ルイボスエキスとは…成分効果と毒性を解説

抗炎症成分 抗アレルギー 抗酸化成分 美白
ルイボスエキス
[化粧品成分表示名称]
・ルイボスエキス

[医薬部外品表示名称]
・アスパラサスリネアリスエキス

マメ科植物ルイボス(学名:Aspalathus linearis 英名:Rooibos)の全草からBG(1,3-ブチレングリコール)で抽出して得られるエキスです。

ルイボスエキスの成分組成は、抽出方法や天然成分のため国や地域および時期によって変化がありますが、主に、

  • フラボノイド類:ルテオリン
  • フラボノイド配糖体:アスパラチン
  • タンニン
  • ビタミンC
  • ミネラル

などで構成されています(文献1:2006;文献2:2016)

ルイボスは南アフリカのセダルバーグ山脈の周辺にしか生息しないことで知られており、ルイボスからつくられる発酵茶は美しい紅色、ノンカフェイン、タンニン含有量が低いことが特徴で、周辺の先住民の人々が「不老長寿のお茶」として日常的に古くから愛飲してきた歴史があります。

18世紀後半にスウェーデンの植物学者が欧米に紹介したことから、その飲みやすさも手伝って米国やドイツに急速に普及しました。

日本への導入時は、活性酸素の消去能が高いことで話題になりましたが、現在では冷え性や便秘、活力不足やアレルギーなどの諸症状に服用されています(文献3:2011)

ルイボスのこうした効能の作用機序はまだ完全に解明されていませんが、アスパラチンやルテオリンなどのフラボノイド類が関与していると思われ、アレルギーに対してはリポキシゲナーゼ活性阻害作用が報告されています(文献3:2011)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、日焼け止め製品、メイクアップ化粧品、洗顔料、洗浄製品など様々な製品に使用されます(文献1:2006;文献4:2012;文献5:2002)

SCF結合阻害による色素沈着抑制作用

SCF結合阻害による色素沈着抑制作用に関しては、まず前提知識としてメラニン生合成のメカニズムとSCFおよびc-kitレセプターについて解説します。

以下のメラニン生合成のメカニズム図をみてもらうとわかりやすいと思うのですが、

紫外線におけるメラニン生合成までのプロセス

紫外線を浴びるとまず最初に活性酸素が発生し、様々な情報伝達物質(メラノサイト活性化因子)をメラノサイトで発現するレセプター(受容体)に届けることで、メラノサイト内でメラニンの生合成がはじまり、ユーメラニン(黒化メラニン)へと合成されます。

SCFは肝細胞増殖因子であり、メラニン生合成のメカニズムでは情報伝達物質(メラノサイト活性化因子)のひとつとして知られており、メラノサイトに存在するSCFの受容体であるc-kitレセプターに輸送され結合されることにより、肥満細胞が遊走、分化・増殖し、アトピー性皮膚炎が引き起こされたり、メラニン合成が活性化することが明らかになっています(文献6:1996)

2002年に花王によって公開された技術情報によると、

細胞表面上のc-kitレセプターに対するSCFの結合を特異的に阻害する天然物を探索したところ、カンゾウ、アスパラサスリネアリス、アセンヤク、ナギイカダシコンエンメイソウトウガラシウコン、コンフリー、ノバラユリチャチョウジ、ツバキの抽出物にSCF結合阻害活性があることを見出した。

そこでヒト培養メラノサイトを用いたin vitro試験において各植物抽出物を1%濃度で添加し、SCF/c-kitの特異的結合量を測定したところ、以下の表のように、

植物 SCF結合阻害率(%)
カンゾウ 71.0
アスパラサスリネアリス 40.4
アセンヤク 34.1
ナギイカダ 31.5
シコン 29.1
エンメイソウ 27.4
トウガラシ 25.0
ウコン 20.2
コンフリー 17.3
ノバラ 17.0
ユリ 11.0
チャ 63.0
チョウジ 49.9
ツバキ 45.0

ルイボス抽出物は、c-kitレセプターに対するSCFの結合阻害活性を有することが認められた。

また配合量は通常0.00001%~1%が好ましく、とくに0.0001%~0.1%が好ましい。

このような検証結果が明らかにされており(文献5:2002)、ルイボスエキスにSCF結合阻害による色素沈着抑制作用が認められています。

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ルイボスエキスの安全性(刺激性・アレルギー)について

ルイボスエキスの現時点での安全性は、外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載されており、また10年以上の使用実績があり、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

ただし、詳細な試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

詳細な試験データはみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

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ルイボスエキスは抗炎症成分、抗酸化成分、美白成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:抗炎症成分 抗酸化成分 美白成分

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文献一覧:

  1. 日光ケミカルズ(2006)「植物・海藻エキス」新化粧品原料ハンドブックⅠ,361.
  2. 林真一郎(2016)「ルイボス」メディカルハーブの事典 改定新版,190-191.
  3. ジャパンハーブソサエティー(2018)「ルイボス」ハーブのすべてがわかる事典,233.
  4. 鈴木 一成(2012)「アスパラサスリネアリスエキス(ルイボスエキス)」化粧品成分用語事典2012,224.
  5. 花王株式会社(2002)「SCF結合阻害剤」特開2002-302451.
  6. N W Lukacs,et al(1996)「Stem cell factor (c-kit ligand) influences eosinophil recruitment and histamine levels in allergic airway inflammation.」The Journal of Immunology(156)(10),3945-3951.

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