シソ葉エキスとは…成分効果と毒性を解説

抗アレルギー バリア改善
シソ葉エキス
[化粧品成分表示名称]
・シソ葉エキス

[医薬部外品表示名称]
・シソエキス(1)、シソエキス(2)

シソ科植物シソ(学名:Perilla frutescens = Perilla Ocymoides 英名:Perilla)の葉からエタノールBGで抽出して得られる抽出物植物エキスです。

シソ(紫蘇)は、中国を原産とし日本にも古くに伝わっており、アントシアン系の赤い色素であるシアニンの有無によって赤ジソ系と青ジソ系に分けられ、青ジソの葉は大葉ともいわれて刺身のツマや薬味として、赤ジソの葉は梅干しの着色などに利用されています(文献2:2011)

シソ葉エキスは天然成分であることから、地域、時期、抽出方法によって成分組成に差異があると推察されますが、その成分組成は主に、

分類 成分名称
テルペノイド モノテルペン ペリルアルデヒド、リモネン、α-ピネン
フェニルプロパノイド ロスマリン酸

これらの成分で構成されていることが報告されていますが(文献2:2011;文献3:2011;文献4:2013)、生薬系の主要成分であるペリルアルデヒド(perillaldehyde)は抗菌作用が知られていますが(文献3:2011;文献5:2017)、皮膚塗布により接触性皮膚炎を引き起こすことが報告されており(文献6:1982)、化粧品においては一般に除去されています。

そのため、化粧品における主要成分は抗アレルギー・抗炎症作用で知られているロスマリン酸(rosmarinic acid)であると考えられます(文献3:2011;文献7:1986)

シソ葉エキスの化粧品以外の主な用途としては、漢方分野において解熱、鎮咳去痰、健胃、魚介類のよる食中毒の解毒などを目的に用いられています(文献2:2011;文献3:2011;文献4:2013)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、ボディ&ハンドケア製品、シート&マスク製品、メイクアップ化粧品、洗顔料、洗顔石鹸、クレンジング製品などに使用されています。

ヒスタミン遊離抑制およびヒアルロニダーゼ活性阻害による抗アレルギー作用

ヒスタミン遊離抑制およびヒアルロニダーゼ活性阻害による抗アレルギー作用に関しては、まず前提知識として皮膚におけるアレルギーの種類およびⅠ型アレルギー性皮膚炎のメカニズムについて解説します。

皮膚におけるアレルギー反応は、

種類 名称 抗体 抗原 皮膚反応 考えられる主な疾患
Ⅰ型 即時型
アナフィラキシー型
IgE 化粧品、薬剤、洗剤、ダニ、カビ、ハウスダスト、金属、花粉、ほか 15-20分で最大の発赤と膨疹 アナフィラキシーショック、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎、結膜炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、ほか
Ⅳ型 遅延型
細胞性免疫
感作T細胞 細菌、真菌、自己抗原 24-72時間で最大の紅斑と硬結 アレルギー性接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、ほか

主にこの2種類に分類されています(∗1)(文献8:2010;文献9:1968;文献10:1999)

∗1 アレルギーの分類としてはⅠ型-Ⅳ型まで4種類が存在し、Ⅰ型-Ⅲ型までの3種類が即時型に分類されていますが、皮膚に関連するものはⅠ型とⅣ型であることから、ここではⅠ型とⅣ型のみで構成しています。

Ⅰ型アレルギーは、即時型アレルギーまたはアナフィラキシー型とも呼ばれ、皮膚反応としては15-20分で最大に達する発赤・膨疹を特徴とする即時型皮膚反応を示しますが、このⅠ型アレルギー性炎症反応が起こるメカニズムは、以下のアレルギー性皮膚炎のメカニズム図をみてもらうとわかるように、

