ルイボスエキスとは…成分効果と毒性を解説

抗酸化
ルイボスエキス
[化粧品成分表示名称]
・ルイボスエキス

[医薬部外品表示名称]
・アスパラサスリネアリスエキス

マメ科植物ルイボス(学名:Aspalathus linearis 英名:Rooibos)の全草からエタノールBG、またはこれらの混液で抽出して得られる抽出物植物エキスです。

ルイボス(Rooibos)は、南アフリカ共和国の最南端に位置するセダルバーグ山脈一帯の高地に自生し、南アフリカの原住民の間で古くから日常的に飲用されてきた歴史があり、その後18世紀後半に欧米に紹介されたことから急速に広がり、1984年には日本にも輸入されるようになり、健康茶として広く知られています(文献1:2011;文献2:2016)

ルイボスエキスは天然成分であることから、地域、時期、抽出方法によって成分組成に差異があると推察されますが、その成分組成は主に、

分類 成分名称
タンニン 詳細不明
フラボノイド カルコン アスパラチン
フラボノール ルチン
フラボン オリエンチン、ルテオリン

これらの成分で構成されていることが報告されています(文献1:2011;文献2:2016;文献3:2002)

ルイボス葉の化粧品以外の主な用途としては、飲料分野において抗酸化作用が高いことが知られており、ルイボス茶(ルイボスティー)として飲用されています(文献1:2011;文献2:2016)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品、化粧下地製品、シート&マスク製品、洗顔料、クレンジング製品、シャンプー製品、トリートメント製品、アウトバストリートメント製品などに使用されています。

SOD様活性による抗酸化作用

SOD様活性による抗酸化作用に関しては、まず前提知識として皮膚における活性酸素種、活性酸素種の酸化還元反応およびSODの役割について解説します。

活性酸素種(ROS:Reactive Oxygen Species)とは、酸素(O₂)が他の物質と反応しやすい状態に変化した反応性の高い酸素種の総称であり(文献4:2002;文献5:2019)、酸素から産生される活性酸素種の発生メカニズムは、以下のように、

酸素から産生される活性酸素発生メカニズム

酸化力を有する酸素(O₂)が、比較的容易に電子を受けてスーパーオキシド(superoxide:O₂⁻)を生成し、さらに酸化が進むと過酸化水素(H₂O₂)、ヒドロキシルラジカル(HO)を経て、最終的に水(H₂O)になるというものです(文献6:2019)

この一連の反応を酸化還元反応と呼んでおり、正常な酸化還元反応において発生したスーパーオキシド(superoxide:O₂⁻)は少量であり、通常は抗酸化酵素の一種であるスーパーオキシドジスムターゼ(superoxide dismutase:SOD)により速やかに分解・消去されます(文献6:2019)

一方で、紫外線の曝露など(∗1)によりスーパーオキシド(superoxide:O₂⁻)を含む活性酸素種の過剰な産生が知られており(文献7:1998)、過剰に産生されたスーパーオキシドはスーパーオキシドジスムターゼ(superoxide dismutase:SOD)による分解・消去が追いつかず、紫外線の曝露時間やスーパーオキシドの発生量によってはヒドロキシルラジカル(HO・)まで変化することが知られています。

∗1 皮膚において活性酸素種が発生する最大の要因は紫外線ですが、他にも排気ガスなどの環境汚染物質、タバコの副流煙などの有害化学物質なども外的要因となります。

発生したヒドロキシルラジカル(HO)は、酸化ストレス障害として過酸化脂質の発生、コラーゲン分解酵素であるMMP(Matrix metalloproteinase:マトリックスメタロプロテアーゼ)の発現増加によるコラーゲン減少、DNA障害や細胞死などを引き起こし、中長期的にこれらの酸化ストレス障害を繰り返すことで光老化を促進します(文献6:2019;文献8:1996;文献9:2013)

