アロエベラ葉エキス(アロエベラ液汁)とは…成分効果と副作用を解説

保湿成分 抗炎症成分
アロエベラエキス(アロエエキス)
[化粧品成分表示名称]
・アロエベラ葉エキス、アロエベラ液汁(改正表示名称)
アロエベラ液汁-1(旧称)

[医薬部外品表示名称]
・アロエエキス(2)

[慣用名]
・アロエベラエキス、アロエエキス

ユリ科植物のアロエベラの葉からアロインを除去して得られたエキスです。

アロエは世界各地に分布し、古くから下痢・やけど・皮膚病・頭痛など万病に効く薬として知られています。

化粧品としてのはたらきは、保湿効果に優れているので、肌広く肌保護用の化粧品に配合されているほか、他の保湿成分との組み合わせによって相乗効果が得られるので、保湿目的の場合は組み合わせて使うほうが適していると考えられます。

よく使用される組み合わせとして、アロエベラ葉エキス、クロレラエキス、クズ根エキス(カッコンエキス)があり、バイオ技術を用いてこれら3つの植物エキスを配合することでプラセンタエキス様作用が期待できることから植物プラセンタと呼ばれています。

すべて植物エキスで保湿と美白作用に優れており、メラニン抑制作用はプラセンタの3倍というデータも明らかになっているだけでなく、細胞賦活作用もすぐれているため、保湿化粧品だけでなく美白化粧品や育毛剤などにも使用されます。

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アロエベラ葉エキスの最新研究結果

情報公開日:2015年8月18日

小林製薬株式会社と近畿大学薬学総合研究所との共同研究により、アロエベラ液汁が皮膚の細胞に分子レベルで作用し、美肌効果を発揮することが発見されました(文献1:2015)

具体的な効果は、

  1. 表皮のターンオーバー促進作用
  2. 細胞接着因子の増加作用
  3. 皮膚構築作用

の3つになります。

以下は、3つの美肌効果の研究結果です。

1.表皮(肌)のターンオーバー促進作用

肌荒れなどの肌トラブルは皮膚の生まれ変わりであるターンオーバーが乱れることが原因のひとつだと考えられています。

アロエベラを含む培地でヒトの表皮細胞を48時間培養し、ターンオーバーの指標となるインボルクリン(∗)遺伝子の発現を調べたところ、以下のグラフのように、

∗ インボルクリンは、皮膚のバリア機能の形成に関わるタンパク質の一つで、表皮細胞の成熟に伴って作られることから分化の指標としてよく用いらます。

インボルクリン遺伝子の発現量

アロエベラによってその発現が増加することが明らかになり、この結果により、アロエベラはターンオーバーを促進することがわかりました。

2.細胞接着因子の増加作用

細胞同士を接着するタンパク質として、インテグリン(∗)やカドヘリン(∗)などが知られており、アロエベラを含む培地でヒトの表皮細胞を48時間培養後、インテグリン及びカドヘリンの抗体で細胞表面を染色し、発現量を調べたところ、以下のグラフのように、

∗ インテグリンは、細胞膜に存在し、主に細胞と細胞外マトリックスの結合に関与する糖タンパク質。
∗ カドヘリンは、細胞膜に存在し、主に細胞と細胞の結合に関与する糖タンパク質。

細胞接着因子のタンパク質発現量
細胞接着因子のタンパク質発現量

これらの細胞接着因子が増加することが明らかになり、この結果より、アロエベラは細胞の接着因子を増やし、強固な皮膚構造に導くことがわかりました。

3.皮膚の構築作用

アロエベラに「表皮(肌)のターンオーバー促進作用」及び「細胞接着因子の増加作用」を認めたことから、アロエベラ液汁を含む培地でヒト表皮細胞を14日間の気相液相培養を行い、角質層を構築した後、切片を作製してHE染色または抗体染色し、構築した皮膚の状態を観察したところ、以下の図のように、

