エーデルワイスエキスとは…成分効果と毒性を解説

抗炎症成分 抗酸化成分
エーデルワイスエキス
[化粧品成分表示名称]
・エーデルワイスエキス

キク科植物エーデルワイス(学名:Leontopodium alpinum)の地上部から、またはエタノールで抽出して得られるエキスです。

エーデルワイスエキスの成分組成は、抽出方法や天然成分のため国や地域および時期によって変化がありますが、主に、

  • レオントポド酸
  • ポリフェノール類:クロロゲン酸、イソクロロゲン酸

などで構成されています(文献1:2008;文献2:2012)

エーデルワイスはセイヨウウスユキソウともよばれ、ヨーロッパアルプス山岳地域を生産地とするヨーロッパで最も有名な高山植物です。

標高3,000mの強い紫外線や過酷な気温変化の中で生存するための自己保護物質を産生する機構を有しており、伝統的に抗炎症薬として民間療法に使用されています(文献2:2012)

化粧品に配合される場合は、

これらの目的で、スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、ボディ&ハンドケア製品、日焼け止め製品、洗顔料、などに使用されます(文献1:2008;文献2:2012)

日焼けによる抗炎症作用

日焼けによる抗炎症作用に関しては、2012年に免疫学研究所であるIDIによって報告されたヒトケラチノサイトにおけるレオントポド酸濃縮エタノール抽出物の抗炎症効果によると、

ヒトケラチノサイトにおけるレオントポド酸濃縮エタノール抽出物の抗炎症効果を検証した。

炎症応答はUVA+UVB、リポ多糖、酸化低密度リポタンパク質および炎症性サイトカインの混合物によって誘導された。

レオントポド酸濃縮エタノール抽出物(10μg/mL~50μg/mL)は初期の細胞内酸化窒素レベルを高めることで太陽光UVによる損傷からヒトケラチノサイトを保護した。

このような研究結果が報告されており(文献2:2012)、レオントポド酸を含むエーデルワイスエキスにUVによる損傷からヒトケラチノサイトを保護する作用が認められているため、日焼けによる炎症抑制作用(抗炎症作用)を有していると考えられます。

過酸化水素(H₂O₂)消去能による抗酸化作用

過酸化水素(H₂O₂)消去能による抗酸化作用に関しては、まず前提知識として活性酸素のひとつであるスーパーオキシド(O₂⁻)と過酸化水素について解説します。

スーパーオキシド(O₂⁻)は、体内で最初に発生する代表的な活性酸素のひとつで、具体的には以下のように、

酸素(O₂) → スーパーオキシド(O₂⁻) → 過酸化水素(H₂O₂) → ヒドロキシラジカル(・OH)

活性酸素がより強力になっていく過程で最初に発生します。

生体は、酸素と反応(電子を取り込む)して、まず活性酸素のスーパーオキシドを発生させ、発生したスーパーオキシドは活性酸素分解酵素であるSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)によって水に分解されますが、その過程で活性酸素である過酸化水素が発生します。

発生した過酸化水素は、過酸化水素分解酵素であるカタラーゼによって、また抗酸化物質であるグルタチオンを用いてグルタチオンペルオキシターゼによって水に分解されますが、それでも処理できない場合は、ヒドロオキシラジカルを発生させます。

2008年にイタリアのボローニャ大学薬理学科によって報告されたレオントポド酸の作用メカニズムによると、

エーデルワイスの地上部から単離したレオントポド酸の化学的予防特性を研究した。

細胞生存率および活性酸素種濃度を測定し、グルタチオンペルオキシターゼ活性ならびに還元型グルタチオン濃度とともに、これらのパラメーターに対するレオントポド酸による前処理の効果を調べたところ、レオントポド酸はグルタチオンペルオキシターゼ活性の増強が認められた。

このような研究結果が報告されており(文献1:2008)、レオントポド酸を含むエーデルワイスエキスにグルタチオンペルオキシターゼ増強が認められているため、過酸化水素の抗酸化作用を有していると考えられます。

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エーデルワイスエキスの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

エーデルワイスエキスの現時点での安全性は、10年以上の使用実績があり、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

ただし、詳細な試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
エーデルワイスエキス 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、エーデルワイスエキスは毒性なし(∗1)となっており、安全性に問題ない成分であると考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

エーデルワイスエキスは抗炎症成分、抗酸化成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:抗炎症成分 抗酸化成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. Stefano Costa, et al(2008)「In vitro evaluation of the chemoprotective action mechanisms of leontopodic acid against aflatoxin B1 and deoxynivalenol‐induced cell damage.」Journal of Applied Toxicology(29)(1),7-14.
  2. Lulli Daniela, et al(2012)「Anti-Inflammatory Effects of Concentrated Ethanol Extracts of Edelweiss (Leontopodium alpinum Cass.) Callus Cultures towards Human Keratinocytes and Endothelial Cells.」Mediators of Inflammation,498373.

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