ブドウ葉エキスとは…成分効果と毒性を解説

抗アレルギー 抗老化 抗酸化
ブドウ葉エキス
[化粧品成分表示名称]
・ブドウ葉エキス

[医薬部外品表示名称]
・ブドウ葉エキス

ブドウ科植物ヨーロッパブドウ(学名:Vitis Vinifera 英名:Common Grape)の葉からエタノールBGで抽出して得られる抽出物植物エキスです。

ヨーロッパブドウ(赤葡萄)は、アジアを原産とし現在は中国、アメリカ、イタリア、スペイン、フランスで主に生産され、また日本では山梨、長野、山形、岡山をはじめとして全国で生産されており、生食や加工品としてぶどう酒・ワイン、ジュース、缶詰、干しぶどうなどに利用されています(文献3:2017)

ブドウ葉エキスは天然成分であることから、地域、時期、抽出方法によって成分組成に差異があると推察されますが、その成分組成は主に、

分類 成分名称
フラボノイド フラボノール イソケルシトリン、アストラガリン、ヒペロシド
タンニン エラグ酸
フェニルプロパノイド クロロゲン酸

これらの成分で構成されていることが報告されており(文献4:2019)、薬理作用としてはイソケルシトリン(isoquercetin)、アストラガリン(astragalin)、ヒペロシド(hyperoside)などフラボノール配糖体による抗酸化作用が明らかにされています(文献4:2019)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、ボディ&ハンドケア製品、シャンプー製品、トリートメント製品、頭皮ケア製品、洗顔料、洗顔石鹸、ボディソープ製品、シート&マスク製品などに使用されています。

ヒスタミン遊離抑制およびヒアルロニダーゼ活性阻害による抗アレルギー作用

ヒスタミン遊離抑制およびヒアルロニダーゼ活性阻害による抗アレルギー作用に関しては、まず前提知識として皮膚におけるアレルギーの種類およびⅠ型アレルギー性皮膚炎のメカニズムについて解説します。

皮膚におけるアレルギー反応は、

種類 名称 抗体 抗原 皮膚反応 考えられる主な疾患
Ⅰ型 即時型
アナフィラキシー型
IgE 化粧品、薬剤、洗剤、ダニ、カビ、ハウスダスト、金属、花粉、ほか 15-20分で最大の発赤と膨疹 アナフィラキシーショック、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎、結膜炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、ほか
Ⅳ型 遅延型
細胞性免疫
感作T細胞 細菌、真菌、自己抗原 24-72時間で最大の紅斑と硬結 アレルギー性接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、ほか

主にこの2種類に分類されています(∗1)(文献5:2010;文献6:1968;文献7:1999)

∗1 アレルギーの分類としてはⅠ型-Ⅳ型まで4種類が存在し、Ⅰ型-Ⅲ型までの3種類が即時型に分類されていますが、皮膚に関連するものはⅠ型とⅣ型であることから、ここではⅠ型とⅣ型のみで構成しています。

Ⅰ型アレルギーは、即時型アレルギーまたはアナフィラキシー型とも呼ばれ、皮膚反応としては15-20分で最大に達する発赤・膨疹を特徴とする即時型皮膚反応を示しますが、このⅠ型アレルギー性炎症反応が起こるメカニズムは、以下のアレルギー性皮膚炎のメカニズム図をみてもらうとわかるように、

Ⅰ型アレルギー性皮膚炎のメカニズム

まず、アレルギーを起こす原因物質(抗原)が皮膚や粘膜から体内に侵入すると、抗原提示細胞(ランゲルハンス細胞や真皮樹状細胞)がその抗原の一部を自らの細胞表面に提示し、次にヘルパーT細胞の一種であるTh2細胞が抗原提示細胞の提示した抗原情報を認識し、抗原と結合して抗炎症性サイトカインの一種であるIL-4(Interleukin-4)を分泌します(文献7:1999)

次に、Th2細胞から分泌されたIL-4によりB細胞が刺激を受けIgE抗体を産生し、このIgE抗体が肥満細胞の表面にある受容体に結合することによりIgE抗体と抗原が反応し、肥満細胞に貯蔵されていたケミカルメディエーターであるヒスタミンが放出(脱顆粒)され、同時に細胞膜からはアラキドン酸が遊離し、ケミカルメディエーターであるロイコトリエンやプロスタグランジンに代謝されます(文献7:1999)

