ゲンノショウコ花/葉/茎エキスとは…成分効果と毒性を解説

収れん 制汗
ゲンノショウコ花/葉/茎エキス
[化粧品成分表示名称]
・ゲンノショウコ花/葉/茎エキス

[医薬部外品表示名称]
・ゲンノショウコエキス

フウロソウ科植物ゲンノショウコ(学名:Geranium thunbergii)の花、葉および茎からエタノールBG、またはこれらの混液で抽出して得られる抽出物植物エキスです。

ゲンノショウコ(現証拠)は台湾、朝鮮半島、中国に分布し、日本においても全国各地に自生しています(文献1:2011)

ゲンノショウコ花/葉/茎エキスは天然成分であることから、地域、時期、抽出方法によって成分組成に差異があると推察されますが、その成分組成は主に、

分類 成分名称
タンニン 加水分解型タンニン ゲラニイン、没食子酸
フラボノイド フラボノール ケルセチン、ケンペロール

これらの成分で構成されていることが報告されています(文献1:2011;文献2:2013)

ゲンノショウコの地上部(生薬名:現証拠)の化粧品以外の主な用途としては、日本の代表的な民間薬のひとつであり、健胃・整腸・止瀉作用があることから民間薬分野において煎じたものは止瀉薬として下痢止めに、短く煎じたものは緩下薬として便秘薬に応用されています(文献1:2011;文献2:2013)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的でスキンケア化粧品、ボディケア製品、メイクアップ化粧品、化粧下地製品、シート&マスク製品、洗顔料、クレンジング製品などに使用されています。

収れん作用

収れん作用に関しては、ゲンノショウコ花/葉/茎エキスは加水分解性タンニンの一種であるゲラニインをはじめ複数のタンニンを含有しており(文献1:2011;文献2:2013)、これらのタンニンが皮膚のタンパク質を収縮させることによる収れん作用を有しているため、肌の引き締めや化粧崩れ防止目的でスキンケア化粧品、ボディケア製品、洗顔料、メイクアップ化粧品、化粧下地などに用いられています。

1981年にポーラ化成工業によって報告されたゲンノショウコ花/葉/茎エキスのヒト皮膚および化粧崩れに対する影響検証によると、

60人の女性被検者のうち20人に0.5%ゲンノショウコ花/葉/茎エキス配合化粧水を、残りの40人に対照としてゲンノショウコ花/葉/茎エキス未配合化粧水をそれぞれ10日間メイクアップ化粧品と併用して使用してもらい、使用終了後に皮膚収れん性および化粧くずれ防止性を評価してもらったところ、以下の表のように、

試料 被検者数 収れん効果 化粧崩れ防止効果
あり なし あり なし
ゲンノショウコ花/葉/茎エキス配合化粧水 20 15 5 17 3
化粧水のみ(対照) 40 7 33 12 28

0.5%ゲンノショウコ花/葉/茎エキス配合化粧水塗布グループは、優れた収れん性および化粧くずれ防止効果を示した。

このような試験結果が明らかにされており(文献3:1981)、ゲンノショウコ花/葉/茎エキスに収れん作用が認められています。

制汗作用

制汗作用に関しては、1981年にポーラ化成工業によって報告されたゲンノショウコ花/葉/茎エキスのヒト皮膚発汗に対する影響検証によると、

4人の男性被検者の背部3箇所にゲンノショウコ花/葉/茎エキス、代表的な制汗剤であるクロルヒドロキシAl、古くから収れん剤として汎用されている植物エキスであるハマメリス葉エキスをそれぞれ1%濃度水溶液で浸漬したガーゼを30分間接触させ、別の1箇所には対照として水を用いて同様に処理した。

30分後にすべてのガーゼを除去し30分間風乾させたあと、ガーゼ接触箇所に吸収パッドを固定し、被検者に約45分間発汗してもらい、各吸収パッドの重量を測定し、制汗率を算出したところ、以下の表のように、

試料 制汗率(%)
ゲンノショウコ花/葉/茎エキス 14.1
クロルヒドロキシAl 32.6
ハマメリス葉エキス 6.9

ゲンノショウコ花/葉/茎エキスは、代表的な制汗剤であるクロルヒドロキシAlの制汗効果には劣るものの、古くから収れん剤として汎用されているハマメリス葉エキスより優れた制汗効果を示した。

このような試験結果が明らかにされており(文献3:1981)、ゲンノショウコ花/葉/茎エキスに制汗作用が認められています。

ゲンノショウコ花/葉/茎エキスの安全性(刺激性・アレルギー)について

ゲンノショウコ花/葉/茎エキスの現時点での安全性は、

  • 医療上汎用性があり有効性および安全性の基準を満たした成分が収載される日本薬局方に収載
  • 外原規2021規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2021に収載
  • 20年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし-わずか
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性について

ポーラ化成工業の安全性試験データ(文献3:1981)によると、

  • [ヒト試験] 51人の男性被検者に0.1%ゲンノショウコ花/葉/茎エキス水溶液0.05mLを48時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去直後および24時間後に皮膚反応を評価したところ、いずれの被検者も皮膚刺激を示さなかった
  • [ヒト試験] 51人の男性被検者に1%ゲンノショウコ花/葉/茎エキス水溶液0.05mLを48時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去直後および24時間後に皮膚反応を評価したところ、除去直後に4人、除去24時間後に2人にわずかな紅斑が観察されたが、それ以外はいずれの被検者も皮膚刺激を示さなかった

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚刺激は非刺激-わずかな刺激が報告されているため、一般に皮膚刺激性は非刺激-わずかな刺激を引き起こす可能性があると考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

皮膚感作性(アレルギー性)について

医薬部外品原料規格2021に収載されており、20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

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ゲンノショウコ花/葉/茎エキスは収れん成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:収れん成分

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参考文献:

  1. 鈴木 洋(2011)「現之証拠(げんのしょうこ)」カラー版 漢方のくすりの事典 第2版,132-133.
  2. 御影 雅幸(2013)「ゲンノショウコ」伝統医薬学・生薬学,171.
  3. ポーラ化成工業株式会社(1981)「皮膚化粧料」特開昭56-077215.

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