Ⅰ型アレルギー性皮膚炎のメカニズム

まず、アレルギーを起こす原因物質(抗原)が皮膚や粘膜から体内に侵入すると、抗原提示細胞(ランゲルハンス細胞や真皮樹状細胞)がその抗原の一部を自らの細胞表面に提示し、次にヘルパーT細胞の一種であるTh2細胞が抗原提示細胞の提示した抗原情報を認識し、抗原と結合して抗炎症性サイトカインの一種であるIL-4(Interleukin-4)を分泌します(文献10:1999)

次に、Th2細胞から分泌されたIL-4によりB細胞が刺激を受けIgE抗体を産生し、このIgE抗体が肥満細胞の表面にある受容体に結合することによりIgE抗体と抗原が反応し、肥満細胞に貯蔵されていたケミカルメディエーターであるヒスタミンが放出(脱顆粒)され、同時に細胞膜からはアラキドン酸が遊離し、ケミカルメディエーターであるロイコトリエンやプロスタグランジンに代謝されます(文献10:1999)

そして、放出されたヒスタミンはヒアルロニダーゼを活性化し、アラキドン酸から代謝されたロイコトリエンやプロスタグランジンとともに血管透過性を亢進させて浮腫を起こし、好酸球など炎症細胞の遊走を誘導し、炎症を引き起こします(文献10:1999;文献11:2009)

このような背景から、アレルギー性皮膚炎や肌荒れなどバリア機能が低下している場合に、アレルゲンの曝露からⅠ型炎症までのプロセスにおけるいずれかのポイントにアプローチすることが、アレルギー性炎症の抑制において重要であると考えられています。

1996年に一丸ファルコスによって報告されたシソ葉エキスのヒスタミンに対する影響検証によると、

in vitro試験において各植物エキスのヒスタミン遊離抑制効果を検討するために、ラット肥満細胞浮遊液(3mL)に各植物抽出物(0.5mL)とヒスタミン放出促進剤(脱顆粒促進剤)であるコンパウンド48/80を加えて培養し、反応液からヒスタミンを抽出・精製し、ヒスタミン遊離抑制率を算出したところ、以下のグラフのように、

各植物抽出物のヒスタミン遊離抑制作用

シソ葉エキスは、30%以上のヒスタミン遊離抑制作用を示した。

また、これら植物エキスいずれの組み合わせにおいてもヒスタミン遊離抑制の相乗効果が認められた。

このような試験結果が明らかにされており(文献1:1996)、シソ葉エキスにヒスタミン遊離抑制作用が認められています。

次に、1998年に大阪府立公衆衛生研究所と富山医科薬科大学薬学部の共同研究によって報告されたシソ葉エキスのヒアルロニダーゼに対する影響検証によると、

in vitro試験においてヒアルロニダーゼ溶液0.05mLに酵素活性化剤0.1mLと66種類の生薬の水抽出エキスをそれぞれ0.1mL添加し、処理後に気質溶液0.25mLを加え、反応させたのちにヒアルロニダーゼ阻害率を算出した。

また、生薬特有の成分が阻害作用を示したのか生薬中のタンニンが阻害作用を示したのかを検討するために、生薬のタンニン含有量およびタンニン除去後のヒアルロニダーゼ阻害率も合わせて算出したところ、以下の表のように、

水抽出エキス タンニン量(%) ヒアルロニダーゼ阻害率(%)
タンニン含有 タンニン除去
ヨモギ葉エキス 1.25 39 -1
ゲンノショウコ花/葉/茎エキス 2.00 27 15
ゴシュユ果実エキス 0.55 46 39
クチナシ果実エキス 0.05 78 87
シソ葉エキス 1.30 33 25
ドクダミエキス 0.60 63 49
チョウジエキス 2.15 78 35
セイヨウハッカ葉エキス 1.55 48 21
ビワ葉エキス 1.80 44 32
ハトムギ種子エキス 0 50 49

