ラベンダー花水とは…成分効果と副作用を解説

抗炎症成分 香料 抗菌成分
ラベンダー花水
[化粧品成分表示名称]
・ラベンダー花水(改正名称)
・ラベンダー水(旧称)

[医薬部外品表示名称]
・ラベンダー水

[慣用名]
・ラベンダー水、ラベンダーウォーター

ラベンダー花水は、水蒸気蒸留法で開花した花の先端部分から抽出して得られる芳香蒸留水です。

20世紀初めにフランス人化学者のルネ・モーリス・ガットフォセは、実験中に火傷した腕を冷たい水と間違えてラベンダーのエッセンシャルオイルが入った桶に浸したところ、彼の火傷の腕はみるみる回復し傷跡もほとんど消えたことがきっかけでラベンダーの効能が研究され始めました。

ラベンダーの成分は、ほかにもラベンダーの花から抽出溶媒のBGでエキスを抽出するラベンダーエキスもありますが純粋に抽出したエキスとは違い、ラベンダー花水は蒸留水に少量のラベンダーオイルが自然と含有されている成分で、エキスに比べるとラベンダーの効果はゆるやかです。

参考:ラベンダーエキスの成分効果と副作用を解説

ラベンダー花水の成分組成は、

  • リナロール:38.8%
  • α-テルピネオール:15%
  • クマリン:6.9%
  • テルピネン-4-オール:6.5%
  • ボルネオール:4%
  • ゲラニオール:3.1%
  • 2-エチリデン-6-メチル-3,5-ヘプタジエナール:2.9%
  • リナロールオキサイド:2.6%
  • 同異性体:2%
  • 1,8-シネオール:1.7%
  • クミンアルコール:1.3%

となっており(∗1)、リナロールが主要成分で含有濃度54μg/mLです。

∗1 参考資料:サイエンスの目で見るハーブウォーターの世界(2009)

リナロールの薬理作用は、

  • 鎮静、鎮痙、鎮痛作用
    リナロールの鎮静効果はよく知られています。吸入によりマウスの行動を抑制し(文献1:1993)、マウスの腹腔内投与で催眠、体温低下、鎮痙作用がみられました(文献2:1995)。リナロールをマウスに400~600mg/kg投与することで、ラベンダー油と同等の抗不安作用がみられました(文献3:2006)
  • 抗炎症効果
    リナロールはラットカラゲニン起因の足浮腫を抑制します(文献4:2002)。またエタノール誘発の胃潰瘍モデルにも有効ですが、インドメタシン誘発の胃潰瘍モデルには無効で、おそらくリナロールの抗炎症効果にはアラキドン酸代謝は関係していないものと推定されています(文献5:2004)
  • 殺虫、抗ウィルス作用
    リナロールには中程度の殺虫活性が認められ(文献6:1996)、シラミにも有効と報告されています(文献7:1989)

となっています(それぞれの文献はページ最下部に記載)

ラベンダー精油には細胞の新生促進や皮脂の分泌バランスをとる作用があるといわれており、大半の肌に相性がよく、火傷や過度の日焼けを治す力があることはよく知られており、湿疹やおでき、脱毛などにも一定の効果があるといわれています。

リナロール主体のラベンダー花水も精油と似た効果があると思われますが、とりわけ炎症を軽減する作用が貴重で、損傷した皮膚や感受性の高い皮膚の浄化に適しています。

アトピー性皮膚炎にラベンダーまたはローマンカモミールの花水をスプレーするとかゆみが軽減される例が報告されています(水嶋 2001)。

一方で、防腐や抗菌効果はあまり期待できません。

化粧品に配合される場合は天然の香料目的が多いですが、オーガニック系化粧品などは水の量を減らしてフローラルウォーターをベース成分のひとつにすることで、高級感や効能感をだしているものも増えてきています。

成分表示欄の最初のほうに表示があれば、水と同様にベース成分として使用されており、真ん中以降であれば香料目的と考えられます。

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ラベンダー花水の安全性(毒性・刺激性・アレルギー・副作用)について

ラベンダー花水は、毒性や刺激性はほとんど認められず、副作用やアレルギーの報告もなく安全性の高い成分と考えられています。

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ラベンダー花水は△(∗1)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

ラベンダー花水とセットで使用される成分と効果

・ラベンダーの水蒸気蒸留水として、以下の成分表示順で使用されます。
[化粧品表示] ラベンダー花水、BG
[医薬部外品表示] ラベンダー水
・ラベンダーの水蒸気蒸留水として、以下の成分表示順で使用されます。
[化粧品表示] ラベンダー花水、エタノール、メチルパラベン
[医薬部外品表示] ラベンダー水

基本的な配合量の多い成分表示順は上記の通りですが、1%以下の成分は順不同に表示されるので、製品によっては表示順が異なっている場合があります。

∗∗∗

ラベンダー花水は香料と抗炎症成分と抗菌成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:香料 抗炎症成分 抗菌成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. Aromatherapy:evidence for sedative effects of the esential oil of lavender after inhalation(1993). Z Naturforsch[C]46:1067-1072
  2. Sedative properties of linalool(1995). Fitoterapia,66:407-414
  3. Anticonflict effects of lavender oil and identification of its active constituents(2006). Pharmacol Biochem Behav,85:713-721
  4. Anti-inflammatory activity of linalool and linaly acetate constutuents of essential oils(2002). Phytomedicine,9:721-726
  5. Antinociceptive and gastroprotective effects of inhaled and orally administered Lavandula hybrida Reverchon “Gross” essential oil(2004). Life Sci,76:213-223
  6. The activity of volatile compounds from Lavandula angustifolia against Psoroptes cuniculi(1996). Phytither Res,10:5-8
  7. The activity of extracts of Myrtus communis against Pediculus humanus Capitis(1989). Plantes Med Phytother,23:95-108

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