ユビキノン(コエンザイムQ10)とは…成分効果と毒性を解説

抗シワ成分 抗老化成分 保湿成分
ユビキノン(コエンザイムQ10)
[化粧品成分表示名称]
・ユビキノン

[医薬部外品表示名称]
・ユビデカレノン

[慣用名]
・コエンザイムQ10、CoQ10

一般的にはコエンザイムQ10と呼ばれており、生体内に存在するエネルギーを生産するためにエネルギー代謝に関わっている補酵素のひとつで、酸化還元反応に関与する電子伝達系のベンゾキノン誘導体です。

1967年に日清製粉(現在は日清ファルマ)が初の量産化に成功し、日本では1974年以降にうっ血性心不全の治療薬として使用されており、当初は原則として化粧品では使用できませんでしたが、その後の臨床研究で心不全に対する効果がほとんどないことが明らかになったことで使用されなくなり、2001年には医薬品から除外され、2004年以降に薬事法の改正によって化粧品への配合が認められ、現在では化粧品でも広く使用されています。

化粧品の効果としては、トコフェロール(ビタミンE)と同じような抗酸化作用があり、老化の原因のひとつである活性酸素を除去して細胞や組織を老化から予防するほか、紫外線A波(UVA)によるDNA損傷を抑制する作用が明らかになっています(文献1:1999)

ただし、ユビキノンは分子量が800以上であり、経皮吸収の効率は悪いと推測されています。

1999年に報告されているユビキノンがヒト皮膚に与える影響に関するデータ(文献1:1999)によると、

  • 0.3%ユビキノン配合クリームを7日間毎日2回塗布すると少量紫外線Aによる活性酸素の発生を抑制できる
  • 眼瞼周辺のシワに0.3%ユビキノンを6ヶ月間塗布するとシワの深さが有意に減少する

このように報告されています。

ただし、この試験では配合量が明示されておらず、日本におけるユビキノンの化粧品への配合上限は0.03%までなので、日本の化粧品において同様の抗酸化作用が期待できるかは不明ですが、2006年にゼリア新薬工業株式会社、アプト株式会社、東京大学大学院新領域創成科学研究科によって報告された白金ナノコロイド、ユビキノン(還元型)、およびトコフェロールの抗酸化作用の増強効果試験によると、

白金ナノコロイド、ユビキノン、水溶性ビタミンE誘導体の併用による抗酸化作用の増強効果比較

単一成分としての抗酸化力は白金ナノコロイドが最も高く、またそれぞれは相乗効果によって抗酸化力が増強されることが明らかにされています(文献3:2006)が、ここで使用されている濃度は白金ナノコロイド(0.2μg/mL)、ユビキノン(10μg/mL)、トコフェロール(5μg/mL)であり、この試験をみるかぎりではユビキノンは0.03%以下でも単独で抗酸化作用を有していると考えられます。

ただし、ユビキノンは本来、ミトコンドリアの膜で電子を受け渡しするための補酵素で、直接活性酸素と反応することがないので、化粧品におけるユビキノンの抗酸化作用に関しては現時点では化学的根拠が乏しいとも考えられます。

また、日本精化が2011年に公開している5人の被検者を用いた0.03%ユビキノンリポソーム配合化粧水の角層コンダクタンス(∗1)および角層水分蒸散量(TEWL)の比較試験によると、

∗1 コンダクタンスは皮膚に電気を流した場合の抵抗を表し、角層水分量が多いと電気が流れやすくなるため、コンダクタンスが高値になります。

ユビキノンの角層コンダクタンス比較

ユビキノンの角層水分蒸散量比較

この試験では皮膚に浸透しやすいリポソーム化したユビキノンを使用していますが、0.03%濃度でも角層水分含有量および角層水分蒸散量のいずれにおいても有意な差が認められ、保湿効果を有していることが明らかにされています。

ユビキノンは医薬品成分であり、化粧品に配合する場合は2004年10月から以下の配合範囲内においてのみ認可されています。

粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの 0.03g/100g
粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの 0.03g/100g
粘膜に使用されることがある化粧品 配合不可

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ユビキノンの安全性(刺激性・アレルギー)について

ユビキノンの現時点での安全性は、生体内に存在する補酵素であり、医薬品としても認可されているため、皮膚刺激性はほとんどなく、眼刺激性はデータ不足のため詳細不明ですが、皮膚感作性(アレルギー性)もほとんどないため、安全性の高い成分であると考えられます。

以下は、この結論にいたった根拠です。

皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について

試験データはみあたりませんが、生体内に存在する補酵素であり、医薬品としても認可されており、配合上限を設けて化粧品でも認可されているため、皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられます。

眼刺激性について

試験データがみあたらないため、眼刺激性はデータ不足により詳細は不明です。

化粧品毒性判定事典による毒性判定について

化粧品成分名 判定
ユビキノン 毒性なし

参考までに化粧品毒性判定事典によると、ユビキノンは化粧品配合範囲ないにおいて、毒性なし(∗2)となっており、安全性に問題はないと考えられます。

∗21 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

ユビキノンは抗シワ(抗老化)成分、保湿成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:抗シワ(抗老化)成分 保湿成分

∗∗∗

文献一覧:

  1. Hoppe U. et al.(1999)「Coenzyme Q10, a cutaneous antioxidant and energizer.」, <https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10416055> 2018年4月11日アクセス.
  2. 渡部 一夫(2005)「美容成分としてのコエンザイムQ10」Fragrance Journal(33)(8),p46-51.
  3. 川崎 大輔, 深堀 勝博, 栗本 忠, 梶田 昌志, 宮本 有正(2006)「白金ナノコロイド、コエンザイムQ10およびビタミンEの併用による抗酸化作用の増強」Fragrance Journal(34)(11),p90-94.

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