そして、放出されたヒスタミンはヒアルロニダーゼを活性化し、ロイコトリエン、プロスタグランジンとともに血管透過性を亢進させて浮腫を起こし、好酸球など炎症細胞の遊走を誘導し、炎症を引き起こします(文献15:1999;文献8:2009)

このような背景から、アレルギー性皮膚炎や肌荒れなどバリア機能が低下している場合に、アレルゲンの曝露からⅠ型炎症までのプロセスにおけるいずれかのポイントにアプローチすることが、アレルギー性炎症の抑制において重要であると考えられています。

2003年に一丸ファルコスによって報告されたヒアルロニダーゼに対する各植物抽出物の影響検証によると、

in vitro試験において固形分濃度0.5%植物抽出液それぞれ0.1mLに、20分おきにヒアルロニダーゼ溶液0.05mL、ヒスタミン放出促進剤であるcompound48/80溶液、ヒアルロン酸溶液0.25mLを加えて処理した後にヒアルロニダーゼ活性阻害率を算出したところ、以下のグラフのように、

各植物抽出物のヒアルロニダーゼ活性阻害効果

0.5%ブドウ葉エキスは、ヒアルロニダーゼ活性を有意に阻害することが確認された。

次に、湿疹・かゆみ・肌荒れで悩む10人の被検者(30-50歳)の顔面に5%ブドウ葉エキスを含む乳液を1日2回(朝晩)洗顔後に3ヶ月にわたって塗布してもらい、対照としてブドウ葉エキス未配合乳液を同様に用いた。

評価方法として「有効:湿疹・かゆみ・肌荒れが改善された」「やや有効:湿疹・かゆみ・肌荒れがやや改善された」「無効:使用前と変化なし」の基準で行い、3ヶ月後に被検者に評価してもらったところ、以下の表のように、

試料 湿疹・肌荒れ改善効果(人数)
有効 やや有効 無効
ブドウ葉エキス配合乳液 6 4 0
乳液のみ(対照) 0 1 9

5%ブドウ葉エキス配合乳液は、未配合乳液と比較して有意に湿疹・肌荒れを改善することを確認した。

このような試験結果が明らかにされており(文献1:2003)、ブドウ葉エキスにヒアルロニダーゼ活性阻害による抗アレルギー作用が認められています。

次に、1998年にノエビアによって報告されたブドウ葉エキスのヒスタミンおよびアトピー生皮膚炎症状に対する影響検証によると、

ラット由来好塩基球白血病細胞液に各植物抽出物を加えて培養し、ヒスタミンの遊離阻害率を算出したところ、以下のグラフのように、

植物エキスのヒスタミン遊離抑制作用

ブドウ葉エキス(50%BG抽出)は、80%以上のヒスタミン遊離抑制作用を示した。

次に、アトピー性皮膚炎を有する女性患者18人(17-30歳)の顔に0.5%ブドウ葉エキス配合W/O型(油中水型)軟膏を、また比較対照としてブドウ葉エキス未配合の軟膏をそれぞれ1日2回(朝夕)2週間にわたって塗布し、2週間後に評価したところ、以下の表のように、

試料 症例数 顕著 有効 やや有効 無効 悪化
ブドウ葉エキス配合軟膏 18 5 8 5 0 0
軟膏のみ(比較対照) 15 0 1 3 7 4

0.5%ブドウ葉エキス配合軟膏の塗布は、アトピー生皮膚炎の症状改善に有効であることがわかった。

このような試験結果が明らかにされており(文献9:1998)、ブドウ葉エキスにヒスタミン遊離抑制による抗アレルギー作用が認められています。

コラゲナーゼおよびエラスターゼ活性阻害による抗老化作用

コラゲナーゼおよびエラスターゼ活性阻害による抗老化作用に関しては、まず前提知識として真皮の構造および役割と真皮に存在するタンパク質分解酵素であるコラゲナーゼおよびエラスターゼについて解説します。

真皮については、以下の真皮構造図をみてもらうとわかりやすいと思いますが、

真皮の構造

表皮を下から支える真皮を構成する成分としては、細胞成分と線維性組織を形成する間質成分(細胞外マトリックス)に二分されますが、主成分である間質成分は大部分がコラーゲンからなる膠原線維とエラスチンからなる弾性繊維、およびこれらの間を埋める基質で占められており、細胞はその間に散在しています(文献10:2002;文献11:2018)

間質成分の大部分を占めるコラーゲンは、膠質状の太い繊維であり、その繊維内に水分を保持しながら皮膚の張りを支えています(文献10:2002)

