フラーレンとは…成分効果と毒性を解説

抗酸化成分 バリア改善 毛穴改善 効果促進成分 育毛 毛髪保護
フラーレン
[化粧品成分表示名称]
・フラーレン

60個の炭素原子のみで構成される閉殻空洞状の炭素の同素体であり、化学構造的に12個の五員環と20個の六員環で構成されたイコソヘドロン(正二十面体)構造をもつ、分子量720.66のクラスター(∗1)です。

∗1 クラスターは、一般的には集合体や塊を指しますが、物質科学においては同種の原子あるいは分子が相互作用によって数個-数十個、もしくはそれ以上の数が結合した物体を指します。

フラーレン(C₆₀)は、1985年にイギリスのサセックス大学に所属するH. Kroto、アメリカのライス大学ライス量子研究所に所属するR. SmalleyおよびR. Curlらによって発見され(文献2:1985)(∗2)、また1992年にはロシアのカレリア共和国に存在する炭素鉱物であるシュンガ石(Shungite)の褐色部分に含まれていることが報告されたことから(文献3:1992)、微量ながら自然界にも存在していることが明らかになっています。

∗2 この研究の功績によってH. Kroto, R. SmalleyおよびR. Curlは1996年にノーベル化学賞を受賞しています。

また、2010年にはカナダのウェスタンオンタリオ大学の物理学科および天文学科を中心としたJ. Camiらによって宇宙の惑星状星雲にもフラーレン(C₆₀)が存在することが明らかにされています(文献4:2010)

「C₆₀」というのは、炭素(C)を60個もつという意味であり、最初に発見されたフラーレンが以下の図のように、

フラーレン(C₆₀)の球棒モデル

C₆₀のみで構成されるイコソヘドロン(正二十面体)構造であることから、C₆₀はフラーレン類で最も基本的な構造をしたフラーレンとして知られており、また地球上で最も安定した高い耐久性を有する化合物といわれており、化粧品に使用されているのはC₆₀のフラーレンです。

フラーレンは高い抗酸化力(活性酸素消去能)を有していることが知られていますが、一般的に活性酸素消去剤として知られているアスコルビン酸(ビタミンC)トコフェロール(ビタミンE)、ポリフェノール類とフラーレンの大きな違いは、抗酸化メカニズムと光安定性です。

一般的な抗酸化物質であるアスコルビン酸の抗酸化メカニズムは、水素をもっていることによって起こる酸化還元反応であるのに対し、フラーレンは水素をもっておらず、電子によって酸化還元反応をを起こします。

光安定性については、一般的な抗酸化物質は、光に対して安定性が低く、光照射によって容易に酸化・分解し、光照射後は活性酸素消去能が失われるのに対し、フラーレンは光安定性に優れ、光照射後でも安定した活性酸素消去能を維持することから(文献5:2006)、優れた活性酸素消去能を有し、なおかつ光・熱など安定性にも優れているのが最大の特徴です。

ただし、フラーレンは疎水性および凝集性を有していることから、直接化粧品に配合することは非常に難しく、また活性酸素消去活性によって様々な効果を発揮するものの、化粧品においてはそのまま配合すると自身の強い酸化力によって製品中で還元性を発揮し、急速に酸化され、その結果として抗酸化力を失ってしまうことから、誘導体化、包接化、リポソーム化など安定化した上で配合されます(文献6:2004)

2019年7月時点では、安定化処方によって以下の表のように、

製品の種類 併用成分一覧
メイクアップ フラーレン、シリカ
日焼け止め、メイクアップ フラーレン、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
ヘアケア フラーレン、γ-ドコサラクトン、ノニオン界面活性剤、多価アルコール、(ミネラルオイル(∗3)
スキンケア フラーレン、水添レシチンフィトステロールズBG
スキンケア、ヘアケア、メイクアップ、日焼け止め フラーレン、PVPBG
スキンケア化粧品 フラーレン、スクワラン

∗3 ミネラルオイルは製品によって併用される場合とされない場合があります。

製品の種類によってこれらの成分が成分表示一覧に一緒に記載されます。

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、日焼け止め製品、メイクアップ化粧品、ヘアケア製品、ボディケア製品などに使用されています。

スーパーオキシド消去および過酸化水素発生抑制による抗酸化作用

スーパーオキシド消去および過酸化水素発生抑制による抗酸化作用に関しては、まず前提知識として生体内における活性酸素の構造について解説します。

生体内における活性酸素は以下のように、

酸素(O₂) → スーパーオキシド(O₂⁻) → 過酸化水素(H₂O₂) → ヒドロキシラジカル(・OH)