20%以上のヒアルロニダーゼ阻害率を示したのはこれら10種類であり、シソ葉エキスは33%のヒアルロニダーゼ活性阻害作用を示した。

シソ葉エキスのタンニン含有時の阻害率は33%、タンニン除去時の阻害率は25%であり、シソ葉エキスにおいてはタンニン以外の阻害作用をもつ成分の存在が示唆された。

このような試験結果が明らかにされており(文献12:1998)、シソ葉エキスにヒアルロニダーゼ活性阻害作用が認められています。

さらに、1994年アミノアップ化学によって報告されたアトピー性皮膚炎患者を対象にしたシソ葉エキス配合クリーム塗布による有用性検証によると、

アトピー性皮膚炎およびその周辺皮膚炎を有する30人の患者の患部に3%シソ葉エキスを含むクリームを1日2-3回8週間にわたって単純塗布し、2週間ごとに5回にわたって皮膚反応を評価した。

評価は、全般改善度を試験開始時と比較して「著しく軽快」「かなり軽快」「やや軽快」「不変」「増悪」の5段階で評価し、皮膚所見、全般改善度および副作用を総合して「極めて有用」「有用」「やや有用」「無用」の4段階で評価したところ、以下のグラフのように、

3%シソ葉エキス配合クリームの有用性

全般改善度として、「かなり改善」以上で66.7%、「やや改善」以上で83.4%の比較的高程度の改善性がみられ、また副作用の報告はなく、66.7%の有用性が認められた(やや有用も含めると80.0%)

このような試験結果が明らかにされており(文献13:1994)、シソ葉エキスにアトピー性皮膚炎の改善効果が認められています。

in vitroにおいてヒスタミン遊離抑制作用およびヒアルロニダーゼ活性阻害作用が認められていること、またアトピー性皮膚炎患者の多くに改善傾向がみられたことから、シソ葉エキスはヒスタミン遊離抑制およびヒアルロニダーゼ活性阻害による抗アレルギー作用を有していると考えられます。

セラミド合成促進によるバリア改善作用

セラミド合成促進によるバリア改善作用に関しては、まず前提知識として角質層における細胞間脂質の構造、セラミドの役割およびセラミド産生のメカニズムについて解説します。

以下の表皮最外層である角質層の構造をみてもらうとわかりやすいと思いますが、

角質層の構造

角質層は天然保湿因子を含む角質細胞と角質の間を細胞間脂質で満たした、レンガとモルタルの関係と同様の構造となっており、細胞間脂質は主に、

細胞間脂質構成成分 割合(%)
セラミド 50
遊離脂肪酸 20
コレステロール 15
コレステロールエステル 10
糖脂質 5

このような脂質組成で構成されており(文献14:1995)、その約50%をセラミドが占めています。

これら細胞間脂質は以下の図のように、

細胞間脂質におけるラメラ構造

疎水層と親水層を繰り返すラメラ構造を形成していることが大きな特徴であり、脂質が結合水(∗2)を挟み込むことで水分を保持し、角質細胞間に層状のラメラ液晶構造を形成することでバリア機能を発揮すると考えられており、このバリア機能は、皮膚内の過剰な水分蒸散の抑制および一定の水分保持、外的刺激から皮膚を防御するといった重要な役割を担っています。

∗2 結合水とは、たんぱく質分子や親液コロイド粒子などの成分物質と強く結合している水分であり、純粋な水であれば0℃で凍るところ、角層中の水のうち33%は-40℃まで冷却しても凍らないのは、角層内に存在する水のうち約⅓が結合水であることに由来しています(文献15:1991)。

次に、表皮におけるセラミド生成(合成)プロセスに関しては、以下の表皮におけるセラミド産生プロセス図をみてもらえるとわかりやすいと思いますが、

表皮におけるセラミド産生プロセス

表皮細胞は、角化細胞(ケラチノサイト)とも呼ばれ、表皮最下層である基底層で生成された一個の角化細胞は、その次につくられた、より新しい角化細胞によって皮膚表面に向かい押し上げられていき、各層を移動していく中で有棘細胞、顆粒細胞と分化し、最後はケラチンから成る角質細胞となり、角質層にとどまったのち、角片(∗3)として剥がれ落ちます(文献16:2002)