このコラーゲンは、Ⅰ型コラーゲン(80-85%)とⅢ型コラーゲン(10-15%)が一定の割合で会合(∗2)することによって構成されており(文献12:1987)、Ⅰ型コラーゲンは皮膚や骨に最も豊富に存在し、強靭性や弾力をもたせたり、組織の構造を支える働きが、Ⅲ型コラーゲンは細い繊維からなり、しなやかさや柔軟性をもたらす働きがあります(文献13:2013)

∗2 会合とは、同種の分子またはイオンが比較的弱い力で数個結合し、一つの分子またはイオンのようにふるまうことをいいます。

エラスチン(elastin)を主な構成成分とする弾性繊維は、皮膚の弾力性をつくりだす繊維であり、コラーゲンとコラーゲンの間に絡み合うように存在し、コラーゲン同士をバネのように支えて皮膚の弾力性を保持しています(文献10:2002)

基質は、主に糖タンパク質(glycoprotein)プロテオグリカン(proteoglycan)およびグリコサミノグリカン(glycosaminoglycan)で構成されたゲル状物質であり、これらの分子が水分を保持し、コラーゲンやエラスチンと結合して繊維を安定化させることにより、皮膚は柔軟性を獲得しています(文献10:2002;文献11:2018)

プロテオグリカンは、軸タンパクにグリコサミノグリカンが多数結合した分子量10万-100万以上の巨大な分子であり、グリコサミノグリカンは酸性ムコ多糖類であるヒアルロン酸コンドロイチン硫酸を主成分とし、ヒアルロン酸は水分保持に関与し、コンドロイチン硫酸は繊維の支持や他の基質の保持に働いています(文献11:2018)

細胞成分として線維芽細胞(fibroblast)は、真皮に分散しており、コラーゲン繊維や弾性繊維、ムコ多糖を産生する細胞であることから、必要に応じて線維芽細胞が活発に働きこれらの物質が順調につくられていることが、皮膚の張りや弾力を維持する上で重要です(文献10:2002)

真皮の働きを要約すると、

  • コラーゲン繊維が水分を保持しながら皮膚の張りを支持
  • エラスチンを主とした弾性繊維がコラーゲン同士をバネのように支えて皮膚の弾力性を保持
  • 基質(ゲル状物質)が水分を保持し、コラーゲン繊維と弾性繊維を安定化

それぞれがこのように働くことで、皮膚は張りや柔軟性・弾性を獲得しています。

一方で、真皮は紫外線曝露により、

  • コラーゲン合成能の減少(文献14:1993)
  • Ⅰ型コラーゲン分解酵素であるMMP-1(∗3)産生促進(文献15:1993)
  • エラスチン分解酵素であるエラスターゼの産生促進(文献16:2003)
  • ヒアルロン酸産生量の低下(文献17:2010)

∗3 MMP-1(Matrix metalloproteinase-1:マトリックスメタロプロテアーゼ-1)は、Ⅰ型コラーゲンを分解する酵素であることから、Ⅰ型コラゲナーゼとも呼ばれます。

時間や頻度に比例してこれらの影響を受けることが報告されており、このような長期紫外線暴露による細胞外マトリックス成分の産生・分解系バランスの崩れが、シワの形成をはじめとする光老化の原因であると考えられています(文献18:1998)

このような背景から、紫外線曝露によって線維芽細胞から産生されるMMP-1やエラスターゼの活性を阻害することは、紫外線曝露による光老化の抑制に重要であると考えられます。

2003年に一丸ファルコスによって報告された生薬のエラスターゼおよびコラゲナーゼに対する影響検証によると、

in vitro試験において基質に放線菌由来コラゲナーゼと植物抽出物として固形分0.5%濃度のブドウ葉抽出液およびサンショウ果皮抽出液をそれぞれ添加し、反応・処理後にコラゲナーゼ活性阻害率を算出したところ、以下の表のように、

植物抽出物 コラゲナーゼ活性阻害率(%)
ブドウ葉エキス 50.11
サンショウ果皮エキス 53.85

0.5%ブドウ葉エキスは、コラゲナーゼ活性を有意に阻害することが確認された。

次に、in vitro試験において基質に膵臓由来エラスターゼと植物抽出物として固形分0.5%濃度のブドウ葉抽出液およびサンショウ果皮抽出液を、また比較対照としてグリチルリチン酸ジカリウムをそれぞれ添加し、反応・処理後にエラスターゼ活性阻害率を算出したところ、以下のグラフのように、

