フラーレンとは…成分効果と毒性を解説

抗シワ成分 抗老化成分
フラーレン
[化粧品成分表示名称]
・フラーレン

フラーレンは1985年に発見された比較的新しい物質で、60個の炭素のみでできたサッカーボールのような球状の分子です。

化粧品の原料として使用されたのは、2005年にラジカルスポンジ®という水溶性フラーレン、2009年には油溶性フラーレンのリポフラーレン®が登場し、現在は以下の5つの種類となっています。

フラーレンの種類

  1. Radical Sponge(ラジカルスポンジ®):水溶性フラーレン
  2. LipoFullerene(リポフラーレン®):油溶性フラーレン-オリーブスクワラン分散型
  3. Moist Fullerene(モイストフラーレン®):リポゾーム化用フラーレン-保湿と浸透性
  4. Veil Fullerene(ヴェールフラーレン®):パウダータイプフラーレン-メイク用品に最適
  5. Fullavie®(フラヴィ):リポゾーム化用フラーレン配合化粧品原料

フラーレンの技術や登録商標はビタミンC60バイオリサーチ株式会社のものです。

フラーレンが化粧品成分として注目を集めている理由は、その高い抗酸化力と持続性の高さにあります。

抗酸化力のある成分で有名なものにビタミンC(アスコルビン酸)がありますが、フラーレンの抗酸化力は、ビタミンCの125倍~250倍というのが試験データにより明らかになっています。

参考:βカロテン退色法による高酸化能評価データ

また、ビタミンC誘導体と比べて抗酸化持続力が高いことも明らかになっています。

参考:ビタミンC、ビタミンEとの抗酸化持続力比較データ

まだ、歴史が浅いのですが、これまで行われた様々な研究によると、フラーレンを添加した肌において、

  • 美白効果(メラニンの産生が抑制されていることを確認)
  • 目尻の小ジワ改善効果(1%のリポフラーレンを8週間塗布することでシワの減少を確認)
  • 保湿効果(ラジカルスポンジを1日朝晩2回5日間塗布すると2日目に塗布しない肌より20%以上の肌バリアの回復を確認)
  • ニキビ改善効果(リポフラーレン1%配合ジェルを0.4mLずつ朝晩2回8週にわたって顔に塗布したところ4週目から明らかなニキビの減少を確認。8週目には水分量の増加もみられ乾燥の防ぐことが明らかになった)
  • 毛穴引き締め効果(ラジカルスポンジ1%配合ローションを朝晩2回3ヶ月塗布すると2ヶ月後に目立っていた毛穴量が20%減少し、3ヶ月後は毛穴の面積が明らかに小さくなっていることを確認)

参考:フラーレンの美容効果の試験データ

これらの様々な効果が明らかになっており、小ジワの改善効果をはじめ総合的に肌をキレイにする効果があるので注目度の高さも頷けます。

すでにフラーレンの種類について紹介しましたが、フラーレンを規定値以上配合した化粧品(∗1)には上のロゴマークが付与されるため、パッケージや成分表示のラベルなどにロゴマークが見つかれば規定値以上のフラーレンが配合されている証拠となります(∗2)

∗1 フラーレンの規定値は1%です。

∗2 既定値以下しか配合されていない場合はロゴマークが使用できないので、ロゴマークは配合量の目安になりますが、化粧品メーカーによっては付与されたロゴマークをつけていない場合もあるので、結局のところ直接確認する必要があります。

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フラーレンの最新研究結果

情報公開日:2015年3月30日

ビタミンC60バイオリサーチ株式会社と東京工科大学応用生物学部美科学研究室との共同研究により、フラーレンの新たな美白効果として酸化ストレスによって起こる皮膚角層のバリア機能低下に対する予防・改善効果が発見されました(文献1:2015)

フラーレンはもともとフリーラジカル消去作用を持っており、これまでの研究でも紫外線による角質バリアの機能低下に対して予防・改善効果があることが示されていましたが、この発見はそれを明らかにしたものになります。

以下のグラフはヒト皮膚での臨床試験の結果です。

水溶性フラーレン(RS)塗布によるヒト角層の変化-テープ2日後のバリア回復率

テープによって角層を複数回剥がすと酸化ストレスが発生して肌荒れ状態が起こります。

このように強制的に酸化ストレスにさらされた状態のヒトの皮膚に水溶性フラーレン(RS)を塗布して2日経過観察した結果、塗布していないヒト皮膚のバリア回復率が30%だったのに対して、塗布したヒト皮膚は約50%のバリア回復率を示しました。