最初に酸素と反応(電子を取り込む)して、まず活性酸素のスーパーオキシドを発生させ、発生したスーパーオキシドは活性酸素分解酵素であるSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)によって水に分解されますが、その過程で活性酸素である過酸化水素が発生します。

発生した過酸化水素は、過酸化水素分解酵素であるカタラーゼによって、また抗酸化物質であるグルタチオンを用いてグルタチオンペルオキシターゼによって水に分解されますが、それでも処理できない場合はヒドロキシラジカルを発生させます。

生体にはヒドロキシラジカルを分解する酵素がないため、ヒドロキシラジカルを発生させる前段階で活性酸素を分解するのが重要であると考えられます。

2003年に広島県立大学、三菱商事事業開発部およびITOプロビタミンリサーチによって報告されたフラーレンの抗酸化能検証によると、PVPで包接したフラーレン(200μM)にアスコルビン酸(100μM)と同等のスーパーオキシド消去能が明らかにされており(文献7:2003;文献8:2004)、PVP包接フラーレンにスーパーオキシド消去能による抗酸化作用が認められています。

また、同じく2003年に広島県立大学、三菱商事事業開発部およびITOプロビタミンリサーチによって報告されたフラーレンの過酸化水素への効果検証によると、

通常、ヒト皮膚において皮脂は酸化を受けやすく、酸化によって細胞毒性を示して細胞死を引き起こす側面があり、また皮膚に過酸化脂質モデル剤でヒドロペルオキシドの一種であるt-BuOOH(tert-butyl hydroperoxide)を添加すると、過酸化水素が発生し酸化を起こす。

そこで、in vitro試験において、ヒト皮膚角化細胞に事前に0.1%PVP包接フラーレンを添加しておき、その後ヒドロペルオキシドの一種であるt-BuOOH(tert-butyl hydroperoxide)を添加したところ、過酸化水素の発生が顕著に抑制された。

この抑制活性は、アスコルビン酸を凌駕した。

このような検証結果が明らかにされており(文献7:2003;文献8:2004)、PVP包接フラーレンに過酸化水素発生抑制による抗酸化作用が認められています。

紫外線によるトランスグルタミナーゼ-1およびCE量減少抑制によるバリア機能改善作用

紫外線によるトランスグルタミナーゼ-1およびCE量減少抑制によるバリア機能改善作用に関しては、まず前提知識として皮膚バリア機能と、CE、インボルクリンおよびトランスグルタミナーゼ-1の関係について解説します。

以下の表皮角質層の拡大図をみてもらうとわかりやすいと思うのですが、

皮膚における角質の構造図

角質層は、角質と細胞間脂質で構成されており、角質の隙間を細胞間脂質が敷き詰めることで角質層は安定し、また外界物質の侵入を防ぐと同時に角質層の水分蒸発を防ぎ、バリア機能として働きます。

角質層を形成する角質細胞は、表皮ケラチノサイト(角化細胞)の最終産物であり、顆粒層で細胞にアポトーシス(∗4)を起こさせるタンパク質分解酵素であるカスパーゼによってアポトーシスを迎えた死細胞です。

∗4 あらかじめ遺伝子で決められたメカニズムによる細胞の自然死現象のことです。

角質細胞の一番外側には細胞膜が存在し、細胞膜の内側には周辺帯(cornified Sell envelope:CE)と呼ばれる極めて強靭な裏打ち構造の不溶性タンパクの膜が角質細胞を包んでおり、CEのおかげで肌の水分保持および皮膚のバリア機能が維持されます(文献12:2011)

インボルクリンとは、周辺帯の外側に存在する構成成分のひとつで、疎水性を獲得し、細胞間脂質が整然と配列されるための土台を提供していると考えられており、またインボルクリン同士はトランスグルタミナーゼ-1によってつなぎ合わせられ、CEを成熟化させ、バリア機能を強固なものとします。

このような背景から、紫外線によるトランスグルタミナーゼ-1およびCE量の減少を抑制することは、バリア機能の維持・強化において重要であると考えられます。

2013年に東京工科大学大学院、東海大学理工学部およびビタミンC60バイオリサーチによって報告されたフラーレンのバリア機能に対する影響検証によると、

in vitro試験においてヒト表皮角化細胞に紫外線(UVB)を照射し、PVP包接フラーレン(C₆₀)の存在下または非存在下におけるトランスグルタミナーゼ-1およびCE量を比較した。