このような背景から、紫外線の曝露時および曝露後にスーパーオキシドジスムターゼ(superoxide dismutase:SOD)の活性を増強することは、皮膚の酸化ストレス障害を抑制し、ひいては光老化、炎症および色素沈着などの抑制において非常に重要なアプローチのひとつであると考えられます。

1994年に三省製薬によって報告されたルイボスエキスのスーパーオキシドおよびヒト皮膚に対する影響検証によると、

in vitro試験において0.05Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.8)2.4mLに3mMキサンチン、3mMエデト酸2ナトリウム、0.15%牛血清アルブミン、0.75mMニトロブルテトラゾリウムを0.1mL加え、これに適用な濃度に希釈したルイボスエキス溶液0.1mLを加えて10分放置後に約0.1U/mLキサンチンオキシダーゼ0.1mLを加えた。

10分後にルイボスエキス無添加におけるスーパーオキシド活性率を100%として、これを50%阻害する希釈倍率を求めるために、ルイボスエキス添加系のSOD活性(1U/mL)を算出したところ、スーパーオキシド50%阻害するSOD活性は120U/mLであった。

このSOD活性値を基準に各抽出法による10%ルイボスエキス配合化粧水のSOD活性を測定したところ、以下の表のように、

ルイボスエキスのSOD活性作用

ルイボスエキスは、スーパーオキシド消去作用を示すことが確認された。

次に、乾燥肌を有する50人の女性被検者のうち25人に10%ルイボスエキス(50%エタノール抽出)配合化粧水を、別の25人に対照として未配合化粧水を、それぞれ顔面に1日2回(朝晩)1ヶ月間にわたって洗顔後の顔面に使用してもらった。

1ヶ月後に肌のシワ、肌荒れ改善について「著効」「有効」「やや有効」「無効」の4段階で評価したところ、以下の表のように、

試料 被検者数 肌のシワ、肌荒れに対する評価(人数)
著効 有効 やや有効 無効
ルイボスエキス配合化粧水 25 2 10 5 8
化粧水のみ(対照) 25 0 0 5 20

10%ルイボスエキス配合化粧水の塗布は、未配合化粧水と比較して肌のシワや肌荒れの改善効果が確認された。

このような試験結果が明らかにされており(文献10:1994)、ルイボスエキスにSOD様活性による抗酸化作用が認められています。

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ルイボスエキスの安全性(刺激性・アレルギー)について

ルイボスエキスの現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし(データなし)
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

医薬部外品原料規格2006に収載されており、10年以上の使用実績がある中で重大な皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

∗∗∗

ルイボスエキスは抗酸化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:抗酸化成分

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文献一覧:

  1. 鈴木 洋(2011)「ルイボス」カラー版健康食品・サプリメントの事典,199.
  2. 林 真一郎(2016)「ルイボス」メディカルハーブの事典 改定新版,190-191.
  3. L. Bramati, et al(2002)「Quantitative Characterization of Flavonoid Compounds in Rooibos Tea (Aspalathus linearis) by LC−UV/DAD」Journal of Agricultural and Food Chemistry(50)(20),5513–5519.
  4. 朝田 康夫(2002)「活性酸素とは何か」美容皮膚科学事典,153-154.
  5. 河野 雅弘, 他(2019)「活性酸素種とは」抗酸化の科学,XⅢ-XⅣ.
  6. 小澤 俊彦(2019)「活性酸素種および活性窒素種の発生系」抗酸化の科学,123-138.
  7. 荒金 久美(1998)「光と皮膚」ファルマシア(34)(1),30-33.
  8. 花田 勝美(1996)「活性酸素・フリーラジカルは皮膚でどのようにつくられるか」皮膚の老化と活性酸素・フリーラジカル,15-35.
  9. 小林 枝里, 他(2013)「表皮の酸化ストレスとその防御機構」Fragrance Journal(41)(2),16-21.
  10. 三省製薬株式会社(1994)「化粧料」特開平06-128121.

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