水溶性フラーレン(RS)塗布によるヒト角層の変化-角層細胞の割合

同じく2日経過観察した結果を角層細胞の割合でみてみると、塗布していない角層細胞は成熟したもの20%、未熟なものが80%ですが、塗布した角層細胞は成熟したもの40%、未熟なもの60%と成熟率が高いことが確認されました。

以下の画像は角層細胞の成熟度を比較した染色写真です。

水溶性フラーレン(RS)塗布による角層細胞成熟度の比較(染色写真)

水溶性フラーレン(RS)を塗布したもののほうが成熟した角層細胞が明らかに多いのがわかります。

これらの結果から、紫外線や皮脂の酸化などによる酸化ストレスの高まりによって起こる皮膚角層のバリア機能の低下を防ぎ、肌荒れを防止・改善する効果があると考えられています。

∗∗∗

情報公開日:2015年3月31日

ビタミンC60バイオリサーチ株式会社と県立広島大学生命環境学部生命科学科 斉藤靖和准教授との共同研究により、日常生活における紫外線暴露状況に近い間欠的(繰り返し)紫外線照射によるヒト皮膚表皮細胞傷害に対する優れた防御効果を新たに発見されました(文献2:2015)

紫外線は活性酸素やフリーラジカルを発生させて二次的に細胞障害、細胞死、DNA損傷、皮膚老化、ガン化などの悪影響をもたらすことが知られています。

今回の研究では、ポリビニルピロリドンで包接した水溶性フラーレンをヒト皮膚表皮細胞に添加し、紫外線を間欠照射したところ、ヒト皮膚表皮細胞内のスーパーオキシドアニオンラジカル(活性酸素の一種)及び細胞死を起こす際に増加するカスパーゼ3/7活性の経時的な増加が抑制されることが確認されました。

また、紫外線照射後に増加する細胞内およびミトコンドリア内のスーパーオキシドアニオンラジカルの消去、抑制効果を示すことが分かりました。

これらの抑制効果は、一般的な抗酸化剤であるビタミンC誘導体やビタミンE誘導体と比較しても格段に優れていることも明らかになりました。

この結果により、紫外線によって引き起こされる肌への悪影響をフラーレンが防止・抑制することが期待できます。

∗∗∗

情報公開日:2016年1月8日

ビタミンC60バイオリサーチ株式会社は、フラーレンに肌の乾燥や黄ぐすみの原因となるタンパク質のカルボニル化を抑制する効果を新たに確認しました(文献3:2016)

黄ぐすみの原因となるタンパク質のカルボニル化について解説しておくと、以下の図のように、

タンパク質のカルボニル化の解説図

紫外線によって発生した活性酸素がタンパク質のカルボニル化(酸化の一種)を促進させて、さらにカルボニル化タンパク質の光増感作用によって活性酸素が増加するという負のループが生じ、またそれが皮膚の乾燥に繋がることが報告されています。

以下のグラフはヒト皮膚での実験結果です。

タンパク質のカルボニル化の抑制効果

ヒト角層に紫外線(UVA)を照射し、その後角層中のカルボニル化タンパク質量を測定したところ、フラーレン無添加の場合は大きくカルボニル化タンパク質が増加したのに対して、フラーレンを添加した場合はカルボニル化タンパク質が有意に抑制されました。

また、以下のグラフは、活性酸素の抑制効果を測定したものですが、

活性酸素の抑制効果

フラーレンを添加した場合は、無添加のものより紫外線照射後のスーパーオキシドアニオンラジカルの発生が有意に抑制されました。

これらの研究結果により、フラーレンの活性酸素除去能力によって肌の角層におけるタンパク質のカルボニル化が抑制されたことが確認されました。

∗∗∗

情報公開日:2016年2月23日

ビタミンC60バイオリサーチ株式会社は、フラーレン化粧品原料の一つであるMoist Fullerene(モイストフラーレン)にて、たるみを改善する効果を確認しました(文献4:2016)

以下のグラフはヒト皮膚での実験結果です。

試験方法として、モイストフラーレン1%配合美容液を顔の半分にのみ朝・晩のスキンケアに追加し、28日間塗布したうえで、モイストフラーレン塗布部と無塗布部で、たるみと肌色の変化量を測定し比較します。

たるみの測定方法は以下の図のように、

たるみ測定

顔面にシールを貼り、座っているときと寝ているときの各シールの移動距離を測定し、移動距離が少ないほどたるみ具合が少ないことを表します。

測定結果は、目の下と下頬でそれぞれ、

たるみの比較(目の下)