その結果、紫外線照射により有意に減少するトランスグルタミナーゼ-1およびCE量は、いずれもPVP包接フラーレン(C₆₀)の添加により回復した。

in vitro試験の結果から、PVP包接フラーレンは角層のバリア機能の正常化に寄与する可能性が示唆されたことから、正常なヒト皮膚の角層をテープストリップにより強制的に剥がし、肌荒れを起こした状態のヒト皮膚にPVP包接フラーレンを含む製剤を塗布し、バリア機能への影響を検証したところ、以下のグラフのように、

PVP包接フラーレン塗布によるバリア機能改善効果

PVP包接フラーレン製剤を塗布した場合、PVP包接フラーレンを含まない場合と比較してテープストリップから2および3日後の経表皮水分蒸散量を有意に抑制し、バリア機能の回復を示した。

このような検証結果が明らかにされており(文献11:2013)、PVP包接フラーレンに紫外線によるトランスグルタミナーゼおよびCE量減少抑制によるバリア機能改善作用が認められています。

また、バリア機能改善・経表皮水分蒸散抑制による角層水分量の増加作用も明らかにされており、この作用はPVP包接フラーレンだけでなく、フィトステロールズおよび水添レシチンでリポソーム化して皮膚浸透性および徐放性(∗5)を備えたフラーレンにも同等以上の作用が認められています(文献13:2015)

∗5 徐放性とは徐々に放出する性質のことで、リポソーム化フラーレンにおいては皮膚浸透につれてリポソームが徐々に分解していき、リポソームに内包されていたフラーレンが徐々に放出される性質のことです。

毛穴改善作用

毛穴改善作用に関しては、2017年にビタミンC60バイオリサーチおよびクリニックモリによって報告されたフラーレンの毛穴に対する影響検証によると、

10人の女性被検者(平均年齢40歳)の顔全体に1%PVP包接フラーレン配合ローションを1日2回(朝晩)2ヶ月にわたって洗顔後に塗布し、試験開始前、1および2ヶ月後に肌状態を評価した。

すべての被検者の結果を統計的に解析した結果、目立つ毛穴は2ヶ月間の1%PVP包接フラーレン配合ローション塗布により17.6%減少することが明らかになった。

中には目立つ毛穴が30%以上減少した被検者も観察され、また10人の被検者のうち8人(80%)の毛穴目立ちが改善するという結果が得られた。

このような検証結果が明らかにされており(文献14:2017)、PVP包接フラーレンに紫外線による毛穴改善作用が認められています。

毛穴目立ちの主な要因として、過剰な皮脂の分泌と酸化があり、近年、毛穴の目立つ人のほうが皮脂成分中に占める不飽和脂肪酸の比率が高いことが報告されていますが(文献15:2005)、フラーレンは皮脂成分の一種であるスクワレンおよび不飽和脂肪酸の酸化を抑制することが明らかになっていることから(文献14:2017)、フラーレンが毛穴改善に効果的であった理由として皮脂の酸化抑制が考えられます。

紫外線吸収剤の効果促進作用

紫外線吸収剤の効果促進作用に関しては、2017年にビタミンC60バイオリサーチによって報告されたフラーレンの紫外線吸収剤への影響検証によると、

フラーレンの効果・効能を検証するため、日焼け止めクリームに紫外線吸収剤としてメトキシケイヒ酸エチルヘキシルt-ブチルメトキシジベンゾイルメタンを配合し、さらに0.0001%油溶性フラーレン(フラーレンを含むスクワラン)を加え、油溶性フラーレンの有無による紫外線吸収能の変化を評価したところ、以下のグラフのように、

フラーレン配合による紫外線吸収能の増加

フラーレンが1ppm加わることで、紫外線吸収能(吸光度)が約20%増加することがわかった。

同濃度のフラーレンのみでは紫外線の吸収作用は示されなかったため、この紫外線吸収能の増加はフラーレンによる紫外線吸収剤のブースター効果であると考えられた。

このような検証結果が明らかにされており(文献16:2017)、フラーレンに紫外線吸収剤の効果促進作用が認められています。

このような背景から、日焼け止め製品にメトキシケイヒ酸エチルヘキシルをはじめとする紫外線吸収剤とフラーレンが併用されている場合のフラーレンは、紫外線吸収剤のブースター剤として処方されている可能性が高いと考えられます。

育毛作用

育毛作用に関しては、2013年に大阪大学大学院医学系研究科皮膚・毛髪再生医学寄附講座およびビタミンC60バイオリサーチによって報告されたフラーレンの毛髪に対する効果検証によると、

