ポリクオタニウム-22とは…成分効果と毒性を解説

帯電防止 均染
ポリクオタニウム-22
[化粧品成分表示名称]
・ポリクオタニウム-22

[医薬部外品表示名称]
・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体液

化学構造的に第四級アンモニウム塩型に分類される陽イオン界面活性剤の一種であるジアリルジメチルアンモニウムクロリドとアクリル酸(∗1)を重合して得られる共重合体(∗2)であり、水溶性のカチオン性高分子(∗3)です。

∗1 アクリル酸(化学式:CH₂=CHOOH)とは、最も簡単な不飽和カルボン酸であり、アクリル酸は適当な重合開始剤または酵素などの作用により容易に重合し、ポリアクリル酸となります。この重合体はカルボキシ基を多数もつことから非常に親水性が高くなります。

∗2 重合体とは、複数の単量体(モノマー:monomer)が繰り返し結合し、鎖状や網状にまとまって機能する多量体(ポリマー:polymer)であり、2種類の単量体を用いて生成された重合体は共重合体(コポリマー:copolymer)と呼びます。

∗3 カチオン性高分子とは、陽イオン界面活性能(カチオン性)を有した高分子化合物のことです。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、カラーシャンプー、カラーコンディショナー、ヘアカラー剤などに使用されています。

帯電防止

帯電防止に関しては、まず前提知識として帯電防止について解説します。

水道水やシャンプーは一般的に弱酸性(pH5-6)であることから、ぬれた毛髪の表面はマイナスに帯電しており、一方で陽イオン界面活性剤は以下の図のように、

陽イオン界面活性剤の構造図

親水基部分がプラスの荷電をもっている構造であることから、親水基部分がマイナスに帯電した毛髪表面に静電的に吸着します。

そして、疎水基(親油基)部分は外側を向くため、毛髪表面が親油基で覆われることでなめらかになり、その結果として静電気の発生をおさえ(帯電防止)、すすぎや乾燥後の摩擦を低減し、毛髪のくし通りがよくなります(文献2:1990;文献3:2010)

ポリクオタニウム-22は、陽イオン界面活性能をもつカチオン性高分子であるため、洗髪後のブラッシングまたは櫛の使用によって生じる静電気の発生の抑制、毛髪の柔軟化およびすべりやすさの改善目的でカラーシャンプー、カラーコンディショナー、ヘアカラー剤などに配合されます(文献4:-;文献5:2017)

均染

均染に関しては、まず前提知識として均染(きんせん)について解説します。

均染とは、色ムラをなくし表面を均質に染め上げることをいいます。

ポリクオタニウム-22は、均染効果が知られており、毛髪を均質に染め上げる効果および染毛によるダメージの保護目的で、カラーシャンプー、カラーコンディショナー、ヘアカラー剤などに汎用されています(文献4:-)

実際の配合製品数および配合量に関しては、海外の2011年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

ポリクオタニウム-22の配合製品数と配合量の比較調査結果(2011年)

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ポリクオタニウム-22の安全性(刺激性・アレルギー)について

ポリクオタニウム-22の現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:ほとんどなし-わずか
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2016)によると、

  • [ヒト試験] 30人の被検者に0.016%ポリクオタニウム-22(pH9.5-10)を含む酸化染料溶液を対象に24時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去24,48および72時間後に皮膚刺激性を評価したところ、この試験物質は実質的に皮膚刺激を誘発しなかった(Personal Care Products Council,2010)
  • [動物試験] 30人の被検者に0.016%ポリクオタニウム-22(pH9.5-10)を含む酸化染料溶液を対象に24時間閉塞パッチを3日間にわたって適用したところ、この試験物質は実質的に皮膚刺激を誘発しないと結論付けられた(Personal Care Products Council,2010)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚刺激および皮膚感作性なしと報告されていることから、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データ(文献1:2016)によると、

  • [動物試験] 6匹のウサギの眼にポリクオタニウム-22を点眼し、眼はすすがず、点眼後に眼刺激性を評価したところ、いずれのウサギの眼も刺激反応はなく、試験期間を通じて正常であり、この試験物質はウサギの眼に対して非刺激剤に分類された(MB Research laboratories Inc,1985)
  • [in vitro試験] 鶏卵の漿尿膜を用いて0.016&ポリクオタニウム-22(pH9.5-10)を含む酸化染料溶液を含む保湿剤を処理したところ(HET-CAM法)、わずかな刺激性が予測された(Personal Care Products Council,2010)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、非刺激-わずかな眼刺激が報告されているため、眼刺激性は非刺激-わずかな眼刺激を引き起こす可能性があると考えられます。

皮膚感作性(アレルギー性)について

医薬部外品原料規格2006に収載されており、20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

∗∗∗

ポリクオタニウム-22は帯電防止剤にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:帯電防止剤

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文献一覧:

  1. Cosmetic Ingredient Review(2016)「Safety Assessment of Polyquaternium-22 and Polyquarternium-39 as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology(35)(3_Suppl),47S-53S.
  2. 田村 健夫, 他(1990)「ヘアリンスの主剤とその作用」香粧品科学 理論と実際 第4版,456-460.
  3. 鐵 真希男(2010)「コンディショナーの配合成分と製剤」化学と教育(58)(11),536-537.
  4. Lubrizol(-)「Merquat 295 Polymer」Technical Data Sheet.
  5. センカ株式会社(2017)「コスモートV-22シリーズ」技術資料.

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