ビサボロールとは…成分効果と毒性を解説

抗炎症成分 抗菌成分
ビサボロール
[化粧品成分表示名称]
・ビサボロール

[医薬部外品表示名称]
・ビサボロール

キク科植物カミツレの花から得られる精油に含まれる成分で、無色~淡黄色の透明な粘性の液体です。

医薬品として承認されている成分で、消炎効果と穏やかな静菌効果があり、肌荒れを防ぎ、肌を健康な状態に保つ目的で化粧水、美容液、クリームなどに配合されます。

また、製品自体の変質を防ぐ目的でも使用されます。

実際にビサボロールがどのような製品に配合されているかというと、海外の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに表の中の製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

ビサボロールの配合製品数と配合量の調査(1995-1997年)

ビサボロールの配合製品数と配合量の比較調査

ビサボロールは医薬品成分のため、化粧品に配合する場合は以下の配合上限があります(文献1:2007)

粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの 1.2000g/100g
粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの 1.2000g/100g
粘膜に使用されることがある化粧品 0.7905g/100g

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ビサボロールの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ビサボロールの現時点での安全性は、医薬品に承認されている成分で、化粧品における配合範囲も定められており、化粧品における配合範囲において、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性はデータ不足のため詳細不明ですが、皮膚感作性(アレルギー性)および光感作性の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Bisabolol」(文献1:1999)によると、

  • [ヒト試験] 25人の被検者を用いて0.1%ビサボロールを含む市販品の臨床感作試験を実施した。各被検者にプレ誘導期間においてラウリル硫酸ナトリウムを含む24時間閉塞パッチを適用した後に誘導期間として試験物質0.1gを合計5回、48時間(週末は72時間)パッチ適用した。誘導期間においていずれの被検者も皮膚刺激は認められなかった。10日間の無処置期間を設けた後、チャレンジパッチの前に未処置部位に10%ラウリル硫酸ナトリウムで前処理し1時間適用した後に、この前処理した未処置部位に試験物質の48時間チャレンジパッチを閉塞適用し、パッチ除去後すぐおよび24時間後に評価したところ、いずれの被検者にも皮膚刺激および感作反応は認められなかった(Ivey Laboratories,1992)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、0.1%濃度において皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

未希釈(濃度100%)の試験データは公開されていますが、化粧品配合範囲内での眼刺激データがみあたらないため、データ不足により詳細は不明です。

光感作性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Bisabolol」(文献1:1999)によると、

  • [動物試験] 5匹のモルモットの剃毛した首の皮膚に3%および15%ビサボロールを含むアルコールを塗布し、適用後に65cmの距離で240~540nmのライトを15分間5日連続で照射した。9日間の無処置期間を経てさらに2日間連続してこのプロトコルを繰り返した。次に12日間の無処置期間の後肢を剃毛し市販の石けん溶液をすべてのモルモットの右足に適用し、3%および15%ビサボロールを含む石鹸溶液を左足に適用した後照射する手順を3日間繰り返した。これらの結果、ビサボロールで処理したモルモットでは光感作の示唆は認められなかった(BASF,1981)

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、光感作の兆候なしと報告されているため、光感作はほとんどないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ビサボロール

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ビサボロールは△(∗2)となっており、試験データをみるかぎり、化粧品配合範囲内において安全性に問題ないと考えられます。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ビサボロールは抗炎症成分と抗菌成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:抗炎症成分 抗菌成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(1999)「Final Report on the Safety Assessment of Bisabolol」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/109158189901800305> 2018年4月7日アクセス.
  2. 厚生労働省医薬食品局審査管理課(2007)「化粧品に配合可能な医薬品の成分について」, <https://cosmetic-ingredients.org/ref/20070524_pharmaceutical-ingredient.pdf> 2018年4月7日アクセス.

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