成人男性(30-50代)の左右の定められた頭皮部位(1c㎡)に2%PVP包接フラーレン配合トニックおよび比較対象としてコントロールトニック(PVP包接フラーレンを除いたトニック)を1日2回(朝晩)24週にわたって毎日塗布し、試験前、開始12週および開始24週目に塗布部位の毛成長速度、毛密度、毛直径などを評価した。

その結果、開始12週目では有意差がなかったが、開始24週目にコントロールトニック塗布部位に対して毛成長速度が優位に16%増加することがわかった。

一方で毛密度、毛直径に有意差はみられなかった。

このような検証結果が明らかにされており(文献9:2013)、PVP包接フラーレンに毛成長促進作用・育毛作用が認められています。

PVP包接フラーレンによる毛成長速度促進の詳細なメカニズムはまだ検証されていませんが、毛包内においても活性酸素種の発生があることが報告されており(文献10:2005)、毛成長の障害や調節に酸化ストレスが関与していると考えられています。

キューティクル損傷抑制による毛髪保護作用

キューティクル損傷抑制による毛髪保護作用に関しては、まず前提知識として毛髪の構造およびキューティクルについて解説します。

まず毛髪の構造は、以下の画像のように断面図でみてもらうとわかりやすいと思うのですが、

毛髪の断面図

毛髪の表面(一番外側)は、キューティクルと呼ばれ、毛髪を保護する働きをしており、また以下の画像をみてもらうとわかるように、

キューティクルにおける健常時とダメージ時の違い

健常時には閉塞していて手触りもなめらかですが、損傷・ダメージを受けるとキューティクルが開き、手触りはギシギシ・パサパサといったものになり、外観の美しさは損なわれます。

キューティクルがダメージを受ける原因としては、

  • 物理的原因:ブラッシング、洗髪、ドライヤーの使用
  • 化学的原因:コールドパーマ、ヘアダイ、ブリーチ
  • 環境要因:紫外線

などが挙げられ、これらの状況下においてキューティクルの損傷を抑制することは毛髪保護の観点から重要であると考えられます。

2016年にビタミンC60バイオリサーチによって報告された技術情報によると、

毛髪(人毛)に0.26%フラーレンを含むスクワランまたはフラーレンを含まないスクワランを塗布し、その後で紫外線(UVB)を2-4J/c㎡の強度で照射し、毛髪を電子顕微鏡で観察した。

その結果、スクワランのみを塗布した毛髪では毛髪表面のキューティクルの剥離が生じていたが、0.26%フラーレンを含むスクワランを塗布した毛髪ではキューティクルの剥離は生じず、フラーレンが紫外線によるキューティクルダメージを抑制することがわかった。

次にフラーレンを溶解させたスクワランまたはフラーレンを含まないスクワランを塗布した毛髪に50倍量のパーマ剤による処理を2時間実施した後、水で洗浄後に中和し、室温で乾かして毛髪を顕微鏡で観察した。

その結果、スクワランのみを塗布した毛髪では毛髪表面のキューティクルの剥離が生じていたが、フラーレンを溶解させたスクワランを塗布した毛髪ではキューティクルの剥離は生じず、フラーレンがパーマ剤によるキューティクルダメージを抑制することがわかった。

さらに、ブリーチ剤を用いた試験でも同様の結果が得られた。

このような検証結果が明らかにされており(文献17:2016)、フラーレンにキューティクル損傷抑制による毛髪保護作用が認められています。

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フラーレンの安全性(刺激性・アレルギー)について

フラーレンの現時点での安全性は、

  • 10年以上の使用実績
  • 皮膚刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:ほとんどなし
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし
  • 光毒性・光感作性:ほとんどなし

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

産業技術総合研究所のリスク評価書(文献1:2011)によると、

  • [ヒト試験] 30人の被検者に0%,0.6%および14.8%フラーレン(C₆₀)水溶液をパッチテストし、96時間後まで皮膚反応を観察したところ、すべて陰性であった(Huczko et al,1999)
  • [ヒト試験] 被検者(人数不明)にフラーレン(C₆₀)100mgを対象に24時間皮膚パッチテストを実施し、パッチ除去1および24時間後に皮膚刺激性を評価したところ、フラーレンによる皮膚への影響は観察されなかった(Aoshima et al,2009)
  • [動物試験] ウサギの剃毛した皮膚にフラーレン(C₆₀,C₇₀)を含むポリプロピレングリコール0.5gを24時間閉塞パッチ適用し、適用24および48時間後に皮膚反応を評価したところ、フラーレンによる皮膚への影響は観察されなかった(Aoshima et al,2009)