∗3 角片とは、体表部分でいえば垢、頭皮でいえばフケを指します。

この表皮の新陳代謝は一般的にターンオーバーと呼ばれ、正常なターンオーバーによって皮膚は新鮮さおよび健常性を保持しています(文献17:2002)

セラミドの前駆体かつスフィンゴ糖脂質の一種であるグルコシルセラミドも表皮細胞と同様に基底層で産生され、有棘層から顆粒層へと分化を経て産生量を増やし、角質層において分解酵素であるβ-グルコセレブロシダーゼを介してセラミドに分化されることが知られており(文献18:2008)、またスフィンゴミエリンからもセラミドが合成されることが明らかにされています(文献19:1998)

一方で、皮膚が乾燥寒冷下に長時間曝露されるような外的要因やアトピー性皮膚炎のような内的要因により乾皮症(ドライスキン)が生じた場合は、角質層の機能低下により、角質層の水分保持能の低下およびバリア機能低下による経表皮水分蒸散量(transepidermal water loss:TEWL)の上昇が起こり(文献20:2004)、その結果として角質細胞や細胞間脂質が規則的に並ばなくなり、そこに生じた隙間からさらに水分が蒸散し、バリア機能・保湿機能が低下していくことが知られています(文献21:2002)

このような背景から、低下したセラミド量を回復させることによってバリア機能を改善することは、ドライスキンの改善や皮膚の健常性を維持するために重要であると考えられます。

2006年に日本メナード化粧品によって報告されたシソ葉エキスのセラミド合成およびヒト皮膚に対する影響検証によると、

in vitro試験においてマウスケラチノサイト由来細胞を培養した培地に25種の植物抽出物を最終濃度が固形物として10μg/mLになるように添加し、未添加のセラミド合成促進率を100とした場合の試料添加時のセラミド合成促進量を計測したところ、以下の表のように、

シソ葉エキスのセラミド合成促進作用

シソ葉のエタノール抽出エキスは、有意にセラミド合成を促進することが確認された。

次に、肌荒れ、乾燥肌に悩む30人の女性被検者(18-50歳)に1%シソ葉エキス配合クリームと、対照としてシソ葉エキス未配合の同じクリームを2ヶ月間使用してもらい、2ヶ月後に肌荒れ、乾燥肌の改善効果を評価してもらったところ、以下の表のように、

試料 肌荒れ、乾燥肌への影響(人数)
改善した やや改善した 不変
1%シソ葉エキス配合クリーム 16 12 2
クリームのみ(対照) 6 15 9

1%シソ葉エキス配合クリームの塗布は、未配合クリームと比較して肌荒れや乾燥肌の予防・改善効果に優れていることが確認された。

このような試験結果が明らかにされており(文献22:2006)、シソ葉エキスにセラミド合成促進によるバリア改善作用が認められています。

効果・作用についての補足 – チロシナーゼ阻害による色素沈着抑制作用

チロシナーゼ阻害による色素沈着抑制作用に関しては、まず前提知識としてメラニン色素生合成のメカニズムについて解説します。

以下のメラニン生合成のメカニズム図をみてもらうとわかりやすいと思うのですが、

メラニン生合成のメカニズム図

皮膚が紫外線に曝露されると、細胞や組織内では様々な活性酸素が発生するとともに、様々なメラノサイト活性化因子(情報伝達物質)がケラチノサイトから分泌され、これらが直接またはメラノサイト側で発現するメラノサイト活性化因子受容体を介して、メラノサイトの増殖やメラノサイトでのメラニン生合成を促進させることが知られています(文献23:2002;文献24:2016;文献25:2019)

