オリーブ葉エキスとは…成分効果と毒性を解説

抗炎症成分 抗菌成分 抗酸化成分 抗老化成分
オリーブ葉エキス
[化粧品成分表示名称]
・オリーブ葉エキス

[医薬部外品表示名称]
・オリーブ葉エキス

モクセイ科植物オリーブ(学名:Olea europaea 英名:olive)の葉からBG(1,3-ブチレングリコール)で抽出して得られるエキスです。

オリーブ葉エキスの成分組成は、抽出方法や天然成分のため国や地域および時期によって変化がありますが、主に、

  • オレウロペイン

などで構成されています(文献1:2015;文献2:2011)

オリーブは、地中海沿岸地方を原産とし、紀元前3000年にはすでにシリアで栽培されていたとされており、近年は南米、オーストラリア、インドなどで栽培されています。

日本には安土桃山時代にポルトガル宣教師によってオリーブ油が伝えられ、幕末から明治にかけてオリーブの苗木が輸入され、現在でも小豆島を中心に栽培され、小豆島では特産品とされています。

オリーブの葉には、ポリフェノールの一種であり、抗酸化化合物である苦味成分のオレウロペインに強力な抗菌・抗ウィルス作用があることが19世紀に発見され、自然の抗生物質としてインフルエンザやヘルペスなどに用いられてきました(文献2:2011;文献3:2016)

またオレウロペインには抗菌・抗ウィルス作用だけでなく、内服では血圧や血糖値を下げ、また火傷や妊娠線の予防などに軟膏剤やパップ剤の形で外用されてきました(文献2:2011;文献3:2016)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、ボディケア製品、メイクアップ化粧品、洗顔料、洗浄製品などに使用されます(文献1:2015;文献4:2010)

カルボニル化抑制による抗老化作用

カルボニル化抑制による抗老化作用に関しては、まず前提知識としてカルボニル化による真皮タンパク質の黄色化(黄ぐすみ)の機構について解説します。

黄ぐすみは、加齢によって主に40代以降に増え始め、原因として主に糖とタンパク質が結合して変性する糖化によってAGEs(糖化最終産物)が産生されることが提唱されていますが、以下の真皮タンパク質の変性メカニズムをみてもらうとわかるように、

真皮タンパク質の変性メカニズム

紫外線やストレス、または環境汚染物質の刺激を受けた皮膚は、糖化によってAGEs(糖化最終産物)を産生しますが、それだけでなく、カルボニル化によってALEs(脂質過酸化最終産物)も産生します(文献4:2010)

2010年に資生堂と防衛医科大学校皮膚科の共同研究によって報告された黄ぐすみの新メカニズムの解明と黄ぐすみを抑制するエキスの検証によると、

紫外線を浴びた部位の肌の状態を、浴びていない部位と比較して研究した結果、肌の深部にある真皮が黄色化しているのを突き止めた。

さらに、紫外線を浴びた肌の真皮では、脂質の過酸化反応などに起因する「カルボニル化」というタンパク質の変性が生じており、この反応が肌の黄色化に大きく影響していることがわかった。

皮膚真皮モデルの変性比較

また、真皮における黄色化したタンパク質の分布とカルボニル化したタンパク質の分布を詳細に調べたところ、真皮の上部に多く存在していることが明らかになり、年代別に調べたところ、カルボニル化したタンパク質は40代以降になると多くなることが明らかになった。

この結果から、真皮タンパク質のカルボニル化を抑制する成分について約200種類から探索したところ、以下のグラフのように、

オリーブ葉エキスのカルボニル化抑制作用

オリーブ葉エキスに真皮タンパク質の黄色化を抑制する効果が高いことを見出した。

このような検証結果が明らかにされており(文献4:2010)、オリーブ葉エキスにカルボニル化抑制による抗黄ぐすみ作用(抗老化作用)が認められています。

ただし、試験は濃度や期間、抑制率など不明な点が多く、化粧品に配合される場合は、かなり穏やかなカルボニル化抑制作用傾向である可能性があると考えられます。

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オリーブ葉エキスの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

オリーブ葉エキスの現時点での安全性は、10年以上の使用実績があり、重大な皮膚刺激またはアレルギーの報告はなく、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
オリーブ葉エキス 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、オリーブ葉エキスは毒性なし(∗1)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

オリーブ葉エキスは抗炎症成分、抗菌成分、抗酸化成分、抗老化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:抗炎症成分 抗菌成分 抗酸化成分 抗老化成分

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文献一覧:

  1. 宇山 光男, 他(2015)「オリーブ」化粧品成分ガイド 第6版,192.
  2. 鈴木 洋(2011)「オリーブ」カラー版健康食品・サプリメントの事典,28.
  3. 林真一郎(2016)「オリーブ」メディカルハーブの事典 改定新版,34-35.
  4. “資生堂株式会社”(2010)「肌の黄ぐすみの新メカニズムを解明」, <https://www.shiseidogroup.jp/newsimg/archive/00000000001187/1187_y7i15_jp.pdf> 2018年9月16日アクセス.

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