K)」含む)
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

4.1. 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)

食品添加物の指定添加物リスト、日本薬局方および医薬部外品原料規格2021に収載されており、20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般に皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

4.2. 眼刺激性

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細不明です。

5. 参考文献

  1. 日本化粧品工業連合会(2013)「アルムK」日本化粧品成分表示名称事典 第3版,165.
  2. 大木 道則, 他(1989)「硫酸カリウムアルミニウム」化学大辞典,2491.
  3. ab樋口 彰, 他(2019)「硫酸アルミニウムカリウム」食品添加物事典 新訂第二版,382-383.
  4. 日本医薬品添加剤協会(2021)「硫酸アルミニウムカリウム水和物」医薬品添加物事典2021,715.
  5. 鈴木 一成(2012)「硫酸アルミニウムカリウム」化粧品成分用語事典2012,426.
  6. 田村 健夫・廣田 博(2001)「皮膚収れん剤」香粧品科学 理論と実際 第4版,246-248.
  7. 西山 聖二・熊野 可丸(1989)「基礎化粧品と皮膚(Ⅱ)」色材協会誌(62)(8),487-496. DOI:10.4011/shikizai1937.62.487.

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