また、メラノサイト内でのメラニン生合成は、メラニンを貯蔵する細胞小器官であるメラノソームで行われ、生合成経路としてはアミノ酸の一種かつ出発物質であるチロシンに酸化酵素であるチロシナーゼが働きかけることでドーパに変換され、さらにドーパにも働きかけることでドーパキノンへと変換されます(文献23:2002;文献25:2019)

ドーパキノンは、システイン存在下の経路では黄色-赤色のフェオメラニン(pheomelanin)へ、それ以外はチロシナーゼ関連タンパク質2(tyrosinaserelated protein-2:TRP-2)やチロシナーゼ関連タンパク質1(tyrosinaserelated protein-1:TRP-1)の働きかけにより茶褐色-黒色のユウメラニン(eumelanin)へと変換(酸化・重合)されることが明らかにされています(文献23:2002;文献25:2019)

そして、毎日生成されるメラニン色素は、メラノソーム内で増えていき、一定量に達すると樹枝状に伸びているデンドライト(メラノサイトの突起)を通して、周辺の表皮細胞に送り込まれ、ターンオーバーとともに皮膚表面に押し上げられ、最終的には角片とともに垢となって落屑(排泄)されるというサイクルを繰り返します(文献23:2002)

正常な皮膚においてはメラニンの排泄と生成のバランスが保持される一方で、紫外線の曝露、加齢、ホルモンバランスの乱れ、皮膚の炎症などによりメラニン色素の生成と排泄の代謝サイクルが崩れると、その結果としてメラニン色素が過剰に表皮内に蓄積されてしまい、色素沈着が起こることが知られています(文献23:2002)

このような背景から、紫外線の曝露からメラニン排出までのプロセスにおけるいずれかのポイントでメラニンにアプローチすることが、色素沈着の抑制において重要であると考えられています。

1998年に大阪府立公衆衛生研究所と富山医科薬科大学薬学部の共同研究によって報告された生薬のチロシナーゼに対する阻害作用検証によると、

in vitro試験においてL-ドーパを基質としてチロシナーゼ溶液および66種類の生薬の水抽出エキスをそれぞれ添加し処理後にチロシナーゼ阻害率を測定し、また生薬特有の成分が阻害作用を示したのか生薬中のタンニンが阻害作用を示したのかを検討するために、生薬のタンニン含有量およびタンニン除去後のチロシナーゼ阻害率も合わせて測定したところ、以下の表のように、

水抽出エキス タンニン量(%) チロシナーゼ阻害率(%)
タンニン含有 タンニン除去
アセンヤクエキス 3.10 46 -4
ヨモギ葉エキス 1.25 25 7
アンズ種子エキス 0 91 86
ケイケットウエキス 2.70 69 -17
シソ葉エキス 1.30 43 27
チョウジエキス 2.15 42 -15
モモ種子エキス 0.50 66 48

20%以上のヒアルロニダーゼ阻害率を示したのはこれら7種類であり、ビワ葉エキスは43%のチロシナーゼ阻害作用を示した。

ビワ葉エキスのタンニン含有時の阻害率は43%、タンニン除去時の阻害率は27%であり、シソ葉エキスにおいてはタンニン以外の阻害作用をもつ成分の存在が示唆された。

このような試験結果が明らかにされており(文献12:1998)、シソ葉エキスにチロシナーゼ阻害作用が認められています。

ただし、現時点ではヒト皮膚に対するシソ葉エキスの色素沈着抑制に対する有用性試験データがみあたらないことから、ヒト皮膚に対する効果が記載された文献がみつかりしだい追補します。

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シソ葉エキスの安全性(刺激性・アレルギー)について

シソ葉エキスの現時点での安全性は、

  • 外原規2006規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2006に収載
  • 20年以上の使用実績
  • 皮膚一次刺激性:ほとんどなし
  • 皮膚累積刺激性:ほとんどなし
  • 眼刺激性:詳細不明
  • 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)