三次元皮膚切片画像

皮膚のバリア機能に重要な顆粒層が厚く、充実した表皮多層構造が確認されました。

この結果より、アロエベラはバリア機能の高い皮膚構造の形成を促し、細胞が詰まって整ったきれいな肌へ導くことがわかりました。

∗∗∗

情報公開日:2017年3月16日

小林製薬株式会社と近畿大学薬学総合研究所の共同研究により、アロエベラ液汁に加水分解ヒアルロン酸の皮膚浸透を高める効果があることが発見されました(文献2:2016)

具体的な効果は、

  1. 加水分解ヒアルロン酸の皮膚浸透を高める作用
  2. 角質層の奥深くまで成分を届ける作用
  3. 低分子成分の浸透促進への関与

の3つになります。

以下は、研究結果です。

1.加水分解ヒアルロン酸の皮膚浸透を高める作用

ヒアルロン酸は代表的な保湿成分のひとつですが、分子量が大きくほとんど皮膚に浸透しないことが知られています。

今回の試験で、3次元ヒト皮膚モデルの角質層側からアロエベラ液汁と加水分解ヒアルロン酸(分子量3200)を同時に添加し、3時間後の加水分解ヒアルロン酸の皮膚浸透量を蛍光強度により算出したところ、

アロエベラ液汁による加水分解ヒアルロン酸の皮膚浸透に対する効果

加水分解ヒアルロン酸の皮膚浸透量が大幅に増加することが明らかになり、この結果、アロエベラ液汁は加水分解ヒアルロン酸の皮膚への浸透を促進することがわかりました。

2.角質層の奥深くまで成分を届ける作用

アロエベラ液汁の浸透促進効果をヒトで確認するため、アロエベラ液汁とともに蛍光色素をヒト前腕部に塗布し、15分後に洗い流して角質層を1枚ずつ観察したところ、以下の角質層の図のように、

アロエベラ液汁の浸透促進効果の観察(角質層)

アロエベラ液汁を塗布したヒト皮膚の蛍光色素が、角質層の奥深くに浸透している様子をとらえることができました。

この結果より、アロエベラ液汁は同時に塗布された成分を角質層の奥深くまで浸透させることがわかりました。

3.低分子成分の浸透促進への関与

アロエベラ液汁に含まれるどの成分が浸透促進効果を発揮するかを明らかにするために、アロエベラ液汁を低分子成分(分子量3000未満)と高分子成分(分子量3000以上)に分けて、3次元培養ヒト皮膚モデルの角質層側から各種アロエベラ液汁と加水分解ヒアルロン酸(蛍光標識、分子量3200)を同時に添加し、3時間後の加水分解ヒアルロン酸の皮膚浸透量を蛍光強度より比較したところ、以下のグラフのように、

アロエベラ液汁の低分子および高分子成分によるヒアルロン酸の浸透促進効果の比較

分子量3000未満の低分子成分に高い浸透促進効果が認められました。

アロエベラ液汁には保湿作用を持つ高分子多糖類が含まれていますが、これとは別の低分子成分が浸透促進に関与していることがわかりました。

アロエベラ葉エキスの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

アロエベラ葉エキスの現時点での安全性は、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性はデータ不足のため詳細不明ですが、化粧品に配合されるアロエベラ葉エキスはアレルギーやかぶれの原因となる医薬品成分であるアロインが除去されており、皮膚感作性(アレルギー性)、光毒性および光感作性もほとんどないため、安全性の高い成分であると考えられます。

医薬品のアロエベラエキス配合の皮膚外用薬はアロインが含まれているため、アレルギーやかぶれが起こる可能性があるので注意が必要です。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性について

試験結果や安全性データはみあたりませんが、古くから使用実績があり、あかぎれや傷ついた皮膚を治療する軟膏などの皮膚外用薬にも使用されているため、皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験結果や安全性データがみあたらないため、現時点ではデータ不足により詳細は不明です。

皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Aloe Andongensis Extract, Aloe Andongensis Leaf juice, Aloe Arborescens Leaf Extract , Aloe Arborescens Leaf Juice, Aloe Arborescens Leaf Protoplasts, Aloe Barbadensis Flower Extract, Aloe Barbadensis Leaf, Aloe Barbadensis Leaf Extract, Aloe Barbadensis Leaf Juice, Aloe Barbadensis Leaf Polysaccharides, Aloe Barbadensis Leaf Water, Aloe Ferox Leaf Extract, Aloe Ferox Leaf Juice, and Aloe Ferox Leaf Juice Extract」(文献3:2007)によると、

