ローズマリー葉エキス(ローズマリーエキス)とは…成分効果と毒性を解説

抗炎症成分 収れん成分 抗菌成分
ローズマリーエキス(ローズマリーエキス)
[化粧品成分表示名称]
・ローズマリー葉エキス(改正名称)
・ローズマリーエキス(旧称)

[医薬部外品表示名称]
・ローズマリーエキス

[慣用名]
・ローズマリーエキス、マンネンロウエキス

ローズマリーはシソ科の常緑低木で独特の芳香を持っており、ローズマリー葉エキスは葉や花から抽出して得られる淡褐色~赤褐色のエキスです。

ローズマリーは和名としてマンネンロウ(∗1)、漢名として迷迭香(めいてつこう)と呼ばれています。

∗1 余談ですが、和名のマンネンロウはもともと万年草、万年香と書かれており、そのあと万年郎として紹介されたのちマンネンロウに落ち着いたようです。

ヨーロッパでは民間薬として昔から強壮剤や興奮剤、または消化不良や胃痛、神経疲労の治療に内服しています。

化粧品での作用として、抗酸化作用、抗炎症作用、抗菌作用、血流促進作用、メラニン生成抑制作用などがあり、シソ科植物には強い抗酸化作用がみられますが、その中でもローズマリーとセージの抗酸化作用はきわめて優れていることがわかっています。

この抗酸化作用は、ローズマリーの葉から抽出されたフェノール性ジテルペンのカルノソール、ロスマノール、イソロスマノール、エピロスマノールなどによるもので、精神と肉体の両方に刺激を与え抗酸化作用を促します。

ローズマリーの抗酸化にまつわる余談ですが、14世紀にハンガリーの王女エリザベートは、僧侶にローズマリーを蒸留してつくるハンガリー水の製法を教わり、これを日夜使用して70歳もの高齢になってから若々しさを取り戻し、魅力的な女性になり、ポーランド国王から結婚を申し込まれたという逸話があります。

また、抗酸化力だけでなく炎症を起こした皮膚にもすばらしい効果を発揮します。

様々な優れた作用を有しており、エイジングケア化粧品、美白化粧品、敏感肌化粧品、肌荒れ化粧品、ニキビ化粧品など肌の改善を期待するあらゆる化粧品に広く配合されています。

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2013-2014年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

ローズマリー葉エキスの配合製品数と配合量の調査結果(2013-2014年)

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ローズマリー葉エキスの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ローズマリー葉エキスの現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性はデータ不足のため詳細不明ですが、皮膚感作(アレルギー)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗2)やレポートを参照しています。

∗2 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Rosmarinus Officinalis (Rosemary)-Derived Ingredients as Used in Cosmetics」(文献1:2014)によると、

  • [ヒト試験] 20人の被検者に0.2%ローズマリー葉エキスを含むクリームを単回24時間閉塞パッチ適用したところ、皮膚刺激スコアは0.00であり、刺激剤ではなかった
  • [ヒト試験] 102人の被検者に0.0013%ローズマリー葉エキスを含むヘアスプレーを誘導期間において週3回3週間にわたって24時間閉塞パッチ適用し、それぞれ次のパッチ適用前に試験部位を評価した。2週間の無処置期間を設けた後に未処置部位にチャレンジパッチを適用し、パッチ除去24および72時間後に評価したところ、数人の被検者にほとんど知覚できない軽微の反応が観察されたが、皮膚刺激およびアレルギー反応とは関係がないと考えられ、ローズマリー葉エキスは皮膚刺激剤および皮膚感作剤ではないと結論付けられた
  • [ヒト試験] 27人の被検者に0.2%ローズマリー葉エキスを含む日焼け止めクリームを誘導期間においてプレ段階として0.25%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液0.1mLを24時間閉塞パッチ適用し、パッチ除去後に試験物質0.1mLを48または72時間適用を合計5回繰り返した。10日間の無処置期間を経て5%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液0.1mLを未処置部位に1時間閉塞適用した後に試験物質0.1mLを含む48時間閉塞チャレンジパッチを適用しパッチ除去1および24時間後に試験部位を評価したところ、いずれの期間、いずれの被検者にも皮膚反応は観察されず、接触感作剤ではなかった

と記載されています。

試験データでは共通して皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

詳細な試験データはみあたらないため、データ不足のため詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ローズマリー葉エキス 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ローズマリー葉エキスは毒性なし(∗3)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗3 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ローズマリー葉エキスは抗シワ(抗老化)成分、抗炎症成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:抗シワ(抗老化)成分 抗炎症成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2014)「Safety Assessment of Rosmarinus Officinalis (Rosemary)-Derived Ingredients as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR652.pdf> 2018年4月13日アクセス.

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