フユボダイジュ花エキスとは…成分効果と毒性を解説

抗炎症成分
フユボダイジュ花エキス
[化粧品成分表示名称]
・フユボダイジュ花エキス

[医薬部外品表示名称]
・シナノキエキス

シナノキ科植物フユボダイジュ(学名:Tilia cordata 英名:Small-leaved Lime)の花からエタノールBG(1,3-ブチレングリコール)、またはこれらの混合液で抽出して得られるエキスです。

フユボダイジュ花エキスの成分組成は、抽出方法や天然成分のため国や地域および時期によって変化がありますが、主に、

  • フラボノイド
  • タンニン
  • ポリフェノール類:プロシアニジン、エピカテキン

などで構成されています(文献1:2006;文献4:2018)

フユボダイジュはヨーロッパからコーカサスに分布する落葉高木です。

フユボダイジュの花は、同じシナノキ科植物であるナツボダイジュ、セイヨウボダイジュとともに、伝承的に不眠症、不安神経症、子どもの興奮状態や風邪の初期症状の緩和などを目的にメンタルハーブおよびボダイジュ花茶(リンデンフラワーティー)として、ヨーロッパを中心に18世紀から飲用されています(文献2:-;文献3:2006)

薬理作用としては、ポリフェノールであるプロシアニジンおよびその前駆体であるエピカテキンの含有が認められており、これらの物質が好中球からの活性酸素の消去能および炎症を誘発するIL-8抑制作用を有していることが確認されています(文献4:2018)

化粧品に配合される場合は、

  • 活性酸素消去能およびヒスタミン遊離抑制による抗炎症作用

これらの目的で、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、メイクアップ化粧品、日焼け止め製品、頭皮ケア製品、洗顔石けん、リップケア製品、シート&マスク製品など様々な製品に使用されます(文献1:2006;文献3:2006;文献4:2018)

複合植物エキスとしてのフユボダイジュ花エキス

ファルコレックスBX44という複合植物エキスは、以下の成分で構成されており、

効果および配合目的は、

  1. 角質水分量増加
  2. 経表皮水分損失抑制
  3. 抗炎症(ヒスタミン遊離抑制)
  4. 抗酸化(SOD様)
  5. 抗酸化(過酸化脂質生成抑制)
  6. メディエーター抑制(ヒスタミン遊離抑制)

とされており、肌の潤い促進、乾燥によるかゆみ抑制、過剰な皮脂抑制などそれぞれポイントの違う植物エキスの相乗効果によって肌荒れやざ瘡を多角的に予防するもので、化粧品成分一覧にこれらの成分が併用されている場合はファルコレックスBX44であると推測することができます。

フィトデセンシタイザーABBAという複合植物エキスは、以下の成分で構成されており、

効果および配合目的は、

  1. 抗炎症(接触皮膚炎抑制)
  2. 抗炎症(ヒスタミン遊離抑制)
  3. メディエーター抑制(ヒスタミン遊離抑制)

とされており、それぞれポイントの違う植物エキスの相乗効果によって炎症およびかゆみを多角的に予防するもので、化粧品成分一覧にこれらの成分が併用されている場合はフィトデセンシタイザーABBAであると推測することができます。

ファルコレックスHGLという複合植物エキスは、以下の成分で構成されており、

効果および配合目的は、

  1. 育毛
  2. 抗炎症(アラキドン酸耳浮腫抑制)
  3. 抗炎症(ヒスタミン遊離抑制)
  4. メディエーター抑制(ヒスタミン遊離抑制)

とされており、それぞれポイントの違う植物エキスの相乗効果によって育毛作用が確認されているもので、化粧品成分一覧にこれらの成分が併用されている場合はファルコレックスHGLであると推測することができます(文献5:2011)

フィトブレンドTIPSという複合植物エキスは、以下の成分で構成されており、

効果および配合目的は、

  1. 育毛
  2. 抗炎症(接触皮膚炎抑制)
  3. 抗炎症(ヒスタミン遊離抑制)
  4. メディエーター抑制(ヒスタミン遊離抑制)

とされており、それぞれポイントの違う植物エキスの相乗効果によって炎症およびかゆみを多角的に予防するもので、化粧品成分一覧にこれらの成分が併用されている場合はフィトブレンドTIPSであると推測することができます。

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フユボダイジュ花エキスの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

フユボダイジュ花エキスの現時点での安全性は、外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006にも収載されており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

ただし、詳細な試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

詳細な試験データはみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
フユボダイジュ花エキス 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、フユボダイジュ花エキスは毒性なし(∗1)となっており、安全性に問題はないと考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

フユボダイジュ花エキスは抗炎症成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:抗炎症成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. 日光ケミカルズ(2006)「植物・海藻エキス」新化粧品原料ハンドブックⅠ,372.
  2. 丸善製薬(-)「ボダイジュ(シナノキ)」技術資料.
  3. Maria Laura Barreiro Arcos, et al(2006)「Tilia cordata Mill. extracts and scopoletin (isolated compound): differential cell growth effects on lymphocytes」phytotherapy Research(20)(1),34-40.
  4. Monika E.Czerwińska, et al(2018)「The influence of procyanidins isolated from small-leaved lime flowers (Tilia cordata Mill.) on human neutrophils」Fitoterapia(127),115-122.
  5. 西島 靖(2011)「ファルコレックスHGL」化粧品有用成分バイヤーズガイド,49.

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