  • [ヒト試験] 26人の被検者に0.05%アロエベラ葉エキスを含むトナーの皮膚アレルギー試験を行ったところ、皮膚感作性は観察されなかった

と記載されています。

試験結果はひとつで根拠としては弱いですが、化粧品で使用するアロエベラ葉エキスは、アレルギーの原因となり得る医薬品成分であるアロインが除去されていることもあり、皮膚感作(アレルギー)はほとんど起こらないと考えられます。

ネット上ではアロエでアレルギーやかぶれが起こったという記事もみられますが、同じアロエベラエキスでも医薬品の軟膏やクリームの場合はアロインが含まれているので、アレルギーやかぶれが起こる可能性があります。

また、化粧品でもキダチアロエはアロインを除去しなくてもいいとされているので、キダチアロエはアレルギーやかぶれが起こる可能性があります。

光毒性および光感作性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report on the Safety Assessment of Aloe Andongensis Extract, Aloe Andongensis Leaf juice, Aloe Arborescens Leaf Extract , Aloe Arborescens Leaf Juice, Aloe Arborescens Leaf Protoplasts, Aloe Barbadensis Flower Extract, Aloe Barbadensis Leaf, Aloe Barbadensis Leaf Extract, Aloe Barbadensis Leaf Juice, Aloe Barbadensis Leaf Polysaccharides, Aloe Barbadensis Leaf Water, Aloe Ferox Leaf Extract, Aloe Ferox Leaf Juice, and Aloe Ferox Leaf Juice Extract」(文献3:2007)によると、

  • [ヒト試験] 10人の被検者に0.05%アロエベラ葉エキスを含むトナーの光毒性試験を行ったところ、試験部位において照射および未照射にかかわらず皮膚反応は観察されなかった
  • [ヒト試験] 10人の被検者に0.05%アロエベラ葉エキスを含む化粧水の光毒性試験を行ったところ、試験部位において照射および未照射にかかわらず皮膚反応は観察されなかった
  • [ヒト試験] 10人の被検者に0.1%アロエベラ葉エキスを含むゲルの光毒性試験を行ったところ、試験部位において照射および未照射にかかわらず皮膚反応は観察されなかった
  • [ヒト試験] 26人の被検者に0.05%アロエベラ葉エキスを含むトナーの光アレルギー試験を行ったところ、光感作性は観察されなかった

と記載されています。

試験結果をみるかぎり、光毒性および光感作性は観察されていないため、光毒性および光感作性はないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
アロエベラ葉エキス

参考までに化粧品毒性判定事典によると、アロエベラ葉エキスは△(∗2)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

アロエベラ葉エキスは抗炎症成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:抗炎症成分一覧 保湿成分一覧

∗∗∗

文献一覧:

  1. 小林製薬(2015)「アロエベラ液汁に計3点の美肌効果を新たに確認」, <https://www.kobayashi.co.jp/corporate/news/2015/150818_01/index.html> 2017年8月20日アクセス.
  2. 小林製薬(2016)「美肌効果の解明が進むアロエベラ液汁 新たに加水分解ヒアルロン酸の皮膚浸透を高める効果を発見」, <https://www.kobayashi.co.jp/corporate/news/2017/170316_02/index.html> 2017年8月20日アクセス.
  3. “Cosmetic Ingredient Review”(2007)「Final Report on the Safety Assessment of Aloe Andongensis Extract, Aloe Andongensis Leaf juice, Aloe Arborescens Leaf Extract , Aloe Arborescens Leaf Juice, Aloe Arborescens Leaf Protoplasts, Aloe Barbadensis Flower Extract, Aloe Barbadensis Leaf, Aloe Barbadensis Leaf Extract, Aloe Barbadensis Leaf Juice, Aloe Barbadensis Leaf Polysaccharides, Aloe Barbadensis Leaf Water, Aloe Ferox Leaf Extract, Aloe Ferox Leaf Juice, and Aloe Ferox Leaf Juice Extract」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1080/10915810701351186> 2017年10月15日アクセス.

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