生薬のエラスターゼ活性阻害効果

0.5%ブドウ葉エキスは、エラスターゼ活性を有意に阻害することが確認された。

次に、健常な皮膚を有する10人の被検者(25-50歳)の顔面に5%ブドウ葉エキスを含む乳液を1日2回(朝晩)洗顔後に3ヶ月にわたって塗布してもらい、対照としてブドウ葉エキス未配合乳液を同様に用いた。

評価方法として「有効:肌のツヤ・ハリが増し、乾燥肌・肌荒れが改善された」「やや有効:肌のツヤ・ハリがやや増し、乾燥肌・肌荒れがやや改善された」「無効:使用前と変化なし」の基準で行い、3ヶ月後に被検者に評価してもらったところ、以下の表のように、

試料 肌のハリ・ツヤ改善効果(人数)
有効 やや有効 無効
ブドウ葉エキス配合乳液 6 3 1
乳液のみ(対照) 0 3 7

また、シワ・たるみの評価方法は「有効:肌のシワ・たるみが目立たなくなった」「やや有効:肌のシワ・たるみがやや目立たなくなった」「無効:使用前と変化なし」の基準で行ったところ、以下の表のように、

試料 肌のシワ・たるみ改善効果(人数)
有効 やや有効 無効
ブドウ葉エキス配合乳液 6 2 2
乳液のみ(対照) 0 4 6

5%ブドウ葉エキス配合乳液は、未配合乳液と比較して有意に肌のハリ・ツヤを付与し、また肌のシワ・たるみを軽減することを確認した。

このような試験結果が明らかにされており(文献2:2003)、ブドウ葉エキスにコラゲナーゼおよびエラスターゼ活性阻害による抗老化作用が認められています。

SOD様活性による抗酸化作用

SOD様活性による抗酸化作用に関しては、まず前提知識として皮膚における活性酸素種、活性酸素種の酸化還元反応およびSODの役割について解説します。

活性酸素種(ROS:Reactive Oxygen Species)とは、酸素(O₂)が他の物質と反応しやすい状態に変化した反応性の高い酸素種の総称であり(文献19:2002;文献20:2019)、酸素から産生される活性酸素種の発生メカニズムは、以下のように、

酸素から産生される活性酸素発生メカニズム

酸化力を有する酸素(O₂)が、比較的容易に電子を受けてスーパーオキシド(superoxide:O₂⁻)を生成し、さらに酸化が進むと過酸化水素(H₂O₂)、ヒドロキシルラジカル(HO)を経て、最終的に水(H₂O)になるというものです(文献21:2019)

この一連の反応を酸化還元反応と呼んでおり、正常な酸化還元反応において発生したスーパーオキシド(superoxide:O₂⁻)は少量であり、通常は抗酸化酵素の一種であるスーパーオキシドジスムターゼ(superoxide dismutase:SOD)により速やかに分解・消去されます(文献21:2019)

一方で、紫外線の曝露など(∗4)によりスーパーオキシド(superoxide:O₂⁻)を含む活性酸素種の過剰な産生が知られており(文献22:1998)、過剰に産生されたスーパーオキシドはスーパーオキシドジスムターゼ(superoxide dismutase:SOD)による分解・消去が追いつかず、紫外線の曝露時間やスーパーオキシドの発生量によってはヒドロキシルラジカル(HO)まで変化することが知られています。

∗4 皮膚において活性酸素種が発生する最大の要因は紫外線ですが、他にも排気ガスなどの環境汚染物質、タバコの副流煙などの有害化学物質なども外的要因となります。

発生したヒドロキシルラジカル(HO)は、酸化ストレス障害として過酸化脂質の発生、コラーゲン分解酵素であるMMP(Matrix metalloproteinase:マトリックスメタロプロテアーゼ)の発現増加によるコラーゲン減少、DNA障害や細胞死などを引き起こし、中長期的にこれらの酸化ストレス障害を繰り返すことで光老化を促進します(文献21:2019;文献23:1996;文献24:2013)

このような背景から、紫外線の曝露時および曝露後にスーパーオキシドジスムターゼ(superoxide dismutase:SOD)の活性を増強することは、皮膚の酸化ストレス障害を抑制し、しいては光老化、炎症および色素沈着などの抑制において非常に重要であると考えられます。

2006年に一丸ファルコスによって報告されたブドウ葉エキスの肌荒れへの影響検証によると、

in vitro試験において100%SOD阻害率を測定できるSOD Assay Kit-WSTを用いてブドウ葉エキスの活性酸素消去率(SOD活性率)を評価したところ、以下のグラフのように、