このような結果となっており、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性について

一丸ファルコスの安全性試験データ(文献1:1996)によると、

  • [動物試験] 5匹のモルモットの除毛した皮膚に固形分濃度0.01%-2.0%シソ葉エキスを24時間貼付し、紅斑および浮腫を指標として一次刺激性を評価したところ、いずれのモルモットも皮膚刺激反応を示さず、この試験物質は陰性であった
  • [動物試験] 5匹のモルモットの除毛した皮膚に固形分濃度1%シソ葉エキスを1日1回週5回、4週間にわたって塗布し、各週の最終日の翌日に紅斑および浮腫を指標として累積刺激性を評価したところ、いずれのモルモットも1-4週にわたって皮膚刺激反応を示さず、この試験物質は陰性であった

と記載されています。

試験データをみるかぎり、皮膚一次刺激および累積刺激なしと報告されているため、一般に皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

皮膚感作性(アレルギー性)について

医薬部外品原料規格2006に収載されており、20年以上の使用実績がある中で重大な皮膚感作の報告がみあたらないため、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

∗∗∗

シソ葉エキスは抗アレルギー成分、バリア改善成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:抗アレルギー成分 バリア改善成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. 一丸ファルコス株式会社(1996)「皮膚外用剤および浴用剤」特開平08-073314.
  2. 鈴木 洋(2011)「蘇葉(そよう)」カラー版 漢方のくすりの事典 第2版,294-295.
  3. 竹田 忠紘, 他(2011)「ソヨウ」天然医薬資源学 第5版,90.
  4. 御影 雅幸(2013)「ソヨウ」伝統医薬学・生薬学,128-129.
  5. 原島 広至(2017)「ソヨウ(蘇葉)」生薬単 改訂第3版,210-211.
  6. 岡崎 直樹, 他(1982)「シソ(紫蘇)による皮膚炎」皮膚(24)(2),250-256.
  7. 池田 剛(1986)「シソ科植物のタンニン活性成分(第1報) : 日本産シソ科植物の Rosmarinic Acid」YAKUGAKU ZASSHI(106)(12),1108-1111.
  8. 厚生労働省(2010)「アレルギー総論」リウマチ・アレルギー相談員養成研修会テキスト5-14.
  9. R.R.A. Coombs, et al(1968)「Classification of Allergic Reactions Responsible for Clinical Hypersensitivity and Disease」Clinical Aspects of Immunology Second Edition,575-596.
  10. 西部 幸修, 他(1999)「植物抽出物の抗アレルギー作用」Fragrance Journal臨時増刊(16),109-115.
  11. 椛島 健治(2009)「皮膚のスーパー免疫」美容皮膚科学 改定2版,46-51.
  12. 沢辺 善之, 他(1998)「生薬の皮膚関連酵素に対する阻害作用」YAKUGAKU ZASSHI(118)(9),423-429.
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  14. 芋川 玄爾(1995)「皮膚角質細胞間脂質の構造と機能」油化学(44)(10),751-766.
  15. G Imokawa, et al(1991)「Stratum corneum lipids serve as a bound-water modulator」Journal of Investigate Dermatology(96)(6),845-851.
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  17. 朝田 康夫(2002)「角質層のメカニズム」美容皮膚科学事典,22-28.
  18. 杉山 義宣(2008)「皮膚の機能制御とスキンケア」化学と生物(46)(2),135-141.
  19. 内田 良一, 他(1998)「表皮角質層のセラミド : その特徴と代謝調節」ファルマシア(34)(8),783-787.
  20. 石田 賢哉(2004)「光学活性セラミドの開発と機能」オレオサイエンス(4)(3),105-116.
  21. 朝田 康夫(2002)「保湿能力と水分喪失の関係は」美容皮膚科学事典,103-104.
  22. 日本メナード化粧品株式会社(2006)「セラミド合成促進剤」特開2006-111560.
  23. 朝田 康夫(2002)「メラニンができるメカニズム」美容皮膚科学事典,170-175.
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