∗ MFはモイストフラーレンの略です。

たるみの比較(下頬)

となっており、モイストフラーレンによってたるみが改善し、ひきしめ効果が確認されました。

また、モイストフラーレン配合美容液を28日間使用後、使用前と比較すると、分光反射率(∗)が上がり、肌の透明度が改善されたことがわかりました。

∗ 分光反射率とは、物体に光があたった時の反射する光の量のことで、反射率が高いほど肌の透明度が高いとされています。

肌の透明度比較

これらの実験結果により、モイストフラーレン1%配合化粧品を一ヶ月使用することでお肌のたるみ、透明度が改善することが明らかになりました。

∗∗∗

情報公開日:2016年9月16日

ビタミンC60バイオリサーチ株式会社は、フラーレンが持続的に細胞死の原因となるカスパーゼ3/7(タンパク質分解酵素)の活性を抑制する様子の撮影に成功いたしました(文献5:2016)

カスパーゼ3/7(タンパク質分解酵素)の活性を抑制するという実験成果は、2015年3月31日の追記で明らかになっていますが、その様子を撮影することに成功し、成果を決定的なものにしたというのが今回の趣旨になります。

実際の撮影画像は以下になります。

カスパーゼ3/7の活性比較

今回の実験では、ヒト表皮角化細胞に紫外線(UVA)を複数回照射後に、経時的にカスパーゼ3/7活性化量を確認したところ、時間とともに大幅に増加することが確認されました。

一方で、事前にフラーレンを添加したヒト表皮角化細胞は、20時間後もカスパーゼ3/7活性が抑制されることが確認されました。

フラーレンのカスパーゼ3/7活性抑制の様子の撮影にも成功し、フラーレンの有用な効果をはっきりと確認することができました。

∗∗∗

情報公開日:2017年7月21日

ビタミンC60バイオリサーチ株式会社と県立広島大学 生命環境学部 生命科学科 齋藤 靖和教授との共同研究により、フラーレンが大気汚染等で発生するNO・(窒素化合物ラジカル)によって引き起こされる細胞死を抑制することが確認されました(文献6:2017)

以下のグラフは、大気汚染やタバコの有毒ガスにより発生し、肌に有害と言われているNO・(窒素化合物ラジカル)とパーオキシナイトライトをフラーレン無添加、0.5%添加、1%添加したヒト表皮角化細胞の細胞生存率を比較した実験結果です。

フラーレン添加による細胞生存率の比較

SNAPというのがNO・(窒素化合物ラジカル)発生試薬で、試薬を添加して24時間後のR.S 0%(フラーレン無添加)、R.S 0.5%(フラーレン0.5%添加)、R.S 1%(フラーレン1%添加)のグラフです。

フラーレン無添加(R.S 0%)では細胞生存率が20%まで落ち込みますが、フラーレン1%(R.S 1%)では約60%の細胞が生存しており、無添加と比較すると約40%以上の細胞生存率の上昇が確認されました。

この実験結果から、フラーレンが大気汚染やタバコの煙等により発生する窒素化合物ラジカルの発生を抑制し、肌トラブルを防ぐことが期待できます。

∗∗∗

情報公開日:2017年8月17日

ビタミンC60バイオリサーチ株式会社と東京工科大学 応用生物学部 前田 憲寿教授との共同研究にて、フラーレンが肌の保湿に重要となるセラミドを増加させるメカニズムが確認されました(文献7:2017)

セラミドは、肌の保湿因子のひとつで脂肪酸などから構成され、大きく分けて長鎖脂肪酸とそれ以下の脂肪酸があり、健常なバリア機能をもつ肌では長鎖脂肪酸型セラミドが多いことが知られています。

参考:セラミドの種類・成分効果と毒性を解説

以下のグラフは、三次元培養表皮モデルを使用した研究結果です。

フラーレンによりセラミドの合成因子の量が増加

フラーレン添加の有無によるセラミド合成の鍵となる酵素(SPTLC2;セリンパルパルミトイルトランスフェラーゼ2)の合成因子(mRNA)の発現量への影響を測定した結果、フラーレン添加によりSPTLC2の合成因子発現量が増加する傾向が認められました。

フラーレンにより長鎖脂肪酸を持つセラミドの合成因子の量が増加

さらに、フラーレンの添加の有無による、長鎖脂肪酸型セラミドの合成に必要となる酵素「セラミドシンターゼ2」の合成因子(mRNA)の発現量への影響を測定した結果、フラーレン添加によりセラミドシンターゼ2の合成因子の発現量が増加する傾向が認められました。

