ウンシュウミカン果皮エキスとは…成分効果と毒性を解説

抗炎症成分 血行促進成分
ウンシュウミカン果皮エキス
[化粧品成分表示名称]
・ウンシュウミカン果皮エキス

[医薬部外品表示名称]
・チンピエキス

ミカン科植物ウンシュウミカン(学名:Citrus Unshiu)の果皮からエタノールBG(1,3-ブチレングリコール)、またはこれらの混合で抽出して得られるエキスです。

ウンシュウミカン果皮エキスの成分組成は、天然成分のため国や地域および時期によって変化がありますが、主に、

  • 精油:シネオール
  • フラボノイド類:ヘスペリジン

などで構成されています(文献2:2016)

ウンシュウミカンは日本原産で、明治以降に九州から日本各地に広まり、現在は愛媛・和歌山・静岡・佐賀・熊本の各県で主に栽培されている日本最も有名なミカンです。

医薬分野では、権威作用、蠕動促進作用、中枢抑制、鎮静作用、抗炎症作用などが知られています(文献3:2011)

漢方の分野では、理気、健脾、化痰の効能があり、消化不良による腹満感や嘔気、痰が多くて胸が苦しいときなどに用います(文献3:2011)

化粧品に配合される場合は、抗炎症作用、血行促進作用目的で、肌荒れやくすみを防止するスキンケア化粧品をはじめ、ボディ&ハンドケア製品、日焼け止め製品、パック&マスク製品、洗顔料などに使用されます(文献2:2016)

実際の使用製品の種類や数および配合量は、海外の2016年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

ちなみに製品タイプのリーブオン製品というのは付けっ放し製品という意味で、主にスキンケア化粧品やメイクアップ化粧品などを指し、リンスオフ製品というのは洗浄系製品を指します。

ウンシュウミカン果皮エキスの配合製品数と配合量の調査結果(2016年)

スポンサーリンク

ウンシュウミカン果皮エキスの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

ウンシュウミカン果皮エキスの現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性はデータ不足のため詳細不明ですが、皮膚感作性(アレルギー性)の報告もないため、安全性に問題のない成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Safety Assessment of Citrus Peel-Derived Ingredients as Used in Cosmetics」(文献1:2016)によると、

  • [ヒト試験] 10人の被検者に0.5%ウンシュウミカン果皮エキスを含む製剤を24時間単一パッチ適用したところ、非刺激性であった(Laboratoire Dermascan,2002a)
  • [ヒト試験] 50人の被検者に0.5%ウンシュウミカン果皮エキスを誘導期間およびチャレンジ期間に閉塞パッチ適用し、パッチ除去後に皮膚反応を評価(HRIPT)したところ、皮膚刺激および皮膚感作の兆候はなかった(Laboratoire Dermascan,2002b)
  • [ヒト試験] 49人の被検者に10%ウンシュウミカン果皮エキスを誘導期間およびチャレンジ期間にパッチ適用し、パッチ除去後に皮膚反応を評価(HRIPT)したところ、皮膚刺激および皮膚感作の兆候はなかった(Anonymous,2016a)
  • [ヒト試験] 54人の被検者に100%ウンシュウミカン果皮エキスを誘導期間およびチャレンジ期間にパッチ適用し、パッチ除去後に皮膚反応を評価(HRIPT)したところ、皮膚刺激および皮膚感作の兆候はなかった(Anonymous,2016b)

と記載されています。

試験データをみるかぎり、共通して皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

詳細な試験データはみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ウンシュウミカン果皮エキス

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ウンシュウミカン果皮エキスは■(∗1)となっていますが、安全性データをみるかぎり、安全性に問題はないと考えられます。

∗1 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ウンシュウミカン果皮エキスは抗炎症成分にカテゴライズされています。

成分一覧は以下からお読みください。

参考:抗炎症成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2016)「Safety Assessment of Citrus Peel-Derived Ingredients as Used in Cosmetics」, <https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/FR712.pdf> 2018年7月7日アクセス.
  2. 日光ケミカルズ(2016)「植物・海藻エキス」パーソナルケアハンドブック,p376.
  3. 鈴木 洋(2011)「陳皮(ちんぴ)」カラー版 漢方のくすりの事典 第2版,324-325.

スポンサーリンク

TOPへ