ビタミンC60バイオリサーチの安全性データ(文献14:2017)によると、

  • [動物試験] 皮膚刺激性および累積皮膚刺激性試験の結果、刺激性なし
  • [動物試験] 皮膚感作性試験の結果、感作性なし
  • [ヒト試験] ヒトパッチテストの結果、陰性

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、共通して皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

産業技術総合研究所のリスク評価書(文献1:2011)によると、

  • [動物試験] ウサギの片眼にフラーレン水溶液0.2mLを点眼し、Draize法に基づいて点眼24,48および72時間後に眼刺激を評価したところ、眼刺激の兆候は観察されなかった(Huczko et al,1999)

ビタミンC60バイオリサーチの安全性データ(文献14:2017)によると、

  • [動物試験] 眼刺激性試験の結果、極めて弱い刺激性(物理的な刺激)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、眼刺激性なしと報告されているため、眼刺激性はほとんどないと考えられます。

光毒性および光感作性について

産業技術総合研究所のリスク評価書(文献1:2011)によると、

  • [動物試験] モルモットにフラーレン(C₆₀)7.5mgを塗布した後に50分間の光照射(11.2J/㎡)を行う接触光感作性試験を実施したところ、フラーレン(C₆₀)による皮膚への影響は観察されなかった(Aoshima et al,2009)

ビタミンC60バイオリサーチの安全性データ(文献14:2017)によると、

  • [動物試験] 光毒性試験の結果、毒性なし
  • [動物試験] 皮膚光感作性試験の結果、感作性なし

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、共通して光毒性および光感作性なしと報告されているため、光毒性および光感作性はほとんどないと考えられます。

∗∗∗

フラーレンは抗酸化成分、バリア改善成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:抗酸化成分 バリア改善成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. 産業技術総合研究所(2011)「フラーレン(C₆₀)」ナノ材料リスク評価書 最終報告版.
  2. H. W. Kroto, et al(1985)「C₆₀:Buckminsterfullerene」Nature(318),162–163.
  3. P. R. Buseck, et al(1992)「Fullerenes from the Geological Environment」Science(257)(5067),215-217.
  4. J. Cami, et al(2010)「Detection of CC₆₀ and CC₇₀ in a Young Planetary Nebula」Science(329)(5996),1180-1182.
  5. H. Takada, et al(2006)「Antioxidant Activity of Supramolecular Water-Soluble Fullerenes Evaluated by β-Carotene Bleaching Assay」Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry(70)(12),3088-3093.
  6. ビタミンC60バイオリサーチ株式会社, 他(2004)「フラーレン外用組成物」特開2004-269523.
  7. 前田 健太郎, 他(2003)「ナノテク素材フラーレン誘導体の抗酸化効果」Fragrance Journal(31)(8),40-48.
  8. ビタミンC60バイオリサーチ株式会社(2004)「外用組成物」特開2004-250690.
  9. 乾 重樹, 他(2013)「フラーレンの毛成長率に対する効果」Fragrance Journal(41)(11),28-31.
  10. H. M. Sowden, et al(2005)「Differential expression of nitric oxide synthases in human scalp epidermal and hair follicle pigmentary units: implications for regulation of melanogenesis」British Journal of Dermatology(153)(2),301-309.
  11. M. Murakami, et al(2013)「Photoprotective effects of inclusion complexes of fullerenes with polyvinylpyrrolidone」Photodermatology, Photoimmunology & Photomedicine(29)(4),196-203.
  12. 清水 宏(2011)「周辺帯」あたらしい皮膚科学第2版,9.
  13. 村上 美緒, 他(2015)「リポソーム化フラーレンの保湿効果」Fragrance Journal(43)(10),51-56.
  14. 青島 央江, 他(2017)「目立つ毛穴に対するフラーレンの効果」Fragrance Journal(45)(2),46-50.
  15. Y. Katsuta, et al(2005)「Unsaturated Fatty Acids Induce Calcium Influx into Keratinocytes and Cause Abnormal Differentiation of Epidermis」Journal of Investigative Dermatology(124)(5),1008–1013.
  16. ビタミンC60バイオリサーチ株式会社(2017)「サンガードフラーレン A」Fragrance Journal(45)(7),80-81.
  17. ビタミンC60バイオリサーチ株式会社(2016)「毛髪処理用組成物とそれを用いた毛髪のキューティクル損傷を抑制する方法」特開2016-169215.

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