グリチルリチン酸2Kとは…成分効果と毒性を解説

抗炎症成分
グリチルリチン酸2K
[化粧品成分表示名称]
・グリチルリチン酸2K

[医薬部外品表示名称]
・グリチルリチン酸ジカリウム

マメ科植物カンゾウの根または茎から抽出し精製したグリチルリチン酸に水に溶けやすくするためにカリウムを結合させた白色粉末です。

グリチルリチン酸の誘導体で、水に溶けやすいものグリチルリチン酸2k、油に溶けやすいものがグリチルレチン酸ステアリルになります。

強力な消炎作用があり、急性および慢性の皮膚炎に対して著しい効果が明らかにされているため医薬部外品の有効成分にも対応しており、化粧品の場合は、水に溶けやすいため主に化粧水や水溶性の美容液やオールインワンゲルなどに配合されます。

敏感肌用や乾燥肌用など肌に刺激をあたえない(肌にやさしい)化粧品に配合されていることが多いです。

化粧品に配合されている場合の配合範囲が以下になり、

グリチルリチン酸2Kの配合範囲

医薬部外品の化粧品の場合の配合量は以下になります(文献2:2008)

グリチルリチン酸2Kの配合範囲

この配合上限を比較すると興味深いのが、実は医薬部外品のほうが配合上限が少ないということです。

一般的には医薬部外品のほうが成分配合量が多く効果があると思われがちなので、医薬部外品にして期待効果や信頼性を上げたい場合はグリチルリチン酸2Kを配合して医薬部外品の承認を得るというマーケティング技術もみかけます。

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グリチルリチン酸2kの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

グリチルリチン酸2kの現時点での安全性は、一過性かつ軽度の紅斑が起こる可能性がありますが、皮膚刺激性や毒性はほとんどなく、アレルギー(皮膚感作性)の報告もないので、安全性の高い成分であると考えられます。

なお、眼刺激性の詳細は不明です。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内海外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Glycyrrhetinate」(文献1:2007)によると、

  • [ヒト試験] 20人の女性に0.1%グリチルリチン酸を含むアイゲルを1日1回または2回を21日間にわたって目の周りに0.10~0.57g適用したところ、20回目の適用で2名の被検者がまぶたに落屑パッチをつけたが、この事象は試験に関連しているとは考えず、その他の皮膚異常は観察されなかったため、0.1%グリチルリチン酸を含むアイゲルは繰り返し使用しても皮膚刺激性はない
  • [ヒト試験] 100名の被検者(男性57名、女性43名)に0.1%グリチルリチン酸を含むアイゲル0.1mLを週3回24時間3週間にわたって2×2cmパッチに塗布して上腕の側面または背中の側面に適用し、最後のパッチの2~3週間後に24時間のチャレンジパッチを実施したところ、6人の被検者は初期の段階で軽度の紅斑が観察され、48時間から96時間後に減少したが、これらの紅斑は性質上刺激性であると考えられた
  • [ヒト試験] 92名の被検者に0.1%グリチルリチン酸を含む保湿剤0.3mLを閉塞パッチ下で上腕外側に24時間、週3回、3週間にわたって適用し、最後の誘発パッチの11~16日後に24時間のチャレンジパッチを適用したところ、誘導中に35人の被検者に中程度の紅斑がみられ、42人の被検者に軽度の紅斑がみられたが、接触感作のエビデンスはなかった

と記載されています。

試験結果では一過性かつ軽度の紅斑を有する被検者が多かったことも考慮して、一過性の軽度の紅斑が起こる可能性がありますが、皮膚刺激性や毒性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

眼刺激性に関しては、試験データがみつけられなかったため、目刺激性の詳細は不明です。

アレルギー(皮膚感作性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Glycyrrhetinate」(文献1:2007)によると、

  • [ヒト試験] 20人の女性に0.1%グリチルリチン酸を含むアイゲルを1日1回または2回を21日間にわたって目の周りに0.10~0.57g適用したところ、20回目の適用で2名の被検者がまぶたに落屑パッチをつけたが、この事象は試験に関連しているとは考えず、その他の皮膚異常は観察されなかったため、0.1%グリチルリチン酸を含むアイゲルは繰り返し使用しても皮膚感作性はない
  • [ヒト試験] 232人の女性(18~62歳)に0.1%グリチルリチン酸を含むアイゲルを週に3回を3週間にわたって左肩に閉塞パッチで0.1mL適用し、2週間の休息期間後にチャレンジパッチを適用したところ、3名の被検者に誘導期間中に軽度かつ一過性の紅斑がみられ、1名の被検者は最初の適用後に痒みをともなう明確な紅斑がみられた
  • [ヒト試験] 92名の被検者に0.1%グリチルリチン酸を含む保湿剤0.3mLを閉塞パッチ下で上腕外側に24時間、週3回、3週間にわたって適用し、最後の誘発パッチの11~16日後に24時間のチャレンジパッチを適用したところ、誘導中に35人の被検者に中程度の紅斑がみられ、42人の被検者に軽度の紅斑がみられたが、接触感作のエビデンスはなかった

と記載されています。

いくつかのヒト試験で皮膚感作性がみられなかったため、アレルギー(皮膚感作)が起こる可能性は低いと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
グリチルリチン酸2k 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、グリチルリチン酸2kは毒性なし(∗2)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

グリチルリチン酸2kは抗炎症成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:抗炎症成分一覧

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2007)「Final Report on the Safety Assessment of Glycyrrhetinate」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1080/10915810701351228> 2017年10月8日アクセス.
  2. “厚生労働省”(2008)「いわゆる薬用化粧品中の有効成分リストについて」, <http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/yakuyou_kounou_1.pdf> 2017年10月8日アクセス.

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