アラントインとは…成分効果と毒性を解説

抗炎症成分
アラントイン
[化粧品成分表示名称]
・アラントイン

[医薬部外品表示名称]
・アラントイン

牛の羊膜の分泌液から発見された成分で、水によく溶ける白色の粉末です。

尿素から合成されたり、コンフリーの葉など植物から抽出されて原料化されています。

医薬品として肌荒れやニキビの赤みを抑える消炎効果や抗アレルギー作用、細胞の活性化に高い効果が認められており、化粧品に配合されると医薬部外品の化粧品となります。

抗炎症作用と関連して抗刺激作用もあり、これは化粧品の中に刺激のある成分が存在している場合にアラントインを併用することでその成分の刺激性が抑えられるということで、メイクアップ製品の染料による刺激が気になったり、敏感肌向け化粧品だけど成分的にチャレンジしていきたい場合に適しています。

また、育毛作用も明らかになっているため、育毛製品にも使用されたり、花粉症などアレルギーとなった目の粘膜に効果的なので、目薬に配合される代表的な成分でもあります。

アラントインは医薬品成分のため配合上限があり、以下のような配合基準となっています。

粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの 0.5g/100g
粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの 0.3g/100g
粘膜に使用されることがある化粧品 0.2g/100g

実際にどのような製品にどのくらいの濃度範囲で配合されているのかというと、海外の2007年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。

アラントインの配合製品数と配合量の調査結果(2007年)

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アラントインの安全性(毒性・刺激性・アレルギー)について

アラントインの現時点での安全性は、皮膚刺激性や毒性および眼刺激性はほとんどなく、アレルギー(皮膚感作)の報告もないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

安全性を調査するために、国内外を問わず信頼性が高いと思われる安全性データシート(∗1)やレポートを参照しています。

∗1 安全性データシートとは、化粧品製造会社や化粧品販売会社のために提供されている成分の安全性データが記載されているシートで、一般消費者向けの資料ではありませんが、安全性を考える上で重要なエビデンスのひとつとなるため、一部引用させていただいています。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report of the Safety Assessment of Allantoin and Its Related Complexes」(文献1:2010)によると、

  • [ヒト試験] Akema Fine Chemicalsは200人の健康なボランティアに対してアラントインを使用したところ、いずれの被検者も皮膚刺激および皮膚感作がなかったことを報告した
  • [ヒト試験] 50人のボランティア(男性19人、女性31人、18~72歳、アレルギー11人、敏感肌7人)の背中にアラントイン2~5mg/cmを含む絆創膏を24時間適用し、除去後および72時間後に評価したところ、刺激の兆候はなかった
  • [ヒト試験] 105人の被検者(16~78歳)の背中に0.095%アラントインを含む製剤0.2mLを吸収パッド下で24時間、週3回合計9回適用し、2週間の無処置期間を経てチャレンジパッドを24時間敏感な部位に適用した。24時間および72時間後に試験部位を評価したところ、試験を通してまれに散逸的に浮腫または乾燥を伴った中等の反応が観察されたが、アレルギー性接触感作の兆候は観察されなかったため、臨床的に有意な皮膚刺激およびアレルギー性接触感作の可能性を示していないと結論づけた
  • [ヒト試験] パーソナルケア製品評議会に提出されたアラントインを含有する製品のレポートによると、自己感知性敏感肌を含む33人の被検者に0.5%アラントインを含むベビータルクを21日間の累積刺激試験において繰り返し適用したところ、正規化スコアで最大630のうち0.00で皮膚刺激は検出されなかった。また、同じ製品の2回目の試験では、自己感知性敏感肌の35人の被検者で試験を行なったところ、正規化スコア最大630のうち8.9で皮膚刺激は検出されなかった
  • [ヒト試験] 214人の被検者に0.5%アラントインを含むベビータルクを反復パッチテストしたところ、誘導期間において212人に反応はみられなかったものの2人の被検者は最小の疑わしい反応を示した。チャレンジ段階では反応は示されなかった
  • [動物試験] 資生堂リサーチセンターは、3匹のモルモットのシェービングした無傷の側面に10%アラントイン水溶液を3日間毎日24時間適用したところ、累積刺激スコアは0.2であったため、アラントインは軽度の刺激なしと分類され、化粧品成分としての使用に安全であると結論づけた

と記載されています。

ヒト試験結果では共通して刺激性および感作性なしと結論づけられているため、皮膚刺激性および皮膚感作(アレルギー)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

“Cosmetic Ingredient Review”の「Final Report of the Safety Assessment of Allantoin and Its Related Complexes」(文献1:2010)によると、

  • [動物試験] Centre International de Toxicoligieは6匹のウサギの片眼にアラントイン100mgを点眼する一次眼刺激性試験を行った。点眼1,24,72および96時間後に眼を検査したところ、アラントインは眼を刺激しないと結論づけた

と記載されています。

試験はひとつで根拠としては弱いですが、目薬にもよく配合されており、眼を刺激しないと結論づけているため、現時点では眼刺激性は起こらないと考えられます。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
アラントイン 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、アラントインは毒性なし(∗2)となっており、毒性に関しては心配する必要はありません。

∗2 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

アラントインは抗炎症成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:抗炎症成分一覧

∗∗∗

文献一覧:

  1. “Cosmetic Ingredient Review”(2010)「Final Report of the Safety Assessment of Allantoin and Its Related Complexes」, <http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1091581810362805> 2017年11月2日アクセス.

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