ブドウ葉エキスのSOD様活性

ブドウ葉エキスには活性酸素消去作用(SOD様作用)が観察された。

このことから、ブドウ葉エキスは活性酸素消去剤として有用であると考えられた。

次に、乾燥肌やツヤ・ハリのない肌で悩む10人の被検者(25-50歳)の顔面に5%ブドウ葉エキスを含む乳液を1日2回(朝晩)洗顔後に3ヶ月にわたって塗布してもらい、対照としてブドウ葉エキス未配合乳液を同様に用いた。

評価方法として「有効:肌のツヤ・ハリが増し、乾燥肌・肌荒れが改善された」「やや有効:肌のツヤ・ハリがやや増し、乾燥肌・肌荒れがやや改善された」「無効:使用前と変化なし」の基準で行い、3ヶ月後に被検者に評価してもらったところ、以下の表のように、

試料 皮膚感触改善効果(人数)
有効 やや有効 無効
ブドウ葉エキス配合乳液 4 4 2
乳液のみ(対照) 0 2 8
試料 ハリ・ツヤ改善効果(人数)
有効 やや有効 無効
ブドウ葉エキス配合乳液 3 4 3
乳液のみ(対照) 0 2 8

5%ブドウ葉エキス配合乳液は、未配合乳液と比較して有意に乾燥肌を改善し、肌にツヤ・ハリを付与することを確認した。

このような試験結果が明らかにされており(文献25:2006)、ブドウ葉エキスにSOD様活性による抗酸化作用が認められています。

複合植物エキスとしてのブドウ葉エキス

ブドウ葉エキスは、他の植物エキスとあらかじめ混合された複合原料があり、ブドウ葉エキスと以下の成分が併用されている場合は、複合植物エキス原料として配合されている可能性が考えられます。

原料名 ファルコレックスBX43
構成成分 BGセイヨウトチノキ種子エキスアルニカ花エキスハマメリス葉エキスセイヨウキズタ葉/茎エキスセイヨウオトギリソウ花/葉/茎エキスブドウ葉エキス
特徴 SOD様作用や過酸化脂質抑制作用を有した6種類の抗酸化系混合植物抽出液

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2012年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。

ブドウ葉エキスの配合製品数と配合量の調査結果(2012年)

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ブドウ葉エキスの安全性(刺激性・アレルギー)について

ブドウ葉エキスの現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 20年以上の使用実績
  • 皮膚一次刺激性:ほとんどなし
  • 皮膚累積刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性について

一丸ファルコスの安全性試験データ(文献1:2003;文献2:2003)によると、

  • [動物試験] 3匹のモルモットの剃毛した背部に固形分濃度0.5%-1.0%ブドウ葉エキス0.03mLを塗布し、適用24,48および72時間後に一次刺激性を評価したところ、すべてのモルモットにおいて皮膚一次刺激性は認められなかった
  • [動物試験] 3匹のモルモットの剃毛した背部に固形分濃度0.5%-1.0%ブドウ葉エキス0.5mLを1日1回、週5回2週間にわたって塗布し、各塗布日および最終塗布日に皮膚累積刺激を評価したところ、すべてのモルモットにおいて塗布後2週間にわたって皮膚刺激性は認められなかった

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して皮膚一次刺激および累積刺激なしと報告されているため、一般に皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

皮膚感作性(アレルギー性)について

医薬部外品原料規格2006に収載されており、10年以上の使用実績がある中で重大な皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

∗∗∗

ブドウ葉エキスは抗アレルギー成分、抗老化成分、抗酸化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:抗アレルギー成分 抗老化成分 抗酸化成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. 一丸ファルコス株式会社(2003)「ヒアルロニダーゼ活性阻害剤及び化粧料組成物」特開2003-342184.
  2. 一丸ファルコス株式会社(2003)「コラゲナーゼ活性阻害剤、エラスターゼ活性阻害剤及び化粧料組成物」特開2003-342123.
  3. 杉田 浩一, 他(2017)「ぶどう(葡萄)」新版 日本食品大事典,695-698.
  4. D. Pintać, et al(2019)「Investigation of the chemical composition and biological activity of edible grapevine (Vitis vinifera L.) leaf varieties」Food Chemistry(286),686-695.
  5. 厚生労働省(2010)「アレルギー総論」リウマチ・アレルギー相談員養成研修会テキスト5-14.
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