これらの研究結果から、フラーレンは、セラミド及び特に重要な長鎖脂肪酸型セラミドの合成に必要となる因子の量を増やすことにより、セラミドを増やし肌の保湿を実現することがわかりました。

フラーレンの安全性(刺激性・アレルギー)について

フラーレンの安全性や毒性に関しては、フラーレンを唯一取り扱っているビタミンC60バイオサーチ株式会社の安全性に関する公表が最も正確だと判断したうえで、ラジカルスポンジ、リポフラーレン、モイストフラーレン、ヴェールフラーレンのいずれも、食べた場合、目に入った場合、皮膚に塗った場合、アレルギーになるかどうか、に関して発がん性や毒性はみられず安全性が確認されており、ヒトパッチテストでも安全性が確認されています。

また、敏感肌の人を対象にしたスティンギングテストを実施したところ刺激を感じる方は0人で、敏感肌でも安心して使用できることが確認されています。

ビタミンC60バイオサーチ株式会社に確認したところ、10%の配合までは刺激がないことが確認されているとのことです。

ビタミンCと同様の抗酸化効果や酸化還元効果があるため、刺激があるのではないかと思うかもしれませんが、ビタミンCとは抗酸化のメカニズムが違うためビタミンCのように刺激が起きるというわけではありません。

具体的にはビタミンCの酸化還元反応は水素を持っているから起こる反応ですが、フラーレンには水素がなく電子によって酸化還元反応を起こします。

フラーレン自体の安全性については、国家プロジェクトとして多くの大学や専門機関が安全性試験を行っており、問題がないことが確認されています。

専門的に詳しく安全性の評価が知りたい方は、産業技術総合研究所安全科学研究部門の「フラーレン(C60)ナノ材料リスク評価書-最終報告版-(2011.7.22)」も合わせて参考にしてください。

参考:フラーレン(C60)ナノ材料リスク評価書-最終報告版-(2011.7.22)(pdfファイル)

フラーレン化粧品はすでに10年近い販売実績がありますが、これまでフラーレンを原因とした肌トラブルの報告はなく、その点でも安全性の高さを示しています。

参考までに化粧品毒性判定事典によると、フラーレンは掲載なし(∗)となっています。

∗ 毒性判定事典の毒性レベルは「毒性なし」「△」「■」「■■」となっており、△は2~3個で■1個に換算し、■が多いほど毒性が強いという目安になり、製品の毒性成分の合計が■4つ以上なら使用不可と判断されます。

∗∗∗

フラーレンは抗シワ(抗老化)成分にカテゴライズされています。

それぞれの成分一覧は以下からお読みください。

参考:抗シワ(抗老化)成分一覧

∗∗∗

文献一覧:

  1. ビタミンC60バイオリサーチ株式会社 (2015)「フラーレンの新たな美肌効果:酸化ストレスによって起こる皮膚角層のバリア機能低下に対する予防・改善効果を発見」, <https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000012933.html> 2017年8月19日アクセス.
  2. ビタミンC60バイオリサーチ株式会社 (2015)「フラーレンの新機能:「間欠的(繰り返し)紫外線照射によるヒト皮膚表皮細胞傷害に対する優れた防御効果」を発見」, <https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000012933.html> 2017年8月19日アクセス.
  3. ビタミンC60バイオリサーチ株式会社 (2016)「フラーレンが、肌の乾燥や黄ぐすみの原因となるカルボニル化を抑制」, <https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000012933.html> 2017年8月19日アクセス.
  4. ビタミンC60バイオリサーチ株式会社 (2016)「臨床試験にて『たるみ改善』効果を確認」, <https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000012933.html> 2017年8月19日アクセス.
  5. ビタミンC60バイオリサーチ株式会社 (2016)「優れた抗酸化力をもつ分子フラーレンの研究結果を発表  細胞死の原因となる酵素の活性抑制を確認」, <https://www.atpress.ne.jp/news/111931> 2017年8月19日アクセス.
  6. ビタミンC60バイオリサーチ株式会社 (2017)「『フラーレン』が大気汚染による肌トラブルを抑制? ヒト表皮角化細胞を使った実験で42%の細胞生存率上昇を確認」, <https://www.atpress.ne.jp/news/133313> 2017年8月19日アクセス.
  7. ビタミンC60バイオリサーチ株式会社 (2017)「フラーレンにより肌の保湿力アップ!! ~保湿に必要なセラミド増加のメカニズムを確認」, <https://www.atpress.ne.jp/news/135446> 2017年8